P.19 ◆質問 小野峯生君
◆小野峯生君 おはようございます。自由民主党を代表し質問を行います。
12月末から続いた暴風雨や豪雪の影響で、上越地域を中心に県内各地が大変な豪雪被害に見舞われました。雪害によりお亡くなりになりました皆様に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
令和3年度当初予算は、補正予算と合わせ15か月予算として編成されております。新型コロナウイルス対策をはじめ、少子高齢化対策、グリーン社会の実現、デジタル社会の実現に向けたDXの推進など課題は山積しておりますが、知事の思いを込めるという意味で特に力を注いだ点について伺います。
このたびの中期財政収支見通しによれば、中長期的な取組として、令和13年度をピークとする基金取崩し額の山を乗り越え、持続可能な財政運営を実現するために、比較的公債費の実負担が少ない時期に県債管理基金を積み増し、それを取り崩すことによって、その後は基金に頼らずに収支均衡を図ることができるとしております。
そのためには、さらに20億円から30億円程度の収支改革を早期に図ることが必要としておりますが、来年度は行財政改革の2年目を迎える中で、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すとともに、経済界等から強い要望のある投資的経費の確保など、県内経済にも配慮していく必要があります。
今後の財政収支見通しは計画どおり達成できるのか、知事の所見を伺うとともに、本年度の現段階での税収見込みについても伺います。
次に、直轄事業負担金についてでありますが、大河津分水路改修や日沿道朝日温海道路事業などの進捗により、今後ますます直轄事業負担金の増加が見込まれますが、県負担分に対する財政措置比率は年々低減をいたしております。
公債費負担適正化計画では、投資的経費の事業量を、平成30年度当初予算の実負担額から10%削減した水準を保持することとしており、県の負担金増加が県直営の投資的経費の執行に支障を来すことにならないか危惧をいたしているところでありますが、知事の所見を伺います。
昨年は、拉致被害者家族会初代代表の横田滋さんと有本嘉代子さんという、運動の中心にいたお二人が御逝去をされました。当初から共に闘ってきた安倍晋三氏が首相の座から降り、解決に向けて行動してくれたトランプ大統領も再選できませんでした。
御家族と被害者の高齢化は重い現実であり、残された時間はあまりありません。菅首相は、最も早い時期から拉致問題の解決をライフワークとしてこられたことは御承知のとおりでありますが、直接、金正恩総書記と会って談判する段階に入ってきたと言われる方もおりますが、知事の所見を伺います。
地域振興局体制の見直しについて検討していると承知いたしておりますが、関係市町村との意見調整を含め、その進捗状況について伺います。
また、平成の市町村大合併から相当の期間が経過をし、地域機関の見直しも行われてきた中で、本庁組織についても様々な課題を抱えており、この際、思い切った見直しも必要と考えますが、知事の所見を伺いたいと思います。
県立博物館や美術館、図書館など、これまで県が直接運営してきた文教施設について、専門家等がその運営方法を議論する検討委員会が開催され、指定管理者制度の導入も含め検討が進められておりますが、おのおの公共性が高く、効率性だけで割り切れるものではないと考えております。また、利用者の不安も大きいのではないかと推察されますが、今後の検討の方向性について、知事の所見を伺います。
県出資法人についても、社会経済情勢の変化に伴い、設立目的の意義が失われているものもあるのではないでしょうか。これまでの出資法人の見直しの成果と今後の課題について伺います。
今冬は、上越地方に顕著な大雪に関する気象情報が出され、上越市高田をはじめ、24時間降雪量が観測史上第1位の値を更新するなどの大雪となり、また関越自動車道の立ち往生など交通障害が発生し、県民生活へ大きな影響がありました。
昔と比べ人手が少ない中で、除雪体制の確保が重要な課題となっております。県管理道路におけるオペレーターの確保を含めた除雪体制を維持するため、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。
上越市高田地区では、1月23日から9年ぶりに一斉除排雪が行われました。9年前と違っていたのは空き家の増加であり、最大の課題になったと聞いております。所有者と連絡が取れなかったり、家主が除雪費用の負担を拒んだりするケースもあったと聞いておりますが、隣の空き家が倒壊した場合、自分の家も無傷では済まない家も多く、町内会長を筆頭に団結して雪に立ち向かったところもあれば、自治消防団やボランティアに頼らざるを得ないところも多かったと聞いております。
平成24年度に制定された新潟県住宅の屋根雪対策条例には空き家に関する取組の規定もありますが、実効性のある支援策を改めて検討する時期に来ていると考えますが、知事の所見を伺います。
先般の豪雪災害では、農業被害、高齢者、要支援世帯、屋根のアンカーの問題など、様々な課題が表出しましたが、特に空き家の問題の深刻さが浮き彫りとなりました。空家等対策の推進に関する特別措置法の制定以来、数年が経過しましたが、再度の見直しが必要な事態と言えるのではないでしょうか。
国への法改正の要望も含めて、空き家に関する支援策の充実が必要と思われますが、知事の認識と今後の取組について伺います。
1月に行われた報道各社の世論調査では、東京オリンピック・パラリンピックの中止や再延期を予想あるいは望むものが合計8割に達しております。
IOCのバッハ会長は、開催されるかどうかではなく、どう開催するかだと述べております。式典の簡素化や観客数の制限を行い、感染対策を徹底すれば新しい形の五輪はできるかもしれませんが、国民の理解と共感を十分に得られなければ大会の成功はないものとも言われております。東京オリンピック・パラリンピックの開催について、知事の所見を伺いたいと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ有力な手段として国民に呼びかけてきた、スマートフォン用の接触確認アプリCOCOAについて、昨年6月の導入後にダウンロードされた約2,500万件の約3割が、昨年9月から機能しない状態に陥っていると厚生労働省から発表がありました。
9月定例会の代表質問でも、知事は県のホームページやSNSなどの活用のみならず、市町村や施設管理者、イベント主催者などにも幅広く協力を求め、COCOAとの併用による効果についてアピールし、双方の周知と普及を図っていくと答弁されていますが、県が導入した感染情報の提供システムの普及状況と、システムに不具合が生ずることはなかったのか伺います。
