平成31年 2月定例会 産業経済委員会 03月06日-07号

P.11 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 おはようございます。私のほうからも、なるべく重複のないような形の中で質問を二、三させていただきます。
 今ほど、ほ場整備について、三富委員の質疑への答弁で、平成31年度から平成33年度までの3か年平均は16地区、平成28年度から平成30年度までの3か年平均は7地区と、 2.3倍に伸びていると。また、これから市町村財政等も、県の財政もそうですが大変厳しくなる中で、市町村、あるいは県等もそうですけれども、団体等々といろいろ調整を取りながらやっていくというふうな大筋の話がありました。そのほかの事業についても、それこそここにおられる新潟県土地改良事業団体連合会長の三富委員はじめ団体の皆さんがたの御努力で、一時期の停滞した農業農村整備予算が平成28年度以降の補正予算等と、あるいは当初予算も含めると、非常に伸びたというふうなことで、皆様がたも計画的に各事業を進められてきて、いわゆるほ場整備は今、お聞きしましたけれども、老朽化対策、防災対策など、いろいろと今までの計画を前倒ししてやってこられたと。格段に事業進捗(しんちょく)は図られているというふうに思っているのですが、前倒しで進められて、そういった中の具体的な進捗状況について、ほ場整備は聞きましたけれども、ほ場整備の進捗状況を含めて伺いたいと思います。

P.12 ◎答弁 坪谷満久技監(農地部)

◎坪谷満久技監(農地部) 補正予算等を含めた今の予算状況に対する事業の進捗状況ということでお答えをさせていただきますが、平成28年度に実施をしていた事業ということで、ほ場整備、老朽化対策、防災・減災対策に関連する地区が、県営事業で 178地区ほどございました。この地区で平成30年度末現在での事業進捗状況を平成28年度の当初予算が3年間続いたという試算額をまずベースにしまして、それと現在、補正予算等を含めた大幅な予算増になったところを比較をさせていただきました。
 そうしますと、ほ場整備では、進捗状況が75パーセントから91パーセントということで、16ポイントほど進展をしたという状況でありますし、老朽化対策では、進捗率65パーセントかなと思ったところが71パーセントということで6ポイントほど進展をしました。また、防災・減災対策では、61パーセントから75パーセントとなるということで、14ポイントほど進展をしたという状況になっておりまして、各事業とも補正予算の活用などによりまして、大きく事業進捗が図られたというような認識をしております。

P.12 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 三富委員のほうから、ほ場整備について、これから増えていくと。先ほどお話がありましたとおり、規模は、3か年平均で16地区に増えるということであります。そのほかの今、答弁があったそれぞれの事業です。この辺の数年先の要望まで皆さんがたは把握して、それぞれの土地改良区等々から要望を受けていると認識をいたしておりますが、各事業の今のストックという意味では、もう進捗して、だいぶ減っているのでしょうか。その辺のところも含めて、それぞれのところからの、団体等からの各事業の希望状況について伺いたいと思います。

P.12 ◎答弁 大嶋良夫農地計画課長

◎大嶋良夫農地計画課長 平成31年度から平成33年度までの3か年の、主な県営事業の新規着工要望状況について申し上げますと、現時点ではございますけれども、先ほど話がございました、ほ場整備事業につきましては、47地区でございますが、受益面積で申し上げますと、合計で 3,916ヘクタール、総事業費では 750億円となっておりまして、直近3か年に比べますと受益面積ベースでは 2.2倍、事業費ベースでは2倍という状況になっております。
 それから、農業水利施設の長寿命化対策につきましては、同じ3か年の要望量で申しますと18地区、総事業費 434億円となっておりまして、直近3か年に比べますと事業費ベースで 2.2倍という状況になっております。それから、今、防災・減災対策の中で、特にため池の要望が多くなっていますが、ため池等整備事業につきましては74地区、総事業費で 194億円、直近3か年に比べて事業費ベースでございますけれども 1.5倍という状況になっております。

P.13 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それぞれ事業進捗が図られたけれども、これからのそれぞれの地域等からの要望は、それにより満たされた以上にあるというふうな理解でよろしゅうございますよね。いかがでしょうか。

