令和元年 12月定例会 建設公安委員会 12月11日-02号

P.1 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 おはようございます。私のほうからは2点であります。まずは、今ほど、新潟空港の利用状況について説明いただきましたけれども、国内線、国際線とも総じて本年度は堅調だという御報告でありました。昨年度の実績はLCCの新潟・関西国際空港線の新規就航、あるいはインバウンドの増加で新潟空港の利用者数は約 116万 6,000人で、対前年度比 114パーセントということで、11年ぶりに 110万人を超えたということであります。
 今ほど、今年度は、11月までの状況を御報告いただきましたけれども、こちらも総じて堅調だということであります。今年度は、これから残り12月、1月、2月、3月とあるわけですが、この調子でいくと、終盤になるわけでありますけれども、本年度のおおよその見込みというのはどのくらいかと。総じて今のところ堅調だということですが、本年度の見込みについて、皆さんがたの考え方というか、現時点での状況をお知らせ願いたいと思います。

P.1 ◎答弁 斎藤茂樹空港課長

◎斎藤茂樹空港課長 本年度の新潟空港利用者数の今後の見通し、見込みについてでございます。今後の見込みにつきましては、例年1月から2月に国内線が旅行の閑散期に入るということ、それから皆様ご存じのとおり昨今、国際情勢が非常に不安定であるということから、予断を許さない状況であります。引き続き、航空会社と連携した利用促進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 なお、かりに、11月までの対前年度比 104.5パーセントを維持できたとすると、単純計算になりますけれども、今年度の実績は、 120万人を超えるという見込みとなります。

P.1 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 国際情勢あるいは国内線は1月、2月が閑散期になるということで、予断を許さない状況というふうに御報告を頂いたのでありますが、おっしゃるとおり単純計算でいくと 120万人を超えるかもしれないと。いろいろな手当てをしつつ頑張っていただけるということの理解をさせていただきます。
 それで、新潟空港の路線ネットワーク戦略2017では、来年度までに新潟空港の年間利用者数 135万人と目標を立てているわけであります。今ほど説明がありましたとおり、LCCのタイガーエア台湾が就航する予定だということでありますけれども、その他の新規路線の現状と、あるいは皆さんがたが、これは有力だというふうな情報等々がありましたら、この辺のところも伺いたいと思います。

P.2 ◎答弁 斎藤茂樹空港課長

◎斎藤茂樹空港課長 今後の国際線新規路線の現状と見込みについてでございます。新潟空港の路線ネットワーク戦略2017で幾つかターゲットとして掲げているところはございますが、現在、国際定期便が就航しております中国、韓国等の東アジアに加えまして、今、東南アジア方面への新規路線就航に向け、ベトナム線ですとかタイ線をターゲットにして航空会社セールスを実施して、チャーター便の就航を要請しているところでございます。ベトナムにつきましては、今年度は、ベトジェットエアが年間4回のチャーター便を運航いたしまして、来年度につきましては、年間5回のチャーター便運航に向けて協議を進めているところでございます。それから、タイにつきましては、今月末にタイ国際航空のチャーター便が5年ぶりに運航されることが決まっております。また、年明け2月の運航も確定しておりまして、来年度もゴールデンウィークにおけるチャーター便をリクエストしているところでございます。
 インバウンド、アウトバウンド双方の需要を取り込みながら、継続的なチャーター便運航、さらには将来的な定期便就航の実現を目指して、引き続き航空会社への働きかけを行ってまいりたいと考えております。

P.2 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 頑張っていただきたいということで、それに尽きるわけであります。それで、つい先般なのでありますが、令和3年に運航開始を目指すLCCのジェイ・キャス株式会社というのでしょうか、これが令和4年から新潟・富山線の開設を計画しているというふうな報道があったわけであります。報道によりますと、その後の動向について、県は正式な何らかのものがあれば、また考えるというか行動を起こすみたいな記事だったやに記憶をいたしているのですが、その後、何か動きがありますか。

P.2 ◎答弁 斎藤茂樹空港課長

◎斎藤茂樹空港課長 LCCのジェイ・キャスによる新潟・富山線の開設に関する動向についてでございます。現時点で、私どもへ、同社から就航に向けた特段の働きかけ等はございません。私どもといたしましても、今現在で報道を超える内容は把握していないという状況でございます。ただ、同社としては需要を見極めたうえで、早ければ令和4年秋には4機体制として、委員御指摘の新潟・富山線などその他の路線開設も目指す計画であるということは、私どもも聞いております。