原子力発電所の所員が昨年9月、ほかの所員のIDカードを使って不正に中央制御室に入っていたことが判明いたしました。これは核物質防護規定に違反する行為であると考えられ、東京電力の管理体制が問われる重大な問題であるというふうに認識をいたしております。
また、東京電力は1月12日に7号機の新規制基準に基づく安全対策工事を完了したとしておりましたが、1月27日になって6、7号機共用で使用するとしていた一部の工事が完了していないことを発表しました。また、その後においても同様の問題が複数発覚している状況にあります。
これらの問題は東京電力の管理体制の甘さを露呈したものであり、地元住民をはじめ多くの県民との信頼関係は失墜していると言わざるを得ない状況にあります。
そもそも事故の危険性を踏まえれば、核物質を扱う発電所として高度の見識を蓄積した上で、会社の内部統制は最高レベルのものでなければならないと考えますが、改めてこの件について知事の所見を伺います。
今回の他人のIDカードを使った不正入室や、安全対策工事の未了問題もさることながら、過去の度重なる不祥事の発生や事実隠蔽と言われても仕方がないような対応をしてきたことを考えると、果たして東京電力に原子力発電所を運転する適格性があるのか疑問であるとの声も多く上がっていると承知しておりますが、知事の見解を伺いたいと思います。
原子力規制庁は、事案発生翌日の9月21日に東京電力から報告を受けたにもかかわらず、軽微な問題と判断し、今年1月まで原子力規制委員会には報告しておりませんでした。原子力規制委員会は、今回の不適切な事案の報告を受けることなく、9月23日に東京電力の適格性を含めた保安規定案を認めました。
原子力規制庁は、核物質防護規定に抵触するが、保安規定には抵触しないとの説明でありますが、桜井柏崎市長は、自分としては保安規定に一部抵触すると考えているとの報道もなされているところであります。
一連の経緯を踏まえれば、保安規定の再審査を原子力規制委員会に求めるべきではないかと思いますが、知事の所見を伺いたいと思います。
これらの不適切な事案について、東京電力は改革チームを立ち上げ、原因と対策を検討・実施すると聞いております。
再稼働についての地元同意のタイミングは、燃料装荷をする前、原子炉の起動を伴う検査の前、営業運転の開始前が考えられます。東京電力は燃料装荷前に地元同意を求める必要はないとの見解のようでありますが、今回の事案を踏まえ、地元同意のタイミングについて、改めてどの時点が適当であると考えているのか、知事の所見を伺います。
東京電力は、2月15日に不正入室事案の関係者13人の処分を発表いたしました。小早川社長を厳重注意、牧野原子力・立地本部長を譴責、石井原子力発電所長を減給10%1か月、不正入室した20代男性社員を出勤停止30日、警備担当の社員とその上司を出勤停止3日というものであります。
当事者を含め、関係者の処分は、重大事案を引き起こしたにもかかわらず、甘いと言わざるを得ないと考えておりますが、東京電力の処分の内容について、知事の所見を伺います。
技術委員会の委員交代について、交代予定の委員から再任を求める要望も提出されているようでありますが、県にはルールがあるのだから、特段の理由がない以上、当然ルールに基づき粛々と進めるべきと考えるものでありますが、委員自らが不再任の撤回を求めるなどの行為は言語道断であるというふうに考えますが、知事の所見を伺います。
検証総括委員会の任務は3つの検証を総括すること、及び知事の求めることについて行うこととされておりますが、池内委員長は再稼働の是非について参考意見を出すことや、検証総括報告を出す前に県民に意見を求めたいなどと、知事の求めていないことについても行う意向を述べております。
これは明らかに越権行為であり、委員長として不適格であることから、池内委員長を再任すべきではないと考えておりますが、知事の所見を伺うとともに、今後の検証総括委員会が行うべき任務についての所見を伺います。
1月26日、冬季避難訓練が実施されました。知事は、繰り返し訓練を行い、対応力を上げていくと言及されましたが、これは規制基準への適合にとどまらず、安全性向上に向けた取組に終わりはないということであり、再稼働の地元同意に関連したものではないと考えてよいのか、所見を伺いたいと思います。
令和2年9月定例会において、県庁組織における体制強化について質問したところ、地域医療体制の確保及び感染症対策などの課題への対応を強化する観点から、来年度に向け組織体制の在り方について検討していくとの答弁がありました。
令和3年度の県の組織改正に関し、県民が安全・安心に暮らせる持続可能な医療提供体制を確保するとともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などに対応するため、福祉保健部に地域医療担当副部長及び感染症担当副部長を設置し、基幹病院整備室及び医務薬事課を地域医療政策課に、健康対策課などを感染症対策・薬務課に再編するとの発表がありましたが、その狙いについて知事に所見を伺います。
現在、1都2府7県に緊急事態宣言が出され、本県においては県民の感染予防意識の高さ、医療機関や新型コロナウイルス感染症医療調整本部、保健所など関係機関の頑張りのおかげで、全国の中では比較的感染が抑えられてはおりますが、新規感染者は引き続き発生しており、予断を許さない状況にあります。
国は、新型コロナウイルス感染症への対応の必要性に鑑み、令和3年度から感染症対応業務に従事する保健所保健師の恒常的な人員体制を強化することを発表し、必要な地方財政措置を講ずるとしておりますが、本県において、今後の保健所保健師の人員体制についてどのように強化をしていくのか、知事の所見を伺います。
新型コロナウイルス感染症対策として、医療提供体制の整備は重要であります。今回の第3波では、全国的に病床が逼迫し、入院できずに自宅療養になった人も多くあり、中にはお亡くなりになった方もおられると聞いております。
本県においては現在456病床を確保していると聞いておりますが、今回の警報発令後の病床利用状況は、一般的に医療体制が逼迫していると言われている25%を超えたと聞いております。
第3波の全国状況なども踏まえつつ、本県においてなお一層の体制強化を図るべきと考えておりますが、知事の所見を伺います。
新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まり、効果がかなり高いとのことで、大いに期待が高まっておりますが、知事はワクチンの効果についてどのような期待を持たれているのか伺います。
あわせて、本県におけるワクチン接種体制の準備状況についても伺います。
本県における新型コロナウイルス病床や宿泊療養施設の逼迫状況は、首都圏と比べたときには余裕を持ったものになっていると承知をいたしております。
新型コロナウイルス感染症の検査が陽性であっても、軽症の場合、事情により自宅療養を希望されるケースもあると思いますが、その場合の症状の推移をどのように把握し、容体急変の際にはどのように対応することとなるのか伺います。
