平成30年 12月定例会 産業経済委員会 12月13日-03号

平成30年 12月定例会 産業経済委員会 12月13日-03号

P.12 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それでは、私のほうからも、何点か質問をさせていただきます。簡略に概要だけを、骨子だけを申し上げます。
 まず、防災重点ため池なのですが、今ほど帆苅委員から話がございましたけれども、国は、2019年の梅雨の時期までに、この選定を進めるというふうなことのようです。これは、県の選定の見込み等々について、話があったのか、まず伺いたいと思います。

P.12 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 新しい基準に該当する防災重点ため池の選定ですが、本県は約 1,000か所で、数もかなり多くございます。今後、市町村と速やかに調整を行って、国のほうから示されている梅雨の時期までを目標に、選定を進める予定としております。

P.12 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 次に、ため池ハザードマップなのですが、これは2019年度内の作成を目指すのだというふうなことを国から言われているのですが、この対応はいかがですか。

P.12 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 ため池ハザードマップにつきましては、選定が終わったものから順次、2019年度内に作成することを、目標に実施してまいります。

P.12 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 次に、具体的な安全強化策として、未利用のため池の廃止、あるいは利用されているところのため池の代替水源の整備等というふうなことを、国は進めるということなのですが、利用頻度の低いものも含めて、未利用のため池というものは、本県はどれくらいあるのですか。また、代替水源の整備等を進めるというふうになっているのですが、この現況と整備の方針は。どういう整備のしかたというか、どういうふうな方針で整備をしていくのか、ここを併せて伺いたいと思います。

P.13 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 未利用のため池の数でございますが、こちらについては、残念ながらまだ具体的な数字として、お示しできるものはございません。本年度につきましては、明らかに利用していないというため池につきまして、1か所の廃止工事を実施しているところでございます。今回行いました、農業用ため池の緊急点検におきましては、明らかに利用されていないと思われるため池も、多数見受けられたところでございますが、実際に関係者の皆様と、その利用実態を現地で確認できたものではございませんので、その中には所有者が不明なため池等もございます。したがいまして、今後、しっかりと利用実態を踏まえて、廃止をするのか、しないのか。そこにつきまして調整を、市町村のほうと実施していくことになろうかと思います。
 これまで、現地に点検に入っていないため池というものもございます。こちらにつきましても、来年度に詳細調査を行いまして、その状況を併せて把握するという予定にしております。なお、ため池の廃止ですとか、それから廃止に伴いまして、代替水源を整備するといったような場合は、農家負担を考慮いたしまして、国の補助事業を活用して、対応を進める予定でございます。

P.13 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 市町村と、また先ほど帆苅委員からの質問への答弁にあったとおり、関係団体等、関係者と詰めていくというふうなことなので、お願いしたいと思います。
 それから、次は、多面的機能支払交付金について、若干伺いたいと思います。今、5年が経過するところで、私どもも大変、ものすごく便利に使わせていただいていると。もうほとんどの集落というか、対象になるところは、私どものところも期待して、今後も続くというふうなことで、これがなくなったら大変だと思っています。今、農林水産省がその在り方を検討するということで、多面的機能支払交付金第三者委員会での評価の取りまとめに向けて、素案ができたということであります。それによりますと、遊休農地化の未然防止、そして解消に効果があると。また、地域の資源保全の一層の推進に向けた取組が課題だというふうに、報道がなされております。本県におけるその面の評価というものはどうでしょうか、伺います。

P.13 ◎答弁 石本伊佐雄農村環境課長

◎石本伊佐雄農村環境課長 本県における評価と課題についてですけれども、本県においても、国の第三者委員会と同様に、遊休農地の発生の抑制について、活動組織の約8割で効果があったと、市町村が評価しているところでございます。その面からしても、県としても、やはり効果的な取組であったというふうに考えております。また、課題ですが、県としても、国と同様、多面的機能支払交付金のより一層の取組拡大が必要だというふうに考えております。ただ、取組拡大に当たっては、地域が求めるリーダーや事務を担う人材が不足しておりますので、取組をちゅうちょする地域があります。これらの課題を解決するために、既存組織への編入、又は活動組織の広域化によって、取組拡大を図ってまいりたいというふうに考えております。

