P.1 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 おはようございます。ご苦労さまでございます。
それでは私からとりわけ近年の災害で、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策をはじめ、またそれも延びるようでありますが、いろいろな関係があるのですけれども、いちばん被害が大きい河川の関係について、まず伺いたいと思います。河川整備計画あるいは河川整備基本方針の策定につきましては、歴史的にも国民のニーズの多様化や社会的変化等々を受け入れつつ、平成9年の河川法改正によって導入されました。今ほど申し上げたとおり、近年の豪雨災害を受けて、河川整備計画の見直しが図られてきているわけでありますが、県の基本的な方針について、まず伺いたいと思います。
P.1 ◎答弁 本田勝河川管理課長
◎本田勝河川管理課長 河川整備計画の見直しの基本的な方針についてでありますが、策定後の浸水被害の状況などを踏まえまして、これまでも平成16年の7.13新潟豪雨災害や平成23年7月新潟・福島豪雨などを契機として見直しを実施しております。昨年度も平成25年や平成29年の豪雨災害を踏まえまして、一部の河川整備計画の見直しを行ったところでございます。なお、今後も浸水被害の状況を踏まえまして、必要に応じて河川整備計画の見直しを行ってまいりたいと考えております。
また、現在国において気候変動の影響を反映した治水計画に係る基準等の見直しについて検討がなされているとのことでございますので、こうした動向も注視してまいりたいと考えております。
P.2 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 河川整備については、始めると大変長い期間と多額の費用等々、予算も要するというふうな格好の中で、ハードとソフト、これはもうハードだけでは全然間に合わない、県民の生命・財産を守れないというふうなことも問題になって、当然、ハードとソフトが一体となって県民の生命・財産を守るということが大前提になっているわけであります。本県における想定最大規模の浸水想定区域図の策定の進捗(しんちょく)状況は前定例会でも伺ったわけでありますが、水防法によって義務づけられている38河川についてはすでに公表済みであると。その他河川についても鋭意進められているような状況で、すでに公表済みの河川は総数で 112河川と。それで、それに基づいて市町村が策定するハザードマップについては、義務河川については作成対象となる27市町村の内、25市町村ですでに策定済みと。残り2町村においても本年度中に完了すると聞いているわけでありますが、さらには、今ほども答弁がございましたように、最近の相次ぐ中小河川の浸水被害の対策として、県は重要となる約80河川について、来年度までに公表し、市町村がそれに基づいてハザードマップを作れるようにということで目標にしているというふうに聞いているのであります。その河川整備計画の策定状況について、伺いたいと思います。
P.2 ◎答弁 本田勝河川管理課長
◎本田勝河川管理課長 河川整備計画の策定状況についてでありますが、本県の一級水系の河川整備計画は、国が策定する河川整備基本方針に基づきまして、五つの一級水系を13圏域に分けて策定することとしておりまして、令和2年4月に策定した関川圏域を含め、12圏域で策定済みとなっております。また、二級水系の河川整備計画は、県が策定する河川整備基本方針に基づき、水系ごとに策定することとしておりまして、県内 143水系の内、10水系で策定されております。二級水系は全水系数に対する割合が1割に満たない状況ではございますが、一級及び二級水系を合わせた策定済みの流域面積は、県土面積に対し約8割という状況でございますので、それだけ二級水系は小規模な河川が多いということでございます。
P.2 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 この河川整備計画について、被害状況、浸水状況を見ながら進めているというふうな説明であるわけでありますが、私は随分前にこれと同じ話をしたことがあって、整備計画を立てたからといって別にすぐ整備をする必要はないのだけれども、いざというときのためにやはり計画を作っておいたほうがいいというふうな話をさせていただきました。そのときにも、多分、9か10水系、国の関与する直轄水系だとかという一級水系についてはそれがほとんどもうできていたのでありますが、今、あれから何年たったでしょうか、七、八年、10年近くたつかもしれません。とにかく何かないと、なかなか策定していただけないと。一級水系は、面積のカバー率が高いという話も頂きましたけれども、それでは、二級水系の 143水系について、今後の具体的な策定予定をお伺いしたいと思います。
P.3 ◎答弁 本田勝河川管理課長