新潟県小児医療あり方検討会から2月4日に知事へ報告書が提出をされました。医師・看護師らをはじめとする医療資源が豊富な既存の総合病院に、5年から6年後をめどに、PICUや小児がんの小児専門医療施設を整備することを提言されたとのことであります。
また、喫緊の課題として、患者が安心・安全に手術が受けられるよう、専門性を持った医療チームによるサポート機能の強化を求めるとともに、患者の家族が滞在する長期滞在施設について、一、二年以内に整備をすることが望ましいとしております。
今後、必要な医師の確保や施設の規模、機能などについて多方面からの検討が必要になると思っておりますが、具体的にどのような体制で検討を進めていくのか、所見を伺いたいと思います。
本県の地域医療構想に向けたグランドデザインについて、年度内に大枠の方向性を取りまとめるとのことでありますが、これまでの進捗状況と今後の進め方の方向性について、知事の所見を伺います。
政府は、12月に2050年のカーボンニュートラルに向けたグリーン成長戦略を策定いたしました。
12月定例会の代表質問で我が党の小林議員が指摘したように、新潟東港のバイオマス発電所の建設計画を県として後押しをし、日本海側のエネルギー拠点化を目指す、あるいは村上市・胎内市沖洋上風力発電の導入に向け、県が中心になって地元同意の形成のための調整を行っていくことなどは重要なことであります。
県としても2050年までの新潟県版グリーン成長戦略を策定し、各県に先駆けて関連産業の誘致や地域産業を振興していく必要があると考えておりますが、知事の所見を伺います。
政府は、2月9日に菅首相の看板政策であるデジタル社会の実現に向け、デジタル庁の設置を柱とするデジタル改革関連6法案を閣議決定いたしております。国を挙げてデジタル社会の実現を図ろうとする大きな流れを、どのようにして本県に引き入れるかが重要な課題となっております。
新潟県として、大学や地元経済界と連携しながら、腰を据えて取り組むための戦略の構築が必要であると考えておりますが、所見を伺います。
国の基本方針の地方共通のデジタル基盤の項目では、全国規模のクラウド移行に向けて、デジタル庁が総務省と連携して、地方公共団体の情報システムの標準化・共通化に関する企画と総合調整を行い、政府全体の方針の策定と推進を担うほか、補助金の交付されるシステムについて総括・監理を行うこととされております。
これまでも自治体の主要業務システムの統一の試みはなされてきており、その都度、各自治体が独自のやり方に対応できるようカスタマイズされてきた経緯がありますが、より抜本的な改革を進めるためには、業務の進め方自体を標準化されたシステムに合わせていく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。
県内のスキー場では、近年の雪不足で厳しい経営が続く中、今冬のコロナ禍やそれに伴うインバウンドの減少などにより、営業を断念またはゲレンデを縮小して営業を行わざるを得ない状況と聞いております。併設のホテルやスキー場の感染対策経費に対する支援に加えて、スキー客の減少に対する手厚い支援が必要と考えておりますが、知事の所見を伺います。
Go To トラベルキャンペーンについて、知事は国に対し、県内で完結する宿泊、県民が県内のホテルなどに宿泊する場合の宿泊割引について停止の解除を求めましたが、あわせて県単の宿泊割引についても大変好評であったことから、年度末や次年度にも再度活用できるようにすべきであると考えておりますが、知事の所見を伺います。
農業施策についてでありますが、全国で過去最大規模の6万7,000ヘクタールもの主食用米の作付転換が必要とされる中、主産県である本県では県産米の需給動向や在庫の水準をどのように認識し、どの程度の作付転換が必要と認識しているのか、所見を伺います。
令和3年産米の本県の生産の目安を超えて主食用米の生産がされた場合、生産者が納得する価格で販売できるのか懸念をしております。全力を挙げて非主食用米の作付を拡大する必要があるというふうに考えております。
本県における在庫状況や国から示された関連対策等も踏まえて、どのように生産拡大を図っていくのか、知事の所見を伺います。
主食用米の転換を進めていく上で、県が主体的な役割を果たすことが必要であり、国も都道府県が転換拡大を独自に支援する場合に追加支援をするとしております。
本県としても国の追加支援の活用を進めることとしておりますが、非主食用米を安定生産していくためには、国や県が支援を継続していくことが重要と考えておりますが、知事の所見を伺います。
政府は、12月11日に防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を閣議決定いたしました。事業規模は15兆円程度、期間は5年間ということでありますので、毎年3兆円程度の予算が5年間にわたり確保されることから、災害等への対策のほか、老朽化対策、デジタル化などの推進に向けて腰を据えて取り組めることになりますが、知事の所見と併せ、今後の取組方針を伺います。
佐渡汽船の赤字問題については、新潟県、佐渡市が支援を行い、上越市は来年度当初予算に盛り込まずに精査、検討するということにしております。慢性的な赤字を抱える小木-直江津航路の存続など、課題も含めて抜本的な経営改革プランを検討していく必要があると考えておりますが、行政支援後の経営改革の方向性について知事の所見を伺います。
次に、交通安全施策について伺います。
県警察における交通安全教育の実施状況は、新型コロナウイルス感染症の影響により、10月末現在で回数で約70%の減少、参加人員で約79%の減少であったと承知いたしております。交通安全教育がおろそかになれば、交通ルールを守ってもらえなくなることが予想されます。
県警察は、本年度の交通安全対策についてどのように確保し、また令和3年度についてはどのように総合的な交通安全対策を推進していくのか、警察本部長の所見を伺います。
県警察の調査によれば、過去5年間の道路横断中の交通事故死者125人中47人、38%が横断歩道またはその直近を横断中に被害に遭っているとのことであります。
歩行者優先や正しい横断の徹底のためには、横断歩道が適切に表示されていることが大前提となることは言うまでもありません。しかしながら、県警察が横断歩道の摩耗度をサンプル調査したところ、摩耗率81%から99%のランク1が7.6%、摩耗率61%から80%のランク2が14.4%、摩耗率41%から60%のランク3が16.9%あったとのことであります。
比較的摩耗度の少ないランク4やランク5は様子を見るという対応でいいかというふうに思いますが、ランク1からランク3については、通学路や住宅地内から早急に補修をする必要があるというふうに考えておりますが、警察本部長の所見を伺います。
最後に、教育問題について伺います。