P.14 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 多面的機能支払交付金では、遊休農地には、今ほどの話のとおり効果があるということなのですが、遊休農地というものは、定義がきちんとあるのです。おおよそお伺いしているのですが、その定義というものは、どういうものなのでしょうか。こういう席でもありますので、教えていただけますか。

P.14 ◎答弁 石本伊佐雄農村環境課長

◎石本伊佐雄農村環境課長 遊休農地の定義ですが、農地法及びその運用では、まず一つめとして、過去1年以上耕作されておらず、かつ維持管理も行われず、今後も耕作される見込みがない農地。二つめとして、近傍類似の農地において、通常、行われる栽培方法と比べ、作物がまばらに栽培されるなど、農地の状態が劣る農地というふうに定義されております。

P.14 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それで、そういうふうなものの事前防止に効果があるということでありますけれども、その多面的機能支払交付金の対象で今、ほ場の面積ももう非常に大きくなっており、機械が大型化しています、トラクターにしてもコンバインにしても。やはりUターンをするところが、整備をしたあと、暗きょもしてもらうのですが、その後、数年たつと、ぬかるみが非常に出てくるのです。そういったところは、この多面的機能支払交付金ではなかなか、要件があるということなのですが、これがものすごく重要なことになってくるのだろうと思っているのです。なぜ認められないというか、難しいのか。その辺は、多面的機能支払交付金の要件にはっきりと、集水升だとか、それからあぜだとか、シート張りだとかというものは、うたわれているのですか。これはないですよね。うたわれてはいないようなので、その辺はなぜできないのか、難しいのか、教えていただけますか。

P.14 ◎答弁 石本伊佐雄農村環境課長

◎石本伊佐雄農村環境課長 多面的機能支払交付金では、営農に係る作業は、原則対象外というふうになっております。今ほど言われた、回るところで軟弱になるということが、営農上なのかどうか。これは、客観的に判断する必要があると思っております。ただ、多面的機能支払交付金は、そういうことが原因で、遊休農地になるおそれがあるという場合は、対応できるということなので、それは取組条件で、こういう場合は取り組みますよというような整理をしたうえで、国と協議してまいりたいというふうに考えております。

P.14 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 これは、国も多分、またいろいろな多面的機能支払交付金でできることとか、どうしたら遊休農地を未然に防げるかと。その検討は多分、なされるのだろうと。継続で、いかに便利になるよう、要件の緩和も考えているのではないかと、かってに推測しているのですけれども、やはりそこはきちんとうたっていただくと。そういう国への働きかけ等々をしていただきたいと思うのですが、いかがですか。

P.15 ◎答弁 石本伊佐雄農村環境課長

◎石本伊佐雄農村環境課長 国では、標準的な取組作業というものは決められておりまして、今、どういう検討がされているか、まだ情報は入ってきておりませんので、明確に申し上げることはできませんが、県独自の要件というか、取組もできることになっております。ですので、やはり客観的にそういうことが説明できれば、県独自の取組として、取り組むことも可能かと考えておりますので、今後、また国と協議してまいりたいというふうに考えております。

P.15 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 ぜひ。あまり面倒くさいことを言わないで、すぐさっと入れられるように。こうしてもらうと、農家は非常にありがたいとなるわけなので、ぜひ、あまりああでもない、こうでもないと、こうだから、だめだというふうなことではなくて、前向きにひとつお考え願えればというふうに思っております。
 次です。農事用電力を含む電気料金の経過措置の撤廃を想定した検討ということが始まっているようです。これは、経済産業省資源エネルギー庁が農事用、それから公衆街路灯向け電気料金等の経過措置料金について、導入から40年以上がたったということで最近、社会情勢や電力需給状況等も変わってきたので、それが反映されていないものもあるのではないかということで、今後の検討課題の在り方を検討していると聞いているのですが、農地部としてはどのような認識をお持ちでしょうか。この件について、伺いたいと思います。