P.2 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それで、どうなのですか、働きかけはどういうふうな方向でと。まだ正式なものは何もないということですが、県として同社に対する働きかけというものはきっちりとやられるというふうな理解でよろしいのですか。

P.3 ◎答弁 斎藤茂樹空港課長

◎斎藤茂樹空港課長 ジェイ・キャスに対する新潟県としての働きかけという御質問でございます。当県におきましても、新潟空港を拠点とする地域航空会社の事業計画案が民間のかたから示されております。県といたしましても事業予定者のかたなどと随時コンタクトを取って情報交換等を行っているところであります。ちなみに、富山県に確認したのですけれども、現時点では、富山県としてジェイ・キャスの運航について、まだいろいろ課題がある段階だということで、動きを見守っている状況だというふうに聞いております。私どもといたしましては、まずは新潟空港を拠点として事業計画を示しておられる事業予定者のかたのほうと、やり取りをしていきたいと考えております。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 分かりました。
 次に、先ほど説明がありました新潟空港アクセス改善プロジェクト事業について、今年の9月から始まっている県外高速バスの空港乗り入れと、それから早朝航空便に対応したアクセス整備も9月11日から開始したということで、かなり短期で力を入れるというふうなことで、総体的に本年度は昨年度に比べてこの辺の予算が非常に増えているというふうに理解をしているところであります。今年度、長岡から新潟空港への高速バス運行と、福島県の会津若松からの高速バスの空港乗り入れの2点が9月から始まっていますが、利用の状況というものは、まだ9月、10月、11月の3か月くらいですけれども、どのような格好になっていますか。

P.3 ◎答弁 斎藤茂樹空港課長

◎斎藤茂樹空港課長 新潟空港アクセス改善に係る高速バスの利用状況についてでございます。委員御指摘の会津若松・新潟間高速バスの空港乗り入れ、それから長岡からの早朝航空便に対応した新潟空港への高速バス運行につきましては、9月から運行を開始したところでございます。運行開始から11月末までの利用状況といたしましては、9月1日から運行開始した会津若松便につきましては、延べ 410人です。9月11日から運行開始した長岡便は延べ 198人となっております。今後も利用促進に向けて、メディア記事掲載を通じた住民への周知ですとか航空会社と連携した広報など、周知広報に努めてまいりたいと考えております。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 そうすると、割り返すと、1便につきおおよそどれくらいの利用者数になりますか。ちょっと計算してください。

P.3 ◎答弁 斎藤茂樹空港課長

◎斎藤茂樹空港課長 高速バスの1便当たりの利用者数という御質問でございますが、会津若松便につきましては1便当たり0.75人で、長岡便に関しましては1便当たり2.44人となっております。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それは、なぜでしょうか、まだ知られていないのだからなのか、どういう理由でこのような数なのかと。総体的な人数は、延べ数にすると聞こえはいいのだけれども、1便当たりとなると微々たるもので、本当にこれは、普通に考えれば大赤字というふうなことで維持などはできないというふうなことでありますが、今のところ利用者数が少ないという原因はどう把握していますか。

P.4 ◎答弁 斎藤茂樹空港課長

◎斎藤茂樹空港課長 高速バス便の利用者が少ない原因という御質問でございますが、委員御指摘のとおり、運行開始から3か月がたちますが、やはりまだ周知が十分行き届いていないというところがあるかと思います。県といたしましては、これまでも中越地方あるいは福島県の会津地方の商工会議所ですとか市町村の広報ですとかあるいはメディアですとかといったところを通じて地元企業、あるいは住民のかたへの周知をやってきております。今後さらに、例えば、会津若松便につきましては、ラッピングバスによる広報ですとか、あるいは関西まで行きまして、会津若松のかたと一緒にPRイベントに参加するですとか、それから長岡の高速バス便につきましては、利用者を対象としたプレゼントキャンペーンなども考えているところでございまして、今後も利用者の増加につなげる取組を積極的にやっていきたいと考えております。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 次に移ります。今、総体的に、今年度から始まった事業について伺ったのですが、先ほども話したとおり、今年、力を入れて新潟空港アクセス改善プロジェクト事業を行っており、重要施策だということで、予算も積み上がったということをお聞きしました。それで、継続のものを含めて、今年度の具体的なそれぞれの利用に関する短期の施策の実績について、全部含めて、伺いたいと思います。

