令和元年 6月定例会 建設公安委員会 06月25日-01号

P.1 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 おはようございます。今ほど土木部長のほうから国に対する要望、そして防災・減災対策の新たなステージに向けた検討会議の状況等々の説明がございました。重なるところはあるのですが、まずは、国が示し、今、進んでいます防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策について伺いたいと思います。
 期間は、平成30年度の補正予算からスタートということで、令和2年度までの3か年ということであります。基本的な考え方は、相次ぐ自然災害を教訓にして、自然災害時に重要インフラが機能を維持できるように、平時から備えを行い、生命・財産を守るために、今、全国のあちらこちらで頻発している自然災害等に対する対応が、緊急で必要になったというふうなことだと。国土交通省だけではなくて、いろいろな省庁にまたがる施策でありますが、これが全体的な緊急対策の考え方ということであります。これを受けた格好で、国土交通省の、皆さんがたの所管が大部分というふうなことに相成ろうかというふうに思っておりますが、まずはハード対策のほうから伺いたいと思います。
 水害・土砂災害から命を守るインフラの強化、そして災害時にインフラの機能を維持するための電源確保ということは、ハード対策に入っているのです、どうも調べたら。それから、データの確実な提供・活用のための機能強化、そして経済・生活を支える身近なインフラの強化、交通ネットワークの強化を掲げているわけです。
 そこで、本県の土木部所管分では、これらを踏まえたハード対策が施されているわけでありますが、その各分野において採択されている内容、そして事業費について伺うと同時に、その総額についても、平成30年度補正予算分と、今年度当初予算分を含めてということで、伺いたいと思います。

P.2 ◎答弁 坂井徹技監(土木部)

◎坂井徹技監(土木部) それでは、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策についてお答えいたします。まず、土木部所管のハード対策の内容及び事業費についてでございますが、国のこの3か年緊急対策は、重要インフラの緊急点検等を踏まえ、防災のための重要インフラ等の機能維持及び国民経済・生活を支える重要インフラ等の機能維持の観点から、特に、今、緊急的に実施すべきハード・ソフト対策について、3年間で集中的に実施するものでございます。
 ハード対策の内容と平成30年度補正予算及び令和元年度当初予算を合わせた事業費についてでありますが、水害・土砂災害から命を守るインフラ強化など、防災のための重要インフラ等の機能維持として、河川の堆積(たいせき)土砂掘削、樹木の伐採などに約 172億円、砂防堰堤(えんてい)の整備等の土砂災害対策に約46億円、河川の水位局の浸水、停電対策に約2億 1,000万円などとなっております。また、交通ネットワークの強化など、国民経済・生活を支える重要インフラ等の機能維持には、豪雨による土砂災害等を防ぐための道路のり面、盛り土対策に約90億円、橋梁(きょうりょう)の耐震、補強対策に約14億円、豪雨による冠水被害を防止するための道路の排水機能の強化等に約21億円などとなっております。ハード対策の平成30年度補正予算と令和元年度当初予算を合わせた総額でありますが、約 410億円となっております。

P.2 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 平成30年度補正予算で積み上がったこの事業費が、今盛んに、事業の執行に入っているというふうに理解しておりますが、約 410億円というのは、なかなかの数値だと思っています。本県はだいぶインフラ整備等々、老朽化対策を含めていろいろ遅れていたというふうなことでありますので、これをもってある程度、進むのかなというふうに思っておりますが、同じように、今度はソフト対策について伺いたいと思います。

P.2 ◎答弁 坂井徹技監(土木部)

◎坂井徹技監(土木部) 次に、土木部所管のソフト対策の内容及び事業費についてお答えいたします。国土交通省では、緊急点検結果や近年の災害から得られた教訓等を踏まえ、重要インフラの機能確保に向けた緊急対策におけるソフト対策として、災害発生時に命を守る情報発信の充実及び、利用者の安全確保、迅速な復旧等に資する体制強化の観点から取り組むこととしております。
 ソフト対策の内容と、平成30年度補正予算及び令和元年度当初予算を合わせた事業費については、災害発生時に命を守る情報発信の充実として、河川の監視カメラの設置や洪水ハザードマップの作成等に約6億 9,000万円、土砂災害警戒区域の指定に必要な基礎調査費として約 2,000万円、また、利用者の安全確保、迅速な復旧等に資する体制強化として除雪機械の増強に約14億円となっております。以上、ソフト対策の平成30年度補正予算と令和元年度当初予算を合わせた総額は約21億円となっております。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 これによって、かなり地方財政措置がいいと。本来県がやる事業に比べて、国の財政措置が非常にいいわけであります。このことによって、国の財政措置が行われるわけでありますが、県の負担軽減額というものはどれくらいになるのでしょうか。お伺いしたいと思います。