P.13 ◎答弁 大嶋良夫農地計画課長

◎大嶋良夫農地計画課長 これまで事業進捗を図ってまいりました結果、それぞれの事業効果がアピールされたおかげで要望もそれなりに増えてきているということでございまして、まだ当分、この状況は続くのではないかと思っております。

P.13 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 先ほどの三富委員の質問に続くわけで、これから市町村も本当に厳しくなりますよね。正直に言うと、私は特にできるときに事業進捗はやはりきちんと、そう言っては失礼でありますが、国の方針も将来どう変わるか分からないかと思います。国も財政が非常に厳しいですから。市町村、県とももう本当にだいぶつらくなっているという意味では、できるときにやる、事業進捗させるということが、私は基本だというふうに思っております。先ほど、三富委員の質疑で、ではこれからどうするのかという話はお聞きしましたので、それ以上の突っ込んだ答弁は、多分ないのだろうと思います。
 ただ、やはり、いろいろな会合、あるいは特段の意を用いていただいて、その辺のところをしっかりと。特に、いわゆる国のガイドライン等々に市町村の負担の部分がありますよね。ここはやはりしっかりと出していただかないと、農家はついていけませんから、受益者としては。その辺のところをしっかりとまた詰めてやっていただきたいと特段に思っているのですが、その辺を含めて答弁はいかがでしょうか。あのままだと言うのだったらそれでもけっこうですが、いかがでしょうか。

P.13 ◎答弁 坪谷満久技監(農地部)

◎坪谷満久技監(農地部) 今後の予算が厳しい中で、どうやって事業を進めていくかということでありますが、県の財政なり、また市町村の財政が本当に厳しい中で、それでも要望がたくさん来ているというところでございますので、本当に要望どおりに採択できないケースなり、また予算の割り当てができないケースもやはり想定されるのだろうと思っております。やはり市町村なり、土地改良区にその辺の実情を丁寧に説明しながら、当然、今ほど出ましたガイドライン、市町村が応分の負担をできる時期等を見極めながらというところで、合意形成を図っていくという中、そういった丁寧な説明で理解を得ていくということが必要になってくるのではないかなというふうに考えております。

P.13 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 ありがとうございました。
 次に、一部関連して、ため池の整備について何点か聞きたいと思います。今の国会で農業用ため池の管理及び保全に関する法律案というものが提出されて、多分これは可決になるのだと思っていますが、その内容等が一部報道されているような状況にあるのですけれども、県として防災重点ため池については、いろいろと前からの質疑があるわけであります。そういった中で今回の法案について、内容、目的等々について、まずはどのような認識を持っているか伺いたいと思います。

P.14 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 農業用ため池の管理及び保全に関する法律案についてお答えいたします。法案の内容でございますけれども、まず1点め、これまでありませんでしたが、ため池の所有者による県知事への届け出を義務づけているという点でございます。これはため池の名称ですとか所在地、所有者、管理者名等を届け出るという義務づけでございます。それに併せまして、2点めは、所有者等による適正管理の努力義務を付与するということでございます。3点めは、かりに適正な管理が行われていない場合、県知事が是正を勧告するという内容が盛り込まれております。4点めは、県知事、市町村長によりまして、必要な場合は立入調査を行うというような権限が付与されているところでございます。併せまして、こういった措置の前提のもとに、特定農業用ため池という指定を行いまして、指定されたため池に関する防災工事の実施ですとか、管理体制が行き届いているかといった体制をしっかりと構築していくという内容になっていると聞いております。
 いずれにしましても、この法案の目的につきましては、農業用ため池をしっかりと適正に管理して、ため池の決壊等により水害等の災害が起きた場合でも、国民の生命及び財産を保護するということを目的としているというふうに認識しておりまして、県といたしましては、法案の趣旨を踏まえまして、農業用ため池の適正管理が実現できますよう、市町村と協力して、取り組んでまいりたいと考えております。

P.14 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 今ほど、答弁があったように、この法案では新たに特定農業用ため池を指定することになるということなのですが、新たに加わる特定農業用ため池の指定範囲、具体的な要件というのは、いつ、だれが、どのように指定し、どう管理をしていくのか。その辺について伺いたいと思います。