P.4 ◎答弁 斎藤茂樹空港課長

◎斎藤茂樹空港課長 新潟空港アクセス改善プロジェクト事業についての今年度の事業の実績という御質問であるかと思いますが、昨年度運行開始いたしました観光地等への二次交通につきましては、今年度も運行を継続するとともに、利用者増加に向けた広報に努めてきたところでございます。また、高速バスにつきましては、先ほど申し上げたとおりでありまして、さらには12月から新潟空港駐車場の無料化、低廉化の実証実験も開始したところでございます。それから、順序は逆になりますが、11月からは新潟空港発着の定額タクシーの運行と。これは新潟市の一般社団法人新潟県ハイヤー・タクシー協会が主体となってやっている事業でございますが、その運行が開始となりました。今後も新潟空港年間利用者数 135万人の達成に向けまして、空港アクセスの改善を進めまして、空港利用者の利便性向上に努めてまいりたいと考えております。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 いろいろな施策を行っているわけでありますが、今ほどお話しのとおり年間利用者数が 135万人に達すると、鉄道の空港乗り入れの議論がまた始まるというふうなこともあるわけですので、その辺も含めてですが、来年度は、皆さんがたが非常に力を入れていかなければいけない、また入れるべきだと思っております。来年度の空港利用に関する施策というふうなものは、来年度予算が絡むわけでありますが、どのように展開をしていきますか、その心意気も込めて伺いたいと思います。

P.5 ◎答弁 田中昌直交通政策局長

◎田中昌直交通政策局長 空港利用者の増加を目指した県の空港関係の施策の取組ということでございますけれども、今ほど委員から御指摘もありましたように、軌道系アクセスの議論開始の目安としております新潟空港年間利用者数 135万人を達成するべく、私どもは取り組んでいく所存であります。できる限り早期に軌道系アクセスの本格的な議論が開始できますように、航空利用者の増加に向けて取り組んでまいりたいというふうに考えております。路線ネットワークの強化ですとか、あるいは二次交通の整備・拡充といった短・中期的な取組を実行可能なものからやってまいりたいというふうに思っております。
 具体的に申し上げると、路線ネットワークの充実ということであれば、先ほど空港課長からも説明がありましたように、チャーター便の新たな目的地等の可能性も込めて、チャーター便の実績を積み重ねることによりまして、新規路線の就航に向けた取組を進めましたり、あるいは既存路線の増便ですとか利用促進を図っていくことも大事であるというふうに思っております。また、二次交通の整備におきましては、空港アクセスの改善ということでさらなる二次交通の目的地を開拓したり、あるいは交通手段を拡充するとかといったようなことも考えてまいりたいと思っております。
 いずれにしましても、取組を進めておりますことは、実証実験という意味合いもございますので、そういった後の検証というものも、今ほど会津若松からの高速バスの利用のこともございましたけれども、そういった効果をしっかりと検証しながら進めてまいりたいと思います。また、同時にやっております空港活性化の動きについても、検討会議を立ち上げてやっておりますので、それについても引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えております。

P.5 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それでは2点めの質問に移ります。今、旬な話題といいますか、国も力を入れ出している、MaaS(マース)、これはモビリティ・アズ・ア・サービスという略になるということであります。これは、平成30年6月15日に閣議決定をされた未来投資戦略2018の中で、車の自動運転などとともに次世代交通システムというふうなことでMaaSが記述されているというふうに承知をしておりますが、まずは、MaaSについて、現時点での県の認識について伺いたいと思います。

P.5 ◎答弁 酒井良尚交通政策課長

◎酒井良尚交通政策課長 MaaSについての県の認識についてお尋ねを頂きました。モビリティ・アズ・ア・サービスということで、MaaSはさまざまな交通サービス、いろいろとあるわけですが、これをデータでつなげて新たな付加価値を生み出すというサービス形態を申します。
 それで、活用の方向として、地域の中での交通手段、あるいは観光地の移動手段の確保・充実、それからまた公共交通機関の維持活性化に資するサービスということで、国のほうでは地域特性に応じたMaaSを全国に普及させることが必要というふうにとらえて進めているところでございます。県の考えといたしましても、例えば、高齢者で自家用車をお持ちでない人の移動手段の確保ですとか、あるいは地域公共サービスの維持・充実など、地域における課題の解決策の一つとして新たな交通サービスというものが期待できるかなというふうに受け止めております。国やMaaSを運営する事業者などの民間企業、それから国内で展開されている実証実験の動きなどについて、関心を高くして把握に努めているところでございます。