令和3年度予算編成の過程で、財務大臣との閣僚折衝を経て、小学校全学年での35人学級が実現する見通しとなりました。義務標準法の改正により、1学年ずつ上限人数を引き下げ、令和7年度までに全学年を引き下げることになります。
少人数学級の教育的な効果が検証できていないとの財務省の強い意向にもかかわらず、コロナ禍による3密回避の大義もあり実現したものであり、我が党の政府への働きかけや、9月定例会での意見書の提出なども功を奏したものと思っております。
少人数化が学力向上につながるエビデンスはないと言われておりますが、きめ細かな生徒指導や教員の負担軽減など、様々なメリットもあると考えておりますが、少人数学級化を契機としてどのような教育につなげていくのか、教育長の所見を伺います。
1月26日の中教審の答申では、令和4年度をめどに小学校5年、6年で教科担任制を本格導入すると明記されました。教員が得意分野を担当する教科担任制により授業の質が高まるほか、教員1人が全ての授業を受け持つ学級担任制に比べて負担が減り、働き方改革にもつながるとのことであります。
少人数学級の実現に加え、教科担任制にも教員増が必要となります。全国的にも我が県においても、小学校教員採用試験倍率は低迷しております。今後、教員の数の確保と質の担保をどう図っていくかが問題でありますが、教育長の所見を伺います。
宮崎県では、来年度から高校再編整備計画を見直し、ICT教育などを活用して、小規模校であっても持続可能な地域づくりの核として位置づける方針を明らかにしているようであります。また、文部科学省の普通科改革の方針の中にも地域課題の解決の役割などが盛り込まれており、宮崎県の方針転換はそうした趣旨に沿ったものと考えられます。
本県においても従来の再編整備計画を基にする一方、こうした新しい動向にも着目していく必要があるというふうに考えておりますが、教育長の所見を伺います。
12月定例会では、我が党提案の新潟県いじめ等の対策に関する条例について、各党会派から賛同を得て成立させていただきました。県民の皆様方から頂いた多くの御意見、また集中審議におきましては各党会派の皆様から多くの御意見を頂きました。改めて感謝を申し上げます。
今後は、具体的運用を担当する教育委員会とも連携しながら、より効果的な条例に育てていくよう努力していく所存であります。
そこで、現段階で条例の運用についてどのようなお考えをお持ちか、教育長の所見を伺いまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔知事花角英世君登壇〕
P.26 ◎答弁 知事(花角英世君)
◎知事(花角英世君) 小野議員の代表質問にお答えします。
まず初めに、令和3年度当初予算案において特に力を注いだ点についてでありますが、新型コロナウイルスが拡大を続ける中、まずは感染防止対策について、引き続き迅速かつ最大限の対応を行っていくとともに、社会経済活動の維持との両立に向けて、新型コロナウイルスの影響を大きく受けている方々への支援、中小企業者への事業継続を図るための支援などについて、しっかりと対応してまいります。
また、社会経済状況の変化を踏まえ、今後、本県が中長期的に成長・発展していくために、分散型社会やデジタル社会の進展に的確に対応するとともに、昨年9月定例会において表明した、2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロに向け、本県の活性化につながる脱炭素社会の構築を目指してまいります。
これらの取組を通じて、住んでよし、訪れてよしの新潟県づくりを着実に進めてまいりたいと思います。
次に、安定した財政基盤の実現についてでありますが、新型コロナウイルス感染症対策については、引き続き迅速かつ最大限に進める必要があり、国から交付される新型コロナウイルス関連交付金等を最大限活用することなどにより、行財政改革と感染症対応の両立を図ってまいりたいと考えております。
その上で、まずは県としての歳出歳入改革の取組を着実に進めるとともに、国の交付金や地方財政措置等を有効に活用することにより、安定した財政基盤の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
本年度の現段階の税収見込みについては、総務管理部長からお答えいたします。
次に、直轄事業負担金の増加についてでありますが、大河津分水路や朝日温海道路をはじめとする直轄事業は、本県の防災・減災や拠点化にとって重要であり、かねてから国に対して事業の着実な推進を要望してきましたが、議員御指摘のとおり、今後の進捗や5か年加速化対策に伴い、負担金の増加も見込まれるところであります。
しかしながら、持続可能な県政運営を実現するためには、公債費負担適正化計画を守り、公債費の実負担額を適切に管理していくことが必要であると考えており、実負担を減らす努力を行った上で、事業進捗を考慮しながら投資事業全体で調整を図ってまいります。
次に、拉致問題の解決に向けた日朝首脳による直接交渉についてでありますが、菅首相は、北朝鮮の貨物船、万景峰号の国内入港を禁止する議員立法に尽力されるなど、早くから拉致問題解決に取り組まれてこられました。
また、首相就任後、国会での施政方針演説において、自ら先頭に立ち、関係国と緊密に連携しつつ、全力を尽くすとともに、改めて、金正恩委員長と条件をつけずに直接向き合う決意を表明されています。
拉致被害者や御家族は御高齢となっており、議員御指摘のとおり、もはや一刻の猶予も許されません。政府には、引き続き関係国との緊密な連携を図りながら、日朝首脳会談の実現を見据え、あらゆる可能性を探りながら一層の外交努力により事態を打開し、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現していただきたいと考えています。
次に、地域振興局体制の見直しの進捗状況と本庁組織の見直しについてでありますが、地域振興局体制については、12月定例会において見直しの具体案を御審議いただいたところですが、その後全ての市町村長の皆様への説明を行い、現在、地域振興局の各部から市町村の担当部門へ、見直し後の業務執行体制などについて実務的な説明を行っているところです。
今後、市町村からいただいた意見等も踏まえ、必要な調整を図るなど、令和4年度からの実施に向けて、丁寧に進めてまいりたいと考えております。
また、本庁組織においても、県政の重要課題に的確に対応する組織とするとともに、業務の効率化を図りながら、小規模組織などの廃止・統合によるスリム化を行うなど、簡素で効率的な行政体制の構築に向けて取り組んでまいりたいと思います。
次に、文教施設見直しの今後の検討の方向性についてでありますが、県有施設の維持・運営につきましては、本来求められている役割や機能が、より効果的かつ効率的に発揮できるものとなるよう、不断に見直していく必要があり、文教施設についても同様であると考えています。