P.3 ◎答弁 吉田誠吾副部長(土木部)

◎吉田誠吾副部長(土木部) 国の財政措置による県の負担額の軽減についてでございます。このたびの緊急対策事業に充当するために発行する起債に対しましては、通常の起債よりも多くの地方財政措置が行われることになっております。平成31年2月定例会の冒頭提案における補正予算及び令和元年度当初予算において御承認いただきました緊急対策事業に対し、通常の起債の財政措置率を20パーセントと仮定して試算したところ、通常の財政措置は約60億円でございます。一方、今回の緊急対策事業では約 149億円となることから、差し引きをいたしまして約89億円ほど多く財政措置がなされ、県の負担が軽減されるものと考えております。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 非常に、ここのところはないような財政措置だと思っています。過去には、地域の元気臨時交付金というものが、平成25年くらいにあったと。あのときの財政措置も非常によかったわけでありますが、ただ、今回、違うことは、河川等の雑木処理のみにも適用できるということです。あのときは、けっこう、原則だめだというふうなことだったと思っておりますが、その辺の細々とした、いわゆる維持関係のところも適用になるというふうなことで、非常に使いかってがいいというか、あるいは財政措置も非常にいいと。そういうふうなことで、県を挙げて、国にいろいろ働きかけた結果がこのような結果になっているというふうに思い、その御努力に感謝いたします。
 そして、先ほど話もしましたが、雑木処理であります。やはりこれのみで適用できるわけでありますから、かなり進むだろうというふうに思っております。地域の元気臨時交付金以後、あちらこちらで雑木がだいぶたまっておりまして、それは皆さんがたも御承知のことだと思います。あちらこちらでもう、地元のかたがたから処理の要望が非常に強い。皆さんがたにはその認識を持っていただいているものと思っておりますし、出先機関の皆さんも十二分にお持ちになっていらっしゃるわけですけれども、なかなか実態が間に合わなかったということだと思っております。特に、この雑木処理等々をやると、期間はそう長くもつわけではないのですが、やはり効果的だというふうに思っておりますので、まず、この雑木の処理方法の現状について伺いたいと思います。

P.4 ◎答弁 本田勝河川管理課長

◎本田勝河川管理課長 伐採木の処理方法についてお答えをいたします。委員御指摘のとおり、河川の本来持つ機能を十分発揮させるための河道掘削及び伐木につきましては、地域から多くの要望を頂いているところでございます。本県におきましては、国の緊急点検の結果、あるいは防災・減災対策の新たなステージに向けた検討会議の提言を踏まえまして、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を活用するなどいたしまして、河道掘削、伐木を重点的に推進しているところでございます。大量の伐採木の処分が必要な状況ではございますけれども、受入体制を確認したうえで、処分場へ運搬処分ということを基本にしております。一部は民間活力の導入によりまして、資源の有効活用を図りながら、適正に処理を行っているところでございます。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 今、一部答弁があったのですが、運搬処理等にコストがやはりかかっているのですよね。この辺が非常にもったいなく思うのです。その辺の対策について、どうやってその処理コストを削減しているかというところを少し伺いたいと思います。