P.6 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 国土交通省でも、新モビリティサービス推進事業について、有識者委員会の審議を経たうえで、応募があった51事業から事業の熟度が高いもので、全国の牽引(けんいん)役となる先駆的な取組を行う、先行モデル事業というのだそうでありますが、19事業を選定したということであります。民間交通事業者を含めて、県内でのMaaSの取組状況については、どのように把握しておりますか。

P.6 ◎答弁 酒井良尚交通政策課長

◎酒井良尚交通政策課長 県内でのMaaSに関する取組状況でございます。今ほど委員から紹介のありました、新モビリティサービス推進事業に関連しては、今年度から国土交通省と経済産業省が協働でMaaSなどの支援事業を行っておりますが、今ほどの先行モデル事業の19事業というものとは別に、経済産業省のパイロット地域分析事業というものが行われておりまして、こちらのほうに新潟市などで展開いたします新潟MaaS検討推進プロジェクトが採択をされております。中身としては、スマートフォン向けのMaaSアプリの構築あるいはその実証、それからオンデマンド交通の実証運行の新潟市中心市街地での実施などをテーマとして取り組むというプロジェクトでございます。
 また別の例といたしまして、現在開催中の新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーンに併せまして、JR東日本では新潟市を中心とした観光MaaSの実証実験を展開いたしております。スマートフォン専用のJR東日本アプリサービスでこれを展開しておりまして、ルートの検索、それから駅レンタカーの予約、あるいは新潟市観光循環バスの1日乗車券の購入といった決済などへの活用といいますか、そういった機能を持って取り組んでいるということでございます。
 そのほかでは、具体的な取組には至っていないところではございますが、県内の複数の市町村におきまして、MaaSに強い関心を寄せて情報収集に当たっているということを承知しているところでございます。

P.7 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 わが県においてもいろいろな動きが出てきているというふうなことであろうと思っています。そういう御報告を頂きました。
 それで、先ほど説明があったとおり、これはやはり実現をしていくと、いろいろな利用者の利便性がものすごく向上すると。先ほどの空港の話につながるわけでもあります。あるいは、過疎地においてもいろいろな運用によって、さまざまな利便性が確保される可能性があるということでありますが、導入に当たっての課題と、今後、県として他の部局とも、連携をしなければいけないというふうに思っておりますが、組織としてはどのように取り組んでいくのか、その辺のところ、2点について伺いたいと思います。

P.7 ◎答弁 酒井良尚交通政策課長

◎酒井良尚交通政策課長 MaaSの導入に当たっての課題についてでございます。MaaSは確かに地域交通の課題解決に有効な手段となりうるのではないかと期待しているところでありますが、実際、導入に当たっては、やはり地域のさまざまな交通事情があるわけでして、それらが異なる中でどのようにMaaSが活用できるのか。それから、そこについて関係者間でしっかりと検討議論を重ねるということがまず前提として必要だろうと思っております。私ども県といたしましても、今後、こうした先行事例等の情報収集、研究に当たっているところでありますが、これらをしっかりと地域に伝えていきたいと思います。
 また、今後、実際に地域において導入する際には、個々の地域事情や取組内容にもよりますけれども、MaaSの展開に必要な事業者とのマッチング、地域においてどういう事業者と取り組むか。それから地域交通事業者などがMaaSに参画する、関係する事業者となりますので、そういった皆さんとのしっかりとした合意形成について。また、各市町村においてMaaSをどのように活用していくのか、その考え方の整理といったものもまた課題としてあると思います。ですので、こういったものをクリアしながら実際に導入していくという動きにつなげていく必要があると思っております。
 それから、関係他部局との連携につきましてでございます。今年度、MaaSの事業者から県のほうに複数回おいでいただいて、取組の内容について御説明を頂くような機会も設けました。その際に関係課とも情報共有してきたところでございますし、今後、今ほど申し上げたような個々の市町村の地域事情とか課題に応じまして、観光部門ですとか、それから生活関連の部門など、県庁の各関係課と連携を取りながら、県内の導入に向けて取組を進めてまいりたいと思っております。