◎本田勝河川管理課長 二級河川の河川整備計画の策定予定ということだろうと思いますが、これまで本県では平成9年の河川法改正以降、過去の浸水被害の実績等を踏まえまして、河川改修事業を実施している河川の、河川整備計画策定を優先的に進めてまいりました。現在、学識経験者などで構成する新潟県二級河川流域懇談会を開催いたしまして、特に河川環境に配慮した整備を必要とする佐渡地域の天王川水系河川整備基本方針の策定に現在、取り組んでいるところでございます。こちらの策定後は引き続き河川整備計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。また、その他の水系につきましても、河川改修や維持補修などの整備の必要性、緊急性を見極めながら、策定を検討してまいりたいと考えております。
P.3 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 どうも私は、本当にそれでいいのかなという思いがずっと前からしているのであります。そういう意味ではなかなか二級河川は細かく、全体の面積から比べても小さいということで、今のところある程度カバーされているのではないかという見解だと思っているのですが、それにつけても、少し視点を変えますけれども、問題は時間と費用が大変かかると。いざ計画を立ててしまうと、今度はなかなか整備が進まないというふうな話が地域住民からもいろいろやはりあるのです、間違いなく。ソフト対策に重点を移さざるをえないというふうなことだとも思っているのです。少し戻るのですけれども、浸水想定区域図が公表済みの河川は当然、求められていた重要なところがたくさんあるのですが、市町村の福祉施設など、公共施設などは避難確保計画をやはりきちんと作成するべきだし、またするようにというふうな趣旨もあるのです。そういうことで、避難確保計画の作成を働きかけることがやはり求められていると、重要になっているのですが、土木部はどういう支援をしているのでしょうか、伺いたいと思います。
P.3 ◎答弁 本田勝河川管理課長
◎本田勝河川管理課長 福祉施設等の避難確保計画作成に向けた支援についてでありますが、平成29年の水防法の一部改正によりまして、浸水想定区域内に位置し、市町村地域防災計画に定められた社会福祉施設、学校、医療施設等の要配慮者利用施設においては、洪水時等の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、避難確保計画の作成等が義務づけられております。本県における避難確保計画の作成状況については、今年6月末時点では対象施設の約72パーセントで作成済みとなっております。全国平均の約55パーセントを上回っておりますが、いまだ計画を作成していない施設が残っている状況でございます。
土木部といたしましては、市町村からの要請に応じて技術的な助言を行っております。これまでに市町村が開催する施設管理者向けの講習会に職員を派遣し、避難に役立つ情報の入手方法などについて紹介しております。これに伴いまして、本県の計画策定率も着実に向上しております。今年10月末時点での速報値になりますが、77パーセントに達すると聞いております。引き続き、今後も関係部局と連携しながら、避難確保計画が早期に作成されるよう支援してまいりたいと考えております。
P.4 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 こちらも全国平均から比べると進んでいるということで、十分に市町村への支援もしていくというふうな御答弁だったと理解をいたしておきたいと思います。今後ともそういうことは、きちんと進められるように取り組んでいただきたいと思っております。
それで、また戻るようなものなのですが、先ほどからの答弁にもあるように、中小河川のはんらんが原因となる被害が非常に多いというふうになっているわけであります。これは報道なのですが、来年度に水防法改正などを行ったうえで、浸水想定区域図設定、ハザードマップの策定、公表を進める方針を国が目指すと、つまり、実質的に義務づけるのだというふうな方向性が各種報道でなされているのです。どうも皆さんがたの情報だと、国ではそのようなことは正式に言っていないというふうなこともお伺いしたのですが、私の推測だと、個人の財産権だとか居住権とも密接に関係するので、その辺のところのいろいろな法律の関係もあるのかと思っているのです。それはともかくとして、そういうふうなものの考え方がやはり進んできているということは事実だと思っているのですが、その法改正によって義務化をされるという方向性に今、行っていると思っているのです。そうなると今度は義務ですから県ももっと進めなければいけないと。どんな計画やスケジュール感を持ってと。私はそうなると思っているのですが、少しその辺は皆さんと食い違いがあるようです。方向性については間違いないというふうに思っているのですけれども、その辺はどうお考えでしょうか。
P.4 ◎答弁 本田勝河川管理課長