P.15 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 電力の小売自由化につきましては、平成28年4月から全面自由化されたところでございますが、委員御指摘のとおり、低圧区分の農事用電力につきましては、平成32年3月末までの経過措置といたしまして、料金設定に国の関与が必要な規制が維持されているというところでございます。
 一方、現在、東北電力株式会社では、農業等への影響を踏まえまして、経過措置のある低圧区分のほか、特別高圧区分、あるいは高圧区分につきましても、従来の農事用電力メニューを継続していただいているところでございます。例えば、当部のほうで所管しております農事用電力が用いられる施設といいますと、用排水機場ですとか、頭首工といった農業水利施設になるわけでございます。かりに、すべての農事用電力メニューが撤廃をされた場合、これらの農業水利施設の維持管理への影響が非常に危惧(きぐ)されるということですので、農事用電力の継続は、非常に重要な課題であるというふうに認識しております。

P.15 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それで、土地改良区もそうでありますが、県管理の施設といったところの、農地建設課長がおっしゃった撤廃によって、県も団体もそうなのだけれども、今、金額的にどれくらいの影響が、実際あるのですか。その辺について、伺いたいと思います。

P.16 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 本県の土地改良施設全般におけます電気料金については、残念ながら把握をしておりません。委員の今の御質問につきましては、国営造成施設で、県が直接その管理を受託している施設が18施設ございますけれども、こちらについては主に特別高圧区分、あるいは高圧区分で受電をしている施設でございます。こちらについて、お答えをさせていただきます。
 これら18施設の電気料金でございますが、過去10年間の平均の電力量、使った量でございますけれども、こちらのほうから試算をさせていただきますと、おおよそ年4億 7,000万円でございます。かりに、すべての農事用電力メニューが撤廃をされた場合、その影響を試算いたしますと、4億 8,000万円の増額となります。ほぼ倍かかるということでございます。

P.16 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 これを土地改良区が管理しているというのは、ものすごく多いですよね。そうしますと、土地改良区が、県もそうですが、やはり撤廃されると非常に問題になってくると。今、農地の集積・集約を図って、コスト削減を図って、そして高収益作物等々も含めて、農家所得を向上させようというふうなときに、多分、その腰を折るほうに非常に大きい影響があると思っています。これをされてしまうと、農家の賦課金が多分、うんと跳ね上がるのではないかと懸念しているのですが、これは土地改良区のほうもいろいろと今、国への働きかけが始まったというふうに聞いているのですけれども、そういう懸念について、県でどう考えているか、伺いたいと思います。今、私が申し上げたように、懸念は多分、あると思うのですが、県の考え方について、所見を伺います。

P.16 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 農事用電力が撤廃された場合は、地域によって電力の使用状況が、いささか異なりますので、やはり賦課金に対する影響については、それぞれの地域によって、違いがあるだろうというふうには考えます。
 特に低平地帯を多く抱えて、排水機場等の維持管理費に占める電気料金の割合が高い地域におきましては、やはり土地改良区の運営に非常に影響があるだろうと考えております。

P.16 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 ゆえに、県も関係団体と一緒になって、国に強く働きかけていただきたいというふうに考えているのですが、その件について伺って、終わります。

P.16 ◎答弁 江村英樹農地建設課長

◎江村英樹農地建設課長 県や土地改良区の役割ということかと思いますが、本年10月に、経済産業省資源エネルギー庁の担当者が、農事用電力の利用実態を調査するために来県しております。
 その際、本県におけます農事用電力の重要性を説明させていただきまして、電力料金が農業経営に大きく影響を与えているということを説明したところでございます。
 新潟県土地改良事業団体連合会におきましては、東北電力の本店及び新潟支店に対しまして、農事用電力存続の要望活動を実施したと聞いております。
 県としましても、安定した農業経営のため、土地改良区及び新潟県土地改良事業団体連合会とともに、農事用電力が引き続き維持されますよう、連携して対応してまいりたいと考えております。