このたびの検討に当たっては、そうした観点に立ち、民間の能力を活用することも含め、様々な視点から検証を行うこととしています。
今後、県有施設管理等検討委員会から頂いた助言を参考としつつ、それぞれの施設利用者の意見などもお聞きしながら、見直しの方向性を決定してまいりたいと考えています。
次に、県出資法人の見直しの成果と今後の課題についてでありますが、令和2年度及び令和3年度において、出資法人に対する県単独補助金の削減や県派遣職員の引揚げなどの見直しを行ってきているところです。
また、今後の課題といたしましては、議員御指摘のとおり、出資法人の中には、設立当初の目的が既に達成されているものや、法人の自主性・自立性を高めていくべきものなどもあり、県の関与を縮小するなど、社会情勢の変化に応じた適切な対応に努めていく必要があると考えています。
今後、県出資法人経営評価委員会の御意見なども踏まえ、関係者の理解を得ながら着実に見直しを進めてまいりたいと考えています。
次に、県管理道路における除雪体制の維持についてでありますが、現状では、平年並みの降雪に対する除雪体制を維持するためのオペレーターの人数は確保されているものの、異常降雪時の対応や、担い手の高齢化の進展が課題であると認識しています。
このことから、除雪オペレーターの担い手確保や関係機関の連携等について、道路管理者や除雪業者等による協議会を今年度中に立ち上げる方向で調整を進めているところです。
今後、この協議会を通じて、地域の課題をより詳細に把握し、地域に即した対策を検討・実施することにより、除雪体制の維持を図ってまいります。
次に、空き家の屋根雪下ろしに対する支援策の検討についてでありますが、議員御指摘のとおり、空き家数の増加や、少子高齢化による地域の克雪力の低下等により、空き家の除雪は大きな問題になっているものと認識しています。
空き家の維持管理は、本来、所有者等が行うことが原則ですが、倒壊等のおそれがある空き家については、法令に基づき、市町村が代執行等を行うことができるとされています。
一方で、市町村において、実際に空き家の雪下ろしを行う例は極めて少なく、市町村からは、その背景として、市町村が除雪をすることで所有者が除雪しなくなる、所有者不明等で除雪費用を回収できないなど、様々な点が指摘されております。
県といたしましては、市町村の対応が求められる緊急時における空き家除雪の課題や実態を把握していくとともに、国による制度上の措置や財政上の支援を要望していくことも含め、検討してまいります。
次に、空き家に関する支援策についてでありますが、議員御指摘のとおり、今冬の豪雪災害等を踏まえると、適切に管理されていない空き家の増加は、安全確保の観点からも深刻な問題であると認識しております。
平成27年に施行された空き家対策特別措置法では、施行5年後に取組状況を検証し、所要の措置を講ずることが規定されており、現在国において検証作業が進められているところですが、県といたしましては、今冬の課題や市町村の意見等を踏まえ、財政支援の拡充など必要な措置について国に要望してまいります。
次に、東京オリンピック・パラリンピックの開催についてでありますが、オリンピック・パラリンピックは、アスリートにとって、4年に1度の晴れの舞台であり、また、多くの国民も、その活躍を楽しみにしています。
一方、新型コロナウイルスの影響を受ける中で、開催について様々な議論があることも承知しています。
このため、議員御指摘のとおり、国民の十分な理解と共感が得られ、大会が成功するよう、東京2020組織委員会において、安全・安心を第一とした運営を徹底するとともに、開催の意義や感染防止対策などの丁寧な説明に努めていただきたいと考えております。
次に、柏崎刈羽原発におけるIDカード不正使用等についてでありますが、今般の一連の不祥事は、柏崎刈羽原子力発電所全体に対する信頼を失いかねない事態であると受け止めています。
東京電力の内部統制については、東京電力は核物質を取り扱う事業者であり、安全を確保して事業等を的確に遂行するための組織の管理能力等が求められていると承知しております。
次に、東京電力の原子力発電所を運転する適格性についてでありますが、原子力規制委員会が、柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の設置変更許可の審査の中で、運転を的確に遂行するに足る技術的能力がないとする理由はないと判断し、平成29年12月に許可を出したと承知しておりますが、今般の一連の不祥事は、柏崎刈羽原子力発電所全体に対する信頼を失いかねない事態だと受け止めています。
今回の事案を受け、原子力規制委員会は、東京電力に対し、改善措置活動の計画と実施結果について報告を求め、今後追加検査を実施すると聞いており、まずは、その結果をしっかりと確認したいと考えております。
次に、IDカードの不正使用の事案を受けた対応についてでありますが、今ほどお答えしたとおり、原子力規制委員会は、東京電力に対し、改善措置活動の計画と実施結果について報告を求め、今後追加検査を実施すると聞いており、まずは、その結果をしっかりと確認したいと考えています。
いずれにいたしましても、このような事案、事態を生じさせたことは、東京電力の管理能力について、何らかの形で改めて評価すべきことと考えています。
次に、柏崎刈羽原発の再稼働への同意についてでありますが、県といたしましては、3つの検証の結果が示された後に再稼働の議論を始めたいと考えています。
なお、7号機への燃料装荷自体は、再稼働そのものではなく、東京電力が行っている様々な安全対策工事とそれに伴う検査の一つの工程であると承知しております。
次に、不正入室事案に対する東京電力の処分内容についてでありますが、今回の処分は、事業者としての東京電力の判断で行われており、その内容について評価することは差し控えたいと思います。
なお、東京電力には、先ほども申し述べたとおり、核物質を取り扱う事業者として安全を確保して事業を的確に遂行する管理能力を求めたいと考えており、安全最優先の取組を行動と実績の中で示してもらいたいと考えております。
次に、技術委員会委員の選任についてでありますが、技術委員会は柏崎刈羽原子力発電所の安全管理・安全の確認のために平成15年に設けた委員会であり、各分野の専門家に最新の知見に基づき、客観的かつ科学的に議論していただいており、これまでも適宜、多くの委員が交代してきているところです。
平成23年の福島原発事故発生を受け、県から技術委員会に対して、臨時的に福島原発事故原因の検証を依頼したことから、この検証作業が行われている間は、県の要綱にある例外規定を適用し、委員を再任してまいりました。
今回の委員選任は、昨年10月に福島原発事故原因の検証報告書が取りまとめられたことを受け、県の要綱を踏まえて行いたいと考えております。