◎本田勝河川管理課長 中小河川における浸水想定区域図及びハザードマップの策定についてでございますけれども、先般の新聞記事において、水防法などの改正によりまして洪水時の浸水想定区域の設定対象を中小河川に拡大する政府方針が報道されたというところでございますが、現時点では国から具体的な内容について示されていない状況でございます。県といたしましては、法改正にかかわらず、これまでも計画的に行ってきた洪水浸水想定区域図の作成・公表を進めていきたいと考えておりますし、国から示された簡易的な手法も活用しながら、中小河川、小規模河川の水害リスク情報の提供に取り組んでまいりたいと考えております。
P.5 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 前回も質問させていただきましたが、今の答弁の中にございました簡易的な手法は、今年の春先でしたか、国土交通省から示されたと。県でも市町村の意向などに応じて来年度、有効なものかどうかも含めてモデル河川で実施するというふうな御答弁を頂いていたのですが、その後、市町村との関係だとか、どう進んでいるのでしょうか。現状について伺いたいと思います。
P.5 ◎答弁 本田勝河川管理課長
◎本田勝河川管理課長 簡易的手法による浸水想定の検討状況でございますが、9月定例会の本常任委員会でも答弁いたしましたが、現在、想定氾濫区域内の家屋数のほか、現場条件、洪水ハザードマップへの反映に向けた市町村の意向等も踏まえまして、対象河川を選定しているところでございます。次年度以降に対象河川の中から選定したモデル河川での実施を通じて、簡易的手法による技術的課題等について検討を行いまして、計画的な氾濫推定図の作成・公表につなげていきたいというふうに考えております。
P.5 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 では、その辺もきちんと進むように要望していきたいと思います。県財政も大変厳しくなっておりますので、その辺のところも踏まえまして、ソフト対策に重点を置かなければしかたがないというふうな状況下になります。ぜひ、お願いしたいと思います。
それからもう1点ですが、除雪について伺いたいと思います。少し前、今もある意味ではあるのだろうと思っているのですが、冬場の除雪作業をしている建設業者にとって、冬場の除雪作業というものはやはり企業収益を上げるための大事な収入源の一つとなっていたわけであります。最近は気候変動が大変激しく、雪が多いときもあるけれども、去年のような少雪のときもあって、皆さんがたもいろいろ工夫を凝らしていただいているのですが、なかなか安定的なものではなくなってきていると。必ずしも収入源に結びつかないような状況で、ある意味では、地域住民の安全や安心を守るための、七、八割がサービスという、あるいは義務と言ってもいいかもしれませんが、そういうふうなものの中で今、行っている企業もあると。本当は労力等々いろいろと比較すると、なかなか割に合わないと。むしろ足が出るという場合もあるというふうに聞いておりまして、やはり人手不足等々もあって、なかなか大変です。声を聴いても大変なのですが、県で基本待機料の前倒しなどを行いながら、いろいろとやってきて、今日に至っているわけであります。改善策もその時々によって施されていることは承知しているのですが、今までどのような改善策を施してきたのでしょうか。伺いたいと思います。
P.5 ◎答弁 山郷和久道路管理課長
◎山郷和久道路管理課長 道路除雪における支払制度についてでありますけれども、本県では、少雪時において人件費の一部を補てんする基本待機料制度と除雪機械の保有に係る経費の一部を補てんする固定費支払制度を設けて、除雪体制の確保を図ってきているところです。基本待機料制度につきましては、平成18年度の少雪を受けまして緊急措置的に導入したものを平成20年度に制度化をしたところです。翌年度には、標準的な稼動時間であります基本待機時間を拡充して改正を図ってまいりました。また、その支払方法につきましても、平成27年度から少雪時の対応として、これまでシーズン終わりの精算時に一括してお支払いしていたものを一部前倒しで支払う、前倒し払いを実施しているところであります。固定費支払制度につきましては、除雪機械の維持に必要な保険料とか格納保管料等々の固定経費を、稼動時間にかかわらず一定額で支払うものとして、平成19年度に制度化をしたものであります。この固定費支払制度につきましても、平成21年度には機械の償却費の一部をその対象に加えるなど見直してまいりまして、これまで運用してきているところであります。
P.6 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 いろいろなことを考えながら、また充実させてきているということは、今ほどお話しいただきまして、承知をいたしたところであります。それでは、今ほど話がありましたけれども、最近の基本待機料と機械固定費の支払い状況について、どのようになっているのでしょうか。伺いたいと思います。
P.6 ◎答弁 山郷和久道路管理課長