P.4 ◎答弁 本田勝河川管理課長

◎本田勝河川管理課長 伐採木の運搬や処理に係るコスト縮減策についてお答えいたします。伐採木の一部につきましては、民間活力の導入によるコスト縮減に取り組んでおります。伐採した樹木を希望者に無償で配付いたしまして、まきストーブの燃料あるいはきのこ栽培のほだ木など、資源を有効活用していただくとともに、運搬費及び処分費の縮減を図っているところでございます。また、運搬費のかねあいで一部の地域に限られますけれども、伐採木をバイオマスの発電所へ搬出することによりまして、資源の有効活用及び処分費用の縮減にも取り組んでいるところでございます。今後も維持管理費のコスト縮減を図りながら、河川の適切な維持管理の推進に努めてまいりたいと考えております。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 今、河川管理課長がおっしゃいました、新しい樹木というか、木の需要が非常に増えているわけです。バイオマス発電などは、正にそのとおりだと思っています。そして、これは茨城県か、千葉県かが、雑木処理についてインターネット等で必要なかたに募集をかけたら、すぐになくなったという報道というか、そういう情報もあるのです、実は。やはり非常に売れ筋がいいようですので、その辺のところを、皆さんがたも一工夫していただくほうがいいのではないかと。1回、2回と、これはあまり予算もかからないと思うのです。募集をして、入札をかけたのではないと思うのですが、その辺のところはもう一回、調べてみますけれども、非常に売れ筋がよかったという県も出てきているようであります。
 ですので、少し工夫をしていただければ、ただで、処理費用がかからないかもしれないというふうなこともありうるのかなというふうに少し思っていますので、よろしくひとつ、その辺のところも御検討願えればというふうに思っております。とにかく、この件については、あちらこちらの地域住民が非常に期待をしているということでありますので、ぜひともこの3か年緊急対策、あるいはその後についてもひとつきっちりと、意を用いてやっていただければと思っております。
 それで、先ほど土木部長の説明で防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策について継続的に3年がたったあとです、問題は。これはきっちりと国にも働きかけていくというふうなことであります。そこで、まだその3年後については、はっきりはしていないというふうに、国土交通省等々は言っていますが、やはり3年後以降が心配だというふうなことのようでありますので、ぜひとも一緒になって、これは国に向けて、特に財務省に向けて働きかけなければいけないことと思っております。今、この緊急対策で、緊急なのだけれどもやり切れないものはたくさんあるよねということなのです。そこのところは、やり切れないものがおおよそ分かったら、だからこうやって国にさらに御要望するのだということにならないと、やはり説得力がないと思います。その辺のところは、この緊急対策で、本来すべき事業がどれくらい進むのかということと、それから国に対する働きかけを具体的にどういうふうにやっていくのか、ここを伺いたいと思います。

P.5 ◎答弁 坂井徹技監(土木部)

◎坂井徹技監(土木部) 防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策の予算確保についてでありますが、今、小野委員の御指摘のとおり、現時点で国の方針はまだ明らかにされておりません。この3か年緊急対策を実施後も、まだ緊急輸送道路の耐震化ですとかは3割程度残りますし、それから要配慮者利用施設を保全する土砂災害対策などについても7割程度残るというふうなことで、この緊急対策後も継続的、計画的にやる必要があると考えております。このため、県といたしましては、先ほども申しましたが、今年度5月31日、知事を先頭にこの3か年緊急対策後の所要の予算確保等、必要な地方財政措置を国土交通大臣及び与党の幹事長等に要望したところであり、今後もさまざま機会をとらえて国に働きかけてまいりたいと考えております。

P.5 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 ぜひ、これはもう行政と私ども県議会が一体となってやっていかなければいけないことです。ただ、県財政の悪化というものがありますので、その辺のところも、やはり財政当局はいろいろ気になっている部分だと思います。その辺のところはきっちりと理屈だてて、理論だてて、国ともそうですが、県の財政当局等ともいろいろ出てくるわけですので、よろしくお願いしたいというふうに思っております。
 次に、皆さんがたにいろいろご苦労をかけております山形県沖で発生した地震についてであります。6月18日に発生いたしまして、村上市山北地区で震度6強が観測されました。本当に皆さんがた県と、特に市町村の皆さんとの連携が今回、非常によかったと思っています。そして、震度の強かった割りにはそれほどインフラあるいは生活インフラ等々における被害はと。住宅の被害は、大規模半壊だとかも少しはあるのですが、全壊というものはなくて、今日いっぱいで調査が終わるそうでありますけれども、強かった割りには、被災された皆さんには本当にあれですけれども、人命の被害がなかったということだけでも不幸中の幸いかなと思っております。皆さんがたの本当に今日までの御努力に感謝を申し上げさせていただきながら、被災地の早い復興というものが望まれているわけですが、今回の地震による被害状況、そして現在の復旧状況、今後の見込みについて伺いたいと思います。

P.6 ◎答弁 坂井徹技監(土木部)

◎坂井徹技監(土木部) 山形県沖で発生した地震によります被害状況、それから現在の復旧状況及び今後の復旧見込みについてでございます。地震発生直後より、県が管理いたします道路、河川、砂防施設等における被害状況等の情報収集のため、緊急パトロールを、一般社団法人新潟県建設業協会等と連携して、震度4以上を観測した13の地域機関において実施をいたしました。被害状況といたしましては、河川、砂防施設等において大きな被害はなく、また、震度6強を観測した村上市山北地区において、土砂災害危険箇所等の緊急点検を 203か所で実施した結果、緊急な対応が必要となる箇所はございませんでした。
 一方で、県管理道路においては落石等により一般国道 345号を含めた4路線4か所の通行止めが発生いたしました。通行止めを行った箇所については、速やかに応急工事を実施し、6月21日午後5時に一般国道 345号弘法トンネル付近の全面通行止めを解除するなど、21日までに4路線とも全面通行止めを解除いたしました。なお、現在、片側交互通行となっております一般国道 345号弘法トンネル付近につきましては、2車線による交通開放に向けた落石対策の調査・検討を行っているところであります。同様に、落石により通行止めとなった県道2路線についても、落石対策の調査・検討を行っているところでございます。今後、梅雨前線や台風等により本格的な降雨時期を迎えることから、土砂災害等の新たな災害の発生には十分警戒をし、県民の安全・安心の確保に努めてまいりたいと思っております。