P.14 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 特定農業用ため池の要件について、お答えをいたします。こちらにつきましては、これまで選定をしておりました防災重点ため池の選定基準を見直し、昨年11月の時点で新しい選定基準ができまして、その選定基準を満たすものの内、国や地方公共団体が所有するため池を除いたものを特定農業用ため池として指定すると聞いております。指定につきましては、県知事が市町村長と調整のうえ、行うこととなると聞いております。
 この特定農業用ため池をどのように管理していくのかということでございますが、ため池の保全に影響を及ぼす周辺の土地の掘削ですとかといった行為の制限を行うと。制限といいますのは、具体的には知事の許可が必要になるということでございます。また、知事の勧告、あるいは所有者の届け出によって、必要な防災工事を実施しようという場合、その工事の実施にもし不備があるとすれば、その場合は知事が防災工事の執行命令を行うとか、あるいは代執行をするという権限が付与されるということでございます。また、所有者を最終的には確定できないため池もあるかもしれませんが、そういった場合は、市町村が施設管理権を取得することが可能となるという内容になっています。

P.15 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それでは順次聞いていきます。所有者が不明な場合、今、おっしゃったように市町村が管理権を取得できるようになるということなのですが、昨年の県の緊急点検では、所有者不明のものもあるというふうな答弁があるわけですが、国のベースでは約30パーセント、2万 8,700か所が不明だということが報じられているのですが、本県の所有者不明のため池というのはどれくらいあるのでしょうか。把握できておりますでしょうか、伺いたいと思います。

P.15 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 県内に約 5,000か所のため池がございますが、使用実態が明らかになっています受益 0.5ヘクタール以上、約 2,400か所のため池につきまして、県で把握している数字でございますけれども、33パーセント、 802か所が所有者不明のため池となっております。

P.15 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 管理者のほうなのですが、県、市町村の行政の部分もあると思いますし、土地改良区、あるいは水利組合、集落、個人等々あるわけですよね。そういう振り分けというか、管理しているところがある。その管理内容がどうなっているかについても伺いたいと思います。

P.15 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 県が把握している約 2,400か所のため池における管理者の内訳でございます。これにつきましては、個人等が管理しているものが約 1,000か所、続いて、集落等が管理するものが約 700か所、土地改良区、水利組合等が約 600か所となっております。国、県が管理するものはございません。市町村が管理するものは29か所。管理はしているけれども、実態として管理主体が明確になっていないものが36か所ございます。いずれにしましても、今ほど申し上げた結果につきましては、これまで県のほうで把握してまいりましたデータベース上に登録されたものの集計でございます。必ずしも実態を反映していないものもあるかもしれないというふうに考えておりますので、今後、しっかり把握に努めてまいりたいと考えております。

P.15 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 所有者の義務というものが、管理しなければいけないとか、いろいろこれは飽くまでも努力義務なのでしょうか。義務が強くなってくるわけですね。これだけ多くの管理者不明、あるいは個人だとか、水利組合も、集落も含めてです。これだけ多くなると、その所有者、管理者の義務が非常に増してくると、管理できることになりませんので、多分、これは相当、市町村や県へ、もう預け入れるというか、かなりのそういうふうな事態が予想するに難くないですよね。私はそう思っているのです。これから行政による適正管理が求められることになりますが、国の財政支援はある程度、見えてきたということですけれども、やはり県としてどんな格好で市町村、団体等々とこの体制をきちんとし、進めていかなければいけないと思っているのか、その辺のところを伺って、質問を終わりたいと思います。

P.16 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 ため池の適正管理に向けまして、これまではっきりしていなかった県や市町村、行政の役割分担が明らかになる、適正な管理及び保全が行われる体制をしっかりと構築することが重要だという法案の趣旨にかんがみまして、まずはこれまでになかった、届け出等が義務づけられるため池の所有者、あるいは管理者の皆さんへの周知と理解がまず第一に必要になると考えております。具体的な進め方という点に関しましては、現在、この法案が審議中ということでもございます。国の動向を注視し、市町村、あるいは関係団体と情報を共有しながら進めてまいりたいと考えております。