◎山郷和久道路管理課長 基本待機料と機械固定費の支払い状況についてでありますけれども、基本待機料の支払額を見てみますと、平年雪でありました平成30年度は約2億 3,000万円となっております。また、記録的少雪となりました昨年度は約8億 4,000万円となっております。
また、機械の固定費につきましては、平成30年度は約12億 8,000万円、昨年度は単価等の上昇もありまして、約13億 4,000万円となっております。
P.6 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 なるほど、やはり皆さんがたにそういうふうな制度を作っていただいた中で、機能していると。今、この金額を聞きまして、そう思っております。
それで、もう一、二点、この件について伺いたいのですが、昨年度の記録的な少雪について、わが県も固定費、それから基本待機料について多くなっているわけでありますけれども、東北地方も、豪雪地であります。除雪がやはり生命線になっている県で、具体的に言いますと山形県、秋田県、青森県等々でありますが、支払制度を見直すというふうな動きが出ているように承っております。本県は、昨年度の非常な少雪等々を踏まえた対応はするのか。今、もう発注しているのか。それと、他県と比較した本県の制度についてはどのような状況なのか、伺いたいと思います。
P.6 ◎答弁 山郷和久道路管理課長
◎山郷和久道路管理課長 昨年度の少雪を踏まえた支払制度の見直しについてでありますけれども、基本待機料制度は制度創設から約10年を経過しているといったことも踏まえまして、過去の除雪実績データを検証し、今年度の冬に向けて基本待機料算定の基となります基本待機時間を一部増やしまして、見直しを行ってまいりました。これによりまして、昨冬のような少雪時においても人件費のさらなる補てんが可能となるものと考えておりまして、今シーズンからその運用をしております。
また、他県との比較ということでございますけれども、東北、北陸地方の各県の制度概要を見てみますと、各県とも人件費に対する補てんの制度、あるいは機械固定費に対する制度につきまして、その両方若しくは一方について制度化がなされている状況であります。各県の道路除雪延長や、それに必要となる機械台数等々が大きく異なるため、制度内容に濃淡があるようでございますけれども、人件費の補てんあるいは機械経費、固定費の補てんという支払いへの度合いといった部分に着目しますと、本県につきましては、他県に比べて優位にあるものと推察しているところです。
P.7 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 理解いたしました。それで、もう1点でありますが、今後やはり気候変動が非常に激しくなるのではないかというふうな、一般的な予測等々が課題的にもあるようでありますけれども、そういった随時の改正によって安定的な体制を築くべきだと思っております。今の除雪を担っていただいている業界の皆さんも、やはりオペレーターの確保等々、非常に大変な状況の中でやられているということを踏まえて、きちんとした体制の構築をしていただきたいと思っているのですが、どういうふうなことを基本に、あるいは意を用いながら構築していくのか、その辺のことを伺いたいと思います。
P.7 ◎答弁 山郷和久道路管理課長
◎山郷和久道路管理課長 今後の安定的な道路除雪体制の構築についてでありますけれども、安定的な除雪体制の維持を支援する支払制度については、毎年、一般社団法人新潟県建設業協会に除雪を主とするワーキンググループというものがあります。そういったグループとの毎年の意見交換、あるいは除雪のシーズン後にすべての除雪業者の皆様へアンケート又は意見照会をしております。そういった関係者の意見を伺いながら、より適切な制度となるよう努めてまいりたいと思います。また、人手不足ということもございまして、除雪作業の効率化、省力化についても重要と考えております。そういった中でICTを活用した技術の導入など、道路除雪の担い手不足等の課題にも対応していきたいと考えております。
P.7 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 意見交換などもしていただいているようでありますので、その辺のところをきちんと踏まえていただいて、より効率的で安定した体制を築いていただくことをお願いしたいと思います。