P.6 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 ありがとうございます。通行止めが本当に迅速になくなったということでありますが、1か所だけ一般国道 345号は、今、お話がありましたとおり片側交互通行であります。それを余儀なくされている。かなり時間もかかるようですので、特にここは、そろそろ海水浴のシーズンが始まりますので、危険ということでは通さないということはもちろんでありますが、速やかに全面開通をお願いいたしたいというふうに思っております。
 今回の地震でありますが、その重要幹線道路であります一般国道 345号が通行止めになったということが大きいのだと思います。改めて、わが地域の道路状況があまりよくないというふうなぜいじゃくさというか、その辺が露呈された形になっているわけであります。これは、東日本大震災のときもいろいろと話題になったところでもありますが、ミッシングリンクについて、日本海沿岸東北自動車道であります。これはやはり、そういう関係でも、1日も早く開通していただきたいと、今回また改めて、その地域の皆さんが必要性を強く感じることになったわけであります。このことについて、現地においても要望がいろいろと出ているというふうなことからも、実感しているわけでありますが、このことについて、県の考え方を伺いたいと思います。

P.7 ◎答弁 東海林晃道路建設課長

◎東海林晃道路建設課長 日本海沿岸東北自動車道国道7号朝日温海道路の早期建設についてですが、大規模災害が全国各地で頻発している状況を考えますと、広域的な視点から、隣県と接続する道路は太く、そして多重に接続することが必要であると考えております。さらに、本県は新潟県中越大震災や新潟県中越沖地震を経験し、高速道路が県土の早期復旧・復興に大きな役割を果たしたと実感しております。このため、日本海沿岸東北自動車道におけるミッシングリンクの解消は極めて重要だと考えております。また、高速道路ネットワークの構築は物流の効率化や観光交流の促進という効果も期待されていることから、国道7号朝日温海道路の早期の建設が必要だと考えております。

P.7 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 そこで、今年の4月だったと思います。国が、国道7号朝日温海道路について、建設の見込みと言えるかどうかということもあるのですが、これは異例なことだと思いますけれども、10年先の見通しを示していただいたわけであります。3号トンネル、4号トンネルのことだと思いますが、これは一気に工事ができないのだそうで、それを見込むと、これらのトンネルの開通に10年程度の期間を要するだろうというふうな見通しが示されました。これらによりほぼ開通となるというふうなことで、開通の見込み、目途というものが立つというふうな発表があったわけですが、10年というのは以前から10年なのです。ここしばらくずっと、10年が縮まらないという現実があるということに、やはり地元の皆さんはと。
 今、本当に見通しが見えてきましたから、これは通らないということは絶対にありえないということでは少し落ち着いているのですが、この時間軸が動かないというか進まないというか、時間よ止まれでは困るのであります。そういうところについて、きっちりと、またいろいろな問題、技術的な問題もあるのですが、この辺を技術的にも克服することが可能だというふうに思っておりますので、ぜひとも早期開通に向けて、また県も我々も努力をしなければいけないと思っておりますけれども、これからの県の、より加速した、知事の言う、一段加速した皆さんがたのお考えを伺って質問を終わりたいと思います。お願いします。

P.8 ◎答弁 東海林晃道路建設課長

◎東海林晃道路建設課長 国道7号朝日温海道路の今後の対応についてですが、委員御指摘のとおり、国が朝日温海道路の長期的な見通しを発表したことは今までも例がなく、県民が早期供用について期待していることを強く意識していただいた結果だと感じております。現在の整備状況としまして、国からは、一昨年から着手している1号トンネルに加え、今年度より新たに4号トンネル、11号トンネルなどの大規模構造物の工事に着手すると聞いております。
 また、用地取得についても、県が昨年度から用地取得に協力していることもありまして、昨年度末時点で用地買収の8割までが完了し、事業は着実に進捗(しんちょく)はしておりますが、一方で、先日の地震もあり、朝日温海道路の早期の供用が必要であると再認識したところです。このため、関係自治体や地元などとの連携を強化して、1日も早く開通するよう、一層国に働きかけていきたいと考えております。