次に、検証総括委員会委員長の再任についてでありますが、現時点で3つの検証結果が全て出ておらず、検証が継続中であることから、再任をお願いしたいと考えております。
検証総括委員会の任務については、3つの検証委員会それぞれにおいて各分野の専門家に客観的、科学的に検証していただいた結果について、矛盾等がないかを各委員に確認していただき、3つの検証の取りまとめをしていただくことであると考えており、その旨を先月開催した検証総括委員会において、委員の皆さんにお伝えいたしました。
次に、避難計画の実効性向上と柏崎刈羽原発再稼働の地元同意についてでありますが、議員御指摘のとおり、避難計画の実効性をより高いものとしていく努力には終わりはないものと考えており、再稼働の地元同意いかんにかかわらず、実効性向上に向けた不断の取組を行ってまいりたいと思います。
次に、福祉保健部の組織再編についてでありますが、人口構造の変化に伴う医療需要の変化と医師の働き方改革を見据えた持続可能な医療提供体制の確保や、新型コロナウイルス感染症を含む感染症対策などを強力に推進し、より一層県としてのリーダーシップを発揮するため、再編・強化を行うこととしたものです。
具体的には、全県的な視点での医療提供体制の検討を一層強力に進めるため地域医療政策課を設置するとともに、専任職員を増員し、新型コロナウイルス感染症への対応力を強化するため、感染症対策・薬務課を設置いたします。
また、医療提供体制の確保や新型コロナウイルス感染症対策に係る福祉保健部長の政策形成・判断を補佐する機能を強化する観点から、それぞれの業務の担当副部長を新たに設置することとしたものです。
これらの組織再編により、本県の有する地域医療提供体制に関する課題の解決に積極的に取り組むとともに、新型コロナウイルス感染症対応にも万全の体制で臨んでまいります。
次に、県の保健所保健師の体制強化についてでありますが、新型コロナウイルス感染症対策において、疫学調査をはじめとした感染防止対策や医療提供体制の整備など、地域保健行政の中心的存在である保健所の役割は大きいことから、体制強化は重要と認識しております。
これまで、一時期に陽性患者の発生が重なった保健所に対し、本庁や他の保健所からの保健師の派遣や年度途中における保健師の臨時採用、県内市町村との協定に基づく市町村保健師の応援などにより、機動的に取り組んでまいりました。また、令和3年度の体制強化に向け、保健師の正規職員の追加採用も行ったところです。
今般、国が発表した保健師の増員方針とそのための地方財政措置により、令和3年度から2年間で感染症対応に当たる保健所の保健師を増員するとされており、県としましても、これらの方針を踏まえ、今後さらなる増員を行うなど、体制強化を図ってまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症に関わる医療提供体制の強化についてでありますが、これまで、国の推計に基づくピーク時の患者数を上回る病床数等を確保してきたほか、患者を受け入れる病院の調整については、医療調整本部内の患者受入調整センターにおいて大きな支障なく実施してきたところです。
一方、今冬の第3波の対応状況を振り返りますと、本県では首都圏と比較して患者の受入れに余裕があったものの、高齢者施設でのクラスター等により病床利用率が一時的に25%を超えたことなども踏まえ、今般、想定を超える患者数に備えることを改めて検討し、受入れ病床を456床から555床に増床して医療提供体制の強化を図ったところです。
次に、ワクチン接種の効果に対する期待と接種体制の準備状況についてでありますが、専門家の御意見を踏まえると、新型コロナウイルスのワクチン接種により、発症と重症化を防ぐことが期待されるため、ワクチンの有効性や安全性、副反応について分かりやすく県民に説明し、できるだけ多くの方に接種いただくことが重要と考えています。
医療従事者に対しては、3月上旬から接種を開始する予定であり、一般住民に対しては、4月上旬を目途に接種体制を構築する予定としているところです。
なお、市町村における一般住民への接種体制構築に向けて、3月5日には弥彦村において、模擬訓練を行うこととしております。
県といたしましては、国からワクチンが供給され次第、スケジュールに沿って県内各地で円滑に接種できるよう、準備を着実に進めてまいります。
次に、小児専門医療施設に関する今後の検討についてでありますが、小児医療あり方検討会から、今月4日に、施設の形態や主な機能など、本県の実情に即した小児専門医療施設の在り方について提言をいただいたところです。
今後は、議員御指摘のとおり、将来的な患者需要の見通しや必要な医師等の確保の実現性などを踏まえながら、施設機能の具体的な内容や規模などについて、多角的な観点からの具体的な検討が必要になると認識しております。
このため、県といたしましては、小児医療に携わる専門家や県医師会関係者などで構成する検討会を設け、詳細な検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、地域医療構想の実現に向けた進捗状況と今後の進め方の方向性についてでありますが、昨年11月に新潟県地域医療構想調整会議を開催して以降、医療関係者等と意見交換を行っているところであり、その中では、救急医療等に関する病院間の役割分担の在り方や、今後、増加が見込まれる後期高齢者の入院需要への対応策などについて意見が挙げられているところです。
県といたしましては、こうした意見等を踏まえながら、病院の機能や役割など大枠の方向性を年度内に取りまとめるとともに、次年度以降、各圏域において、将来的な人口動向や医療需要などのデータをお示ししながら、市町村を含む関係者と具体的な議論を行ってまいりたいと考えております。
次に、政府のグリーン成長戦略を踏まえた地域産業の振興等についてでありますが、県では、昨年9月定例会において、2050年実質ゼロを目指すと表明したところであり、新年度には、本県の特性や課題等を踏まえ、関係者と合意形成を図りながら、脱炭素社会構築に向けた産業や家庭など部門ごとの具体的な戦略を検討してまいります。
また、脱炭素社会に向けた取組を本県産業の活性化につなげることが大変重要であり、既に国と合同で本年1月に協議会を設立し、今年度中に本県におけるカーボンニュートラル化に向けた産業ビジョンを策定するとともに、社会実証事業のロードマップの取りまとめを行うこととしております。新年度は、新潟のポテンシャルを活用した具体的な実証事業の検討を行うこととしており、こうした取組を通じて、地域における関連産業の振興や誘致などにつなげてまいります。
次に、デジタル社会の実現に向けた戦略の構築についてでありますが、議員御指摘のとおり、国はデジタル化を社会変革の原動力として推進するデジタル社会を目指しており、本県においても、県内企業のデジタル・トランスフォーメーションを促進し、より付加価値の高い産業構造への転換につなげることが喫緊の課題であると考えています。