最後の質問でありますが、土木部としての来年度予算の編成方針について、まだあまりはっきりしていないと思いますが、御承知のとおりの県財政の状況にあるわけで、本年度の国における補正予算もだいぶ大型になるというふうな報道等々、あるいは国のようす等を伺ったり、要望等に行きますとそのような感じになっているわけであります。そういった中で、わが県の今年度の補正予算と来年度の当初予算の投資的経費と称するものの基本線は、御承知のとおりの平成30年度当初予算比の10パーセントマイナスで、それも平成30年度の補正予算と当初予算を含めてと。これは、3か年緊急対策が始まる前の年度なのです。その水準の10パーセントマイナスであります。今年度の予算の場合は、3か年緊急対策の最終年度の県に割り振られるといいますか、残された部分の最終年度の予算は別枠で配分されていましたが、それは別枠でいいという話になっていましたので、今年度は皆さんがたの御努力によったりいろいろな国の制度にも乗っかったりしながら、何とか予算確保ができたということでありましょう。3か年緊急対策も、どうも5か年延長されそうだということなのですが、やはりそれだけでは、どう考えても賄い切れないと私は思います。そういったことで、原則は守らなければいけないわけでありますし、それにつけてもやはりきちんとしたある程度の公共事業の確保が必要だと思っております。その辺の厳しい状況等々を踏まえた土木部の編成方針について、これから本格的な財政当局との議論がいろいろ始まるのですが、このことについて伺いたいと思います。
P.8 ◎答弁 星丈志副部長(土木部)
◎星丈志副部長(土木部) 国の第3次補正予算、来年度当初予算編成方針に係る土木部の対応についてでありますが、土木部につきましては、本県の投資事業の内、半分余りを所管しているということから、県の財政健全化に向けましては、新潟県行財政改革行動計画公債費負担適正化計画に基づいた事業の執行が必要となっているということであります。
一方で、災害が激甚化、頻発化する中、県民の安全・安心を確保していくには、引き続き国の防災・減災、国土強靱(きょうじん)化などの対策を踏まえ、着実に防災・減災対策を進めていく必要があります。現在、政府では新たな5か年加速化対策の取りまとめが進められておりまして、防災・減災対策のほか、新たなメニューとして、本県が要望しておりましたインフラ施設の老朽化対策も拡充され、活用幅が広がると聞いております。来年度の予算編成方針では、委員御指摘のとおり、投資事業費は平成30年度の実負担の9割をめどに予算を編成することとしておりますけれども、県といたしましては、限られた財源のもとではありますが、国の5か年加速化対策をフルに活用し、選択と集中のもと、必要な事業量を確保してまいりたいと考えております。現時点で国のフレームが不明でありまして、直轄事業の見通しも定かではありませんけれども、いずれにしましても国の第3次補正予算及び来年度の当初予算の詳細を把握するため、引き続き情報収集を行い、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
P.8 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 現状ではそうなるのでしょう。それ以上踏み込んだ答弁は難しいということなのだと思いますが、やはり予算編成はなかなか大変だと思います。
もう一つは、防災・減災等々の国の財政支援が非常によくなる、あるいは拡充される、3か年緊急対策が今度は5か年というふうなものの中で拡充をされていくと。地方財政措置も拡充されていくといった中で、実負担はそれなりにそれを最大限利用していけば、減るという格好になります。その中でいろいろ工夫を凝らしながら事業量を確保するということなのですが、そのことと県単公共事業の組み方です。これは事業内容が重複する部分、河川の伐木だとか重複しますよね。今度は対策が5か年になりますが、そういうふうなものは、県単事業の、地域住民にとって非常に必要な密着した小規模のものとはわけが違うと私は思うのです。全く中身が違うのです。そういったことで、特に固定経費などというものは、投資的経費に当たらないのですが、全く減らしようがないと思います。そういった中で、県単公共事業の、俗に言う建設系、維持系という言葉を使うのですが、その辺の組み方というものは、私が申し上げたように、国の方針と重複するのだけれども、これは質が全く違うので、事業量の確保はやはりそれなりにしなければいけないと思っているのですが、そこの考え方について伺いたいと思います。それで終わります。
P.9 ◎答弁 星丈志副部長(土木部)
◎星丈志副部長(土木部) 県単公共事業の編成方針についてでありますが、総務管理部長から発出された令和3年度当初予算の編成通知におきましては、当初予算の事業費は平成30年度当初予算から1割削減した水準で要求することが明記されております。一方で、委員御指摘のとおり、県単公共事業につきましては、地域における基盤整備及び防災・減災対策、近年では老朽化対策も含め、地域住民の要望を受けながら機動的かつきめ細やかに対応するための費用と考えております。県土のバランスある整備にとって重要な財源であることから、これを基に必要な事業量は確保していかなければならないと考えております。現時点で有利な緊急自然災害防止対策事業債が来年度も継続されるかさえも不明ではありますけれども、いずれにしましても、現在あります緊急浚渫推進事業債ですとか公共施設等適正管理推進事業債など、地方財政措置の手厚い有利な県債を積極的に活用することで、県の実負担を変えずに事業量を最大化していきたいと考えております。