このため、今年度中に県内産業デジタル化構想を策定し、県が実施すべき施策や官民の役割分担等を体系的に整理することとしております。
この構想を踏まえ、まずは、金融機関や商工団体等と共にデジタル化の必要性に関する県内企業の意識改革を促してまいります。その上で、個別企業のデジタル化の進捗に応じて、デジタル技術の活用に向けた人材育成、産学連携、製品開発等の支援や専門家による伴走型支援を行い、県内企業のデジタル・トランスフォーメーションの推進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
次に、情報システムの標準化に伴う業務の進め方についてでありますが、国では本年夏を目途に、市町村を中心とした住民に関する事務に関わる情報システムについて標準化を進める方針であり、これに合わせた業務プロセスの見直しなどに取り組むための手順を提示する予定と聞いています。
県といたしましても、情報システムの標準化による人的・財政的負担の軽減とサービスの利便性向上が必要だと考えており、まずは国での取組の動向を把握した上で、システムの標準化を踏まえた業務の進め方について検討してまいります。
次に、スキー場に対する支援についてでありますが、県では、これまで、スキー場をはじめ、県内観光事業者に対し、感染防止対策に関わる支援金の支給や、感染防止策の見える化を推進し、事業者の感染防止策を支援するとともに、スキー需要喚起策として、昨年12月下旬から県内スキー場のリフト券等の割引支援、にいがたスキーONI割キャンペーンを開始しました。
その後、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、1月9日には販売を停止し、既に購入した利用者への対応として、リフト券等の利用期間を今年3月末から来年3月末まで延長する措置を講じたところであります。
県といたしましては、感染拡大防止の観点から現在販売を停止しているリフト券等について、感染状況を注視しながら、一定条件が整った段階で販売を再開したいと考えております。
次に、県民向けの宿泊割引についてでありますが、議員御指摘のとおり、昨年実施した県民向け宿泊割引キャンペーンは、観光需要の回復に向けた足がかりとして一定の効果があったものと認識しており、昨年末からの感染再拡大により再び落ち込んだ観光需要の回復にも効果が期待できるものと考えています。
県といたしましては、これまでの実績を踏まえ、宿泊施設の直接予約を割引対象とするほか、他の割引支援との併用を可能とするなど、利用者と宿泊施設双方に、より広く恩恵が及ぶよう改善を図った上で、新たな県民宿泊割引を実施したいと考えております。
今後、感染状況を注視しながら開始時期を判断したいと考えておりますが、観光需要の回復に向けて機動的に支援策を実行してまいりたいと思います。
次に、県産米の需給動向と令和3年産の作付転換についてでありますが、国内需要の減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により業務用米を中心に需要が減少し、在庫量は全国、本県ともに近年になく高い水準で推移しており、米価の下落が懸念される状況にあると認識しています。
このような状況を踏まえ、新潟県農業再生協議会において、主食用米の需給の安定に向け、令和2年産の生産実績の1割以上を非主食用米等へ転換する目標を設定したところです。
各産地において需要に応じた生産が適切に行われるよう、関係機関はもとより農業者一人一人が危機感を共有しながら、オール新潟で取組を進めてまいりたいと思います。
次に、令和3年産の非主食用米等の生産拡大についてでありますが、本年6月末の在庫量は、本県においてもこれまでにない高い水準になることが見込まれる中、インセンティブが拡充された国の新たな関連対策は、非主食用米等の生産拡大を進める上で、大きな後押しになると考えています。
県といたしましては、本県の基幹産業である稲作農業と、本県を代表する地場産業の一つである米菓など米関連産業が連携をし、双方の振興を図ることや、輸出用米への転換など需要に応じた米作りを推進し、非主食用米等の生産拡大を図ってまいります。
次に、非主食用米等の安定生産に向けた国や県の支援についてでありますが、県内の農業団体や米関連食品業界の双方から、令和3年産に向けた国の支援策について評価をいただいている一方、今後も原料米を安定的に生産・供給していくためには、継続した支援が必要との声を数多くいただいているところです。
このため、県といたしましては、国の新たな対策が継続されるよう機会を捉えて働きかけるとともに、国としっかり連携した県の支援策について検討してまいりたいと考えております。
次に、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策についてでありますが、自然災害が激甚化・頻発化する中、これまで国の3か年緊急対策などを活用し、防災・減災対策を集中的に進めてきたところでありますが、広い県土と長大な河川等を有する本県では、いまだ対策が必要な箇所が多く、国に対して緊急対策の継続を強く要望してきたところであります。
このたび、国が策定した5か年加速化対策では、防災・減災対策に加えて、喫緊の課題である老朽化対策など対象事業が拡充されており、これらを活用することで、公債費の実負担を抑制しながら、さらなる取組の推進が可能となったものと考えております。
県といたしましては、この加速化対策による有利な財源を最大限に活用し、より多くの事業量の確保に努め、安全に安心して暮らせる新潟の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、佐渡汽船の経営改革の方向性についてでありますが、このたびの行政支援により、佐渡汽船の令和2年決算における経営状況は、当面の運航継続が可能となるまで改善されたものの、依然として輸送需要の回復が見込めない状況であるなど、安定的な運航に向けては、さらなる経営改善が必要と考えております。
今後、佐渡汽船において、今なお続く新型コロナウイルス感染症の影響や、小木-直江津航路の就航船舶変更後の経営状況等を見極めつつ、地元市や関係者と協議・検討を行いながら、抜本的な経営改善に取り組んでいく必要があるものと認識しております。
県といたしましては、佐渡汽船が自立した安定的な経営を行うよう適切に関与するとともに、経営改善の進捗状況について、厳しい姿勢でチェックしてまいりたいと考えております。
〔総務管理部長笠鳥公一君登壇〕
P.33 ◎答弁 総務管理部長(笠鳥公一君)
◎総務管理部長(笠鳥公一君) お答えいたします。
本年度の現段階の税収見込みについてでありますが、9月定例会時点の試算では、不確定な要素が多い中、平成20年度から21年度にかけてのリーマンショック時の税収の落ち込み等を踏まえて、当初予算計上額から約200億円の減収を見込んでおりました。
しかし、その後の法人二税や地方消費税の税収実績が底堅く推移したことや、株式等譲渡所得に係る個人県民税が大幅に増収となったことなどにより、当時の試算から約110億円程度持ち直すことができるのではないかと見込んでおります。
〔防災局長熊倉健君登壇〕
P.33 ◎答弁 防災局長(熊倉健君)
◎防災局長(熊倉健君) お答えいたします。
新型コロナウイルス感染情報の提供システムについてでありますが、県が導入いたしました、新潟県新型コロナお知らせシステムにつきましては、昨年10月の運用開始以降、機能の不具合は生じておりません。
なお、2月中旬時点での登録事業者数は約1900、利用者数は約2万5,000人となっております。
〔福祉保健部長松本晴樹君登壇〕
P.33 ◎答弁 福祉保健部長(松本晴樹君)
◎福祉保健部長(松本晴樹君) お答え申し上げます。
自宅療養者の症状把握と急変時の対応についてでありますが、本県においては、症状が急変する可能性があるため、患者の年齢や重症度にかかわらず、原則として、入院または宿泊療養施設で療養することとしておりますが、医師が入院の必要がないと症状等から総合的に判断した患者については、自宅療養を行っているところです。
自宅療養を行う場合であっても、毎日、看護師による健康観察を行い、血液中の酸素が不足していないかを計測することにより、患者の健康状態や症状の変化を迅速に把握しているところです。
また、容体急変に備え、医療機関と連携し、救急搬送が可能な体制を整えており、安心して自宅療養が行えるよう、引き続き取り組んでまいります。
〔教育長稲荷善之君登壇〕
P.34 ◎答弁 教育長(稲荷善之君)
◎教育長(稲荷善之君) 4点についてお答えいたします。
少人数学級を契機とした教育の方向性についてでありますが、本県では、小学校1・2年生で32人以下学級を実施しており、今年度からは、全ての小学校で3・4年生の35人以下学級を実施しております。
少人数学級の効果として、児童の学習状況をきめ細かに把握し、適切な指導・支援を行うことで、学力向上の面で一定の効果が上がっております。
今後は、小学校全学年の少人数学級が実現することで、教員が児童と向き合う時間が増え、より適切な生徒指導や学習支援が行われるものと期待しております。
県教育委員会といたしましては、個別最適な学びの実現に向け、1人1台端末を活用した各学校の授業改善の取組を支援するなど、一人一人を伸ばす教育を進めてまいります。
次に、教員の確保と質の担保についてでありますが、平成30年実施の採用選考検査においては、小学校の出願倍率は1.2倍でしたが、昨年度は2.6倍、今年度は3.0倍となっており、回復傾向にあります。議員御指摘のとおり、今後は教員定数の増加が見込まれることから、教員の志願者を増やすことが優秀な教員の確保につながるものと認識しております。
県教育委員会では、昨年度まで県内及び関東地方で教員採用ガイダンスを行っておりましたが、今年度は新たにガイダンスの動画配信や、個別のオンライン相談会など、多様な手段で新潟県及び教員の魅力を伝える取組を進めております。
また、県教育委員会が策定した教諭の育成指標を県内各大学と共有し、カリキュラムに反映されるよう大学との連携を深めることで、高い資質を持った教員志願者の増加に努めてまいります。
次に、高校等再編整備計画についてでありますが、宮崎県では、高校を持続的な地方創生の核として位置づけるとともに、小規模校においては、地域との連携を深める中で、教育環境の充実を図ることとしております。
一方、本県との比較において、宮崎県の全日制高校では、全てが1学年3学級以上であるのに対し、本県では、令和3年度の募集学級における1から2学級の全日制高校が18校となっております。また、令和3年から10年までの間、宮崎県の中学校卒業者数は横ばいで推移するのに対し、本県では1,100人以上減少するなど、状況が異なっております。
いずれにいたしましても、地方創生を進めるに当たっては、本県においても学校は重要な役割を担っていると考えており、ICTを活用した遠隔教育や、地域と連携・協働した支援体制づくりなど、小規模校の教育環境の整備についても検討してまいります。
次に、新潟県いじめ等の対策に関する条例の運用についてでありますが、本条例では、SNS等を介したいじめへの対応を重視しており、それに対する児童生徒の役割や保護者の責務が明確に示されたことから、県教育委員会では、本条例が制定されたことを児童生徒や保護者に周知するため、条例の内容を紹介するリーフレットを作成し、配布したところです。
また、市町村が行ういじめ等の対策への支援・協力についても規定されていることから、今後、義務教育版のSNS教育プログラムの作成により、児童生徒の情報モラルや情報リテラシーの向上を図るとともに、中学校でのいじめ対策推進モデル校事業の推進を通して、市町村との連携を密にしながら、義務教育段階におけるいじめ対策の強化にも努めてまいります。
〔警察本部長山本有一君登壇〕
P.34 ◎答弁 警察本部長(山本有一君)
◎警察本部長(山本有一君) 御質問2問にお答えいたします。
まず、本年度及び令和3年度の総合的な交通安全対策についてでありますが、議員御指摘のとおり、本年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、集合型の交通安全教育の開催が困難でありましたので、これに代わる施策として、交通安全教育動画を制作し、ユーチューブで配信したほか、新たに県警交通部ツイッターを開設し、雪道での安全走行などを題材にした交通安全情報を発信しております。
また、学校再開に伴う通学時間帯における児童生徒の安全確保を図るため交通街頭活動強化週間を実施したほか、オレンジカードを活用した歩行者への現場での指導など、新たな取組を推進したところであります。
令和3年度につきましては、これらの取組を継続するとともに、横断歩行者の交通事故防止を図るため、先般公募したスローガン、「よーく見て わたろう とまろう 横断歩道」を活用した広報啓発を推進することとしております。
加えて、横断歩行者優先の前提である横断歩道の重点的補修を進めるなど、交通安全施設の整備や、交通指導取締りを含めた総合的な交通安全対策を推進してまいりたいと考えております。
次に、摩耗率が高い横断歩道の補修に対する所見についてでありますが、摩耗率が高い横断歩道が多数あることは、早急に改善すべき課題であると認識しております。
このため、令和3年度当初の道路標示予算案において、横断歩道の補修を加速化するため、増額・拡充を図ったところであります。
また、議員御指摘のとおり、子供の通学路等につきましては、早期の補修が必要と考えており、毎年度12月定例会において、債務負担行為の御承認を得て、新年度を待たずに補修に着手するなどの対応をしているところであります。
今後も優先順位を踏まえた効果的な補修に努めてまいりたいと考えております。