平成30年 2月定例会 産業経済委員会

平成30年3月6日
産業経済委員会

3月6日
△開会午前10時
○青柳正司委員長 これより、産業経済委員会を開会いたします。
本日は、昨日に引き続き、産業労働観光部関係の審査を行います。
これより、質疑を行います。

◆小野峯生委員 おはようございます。2点、若干でありますが、質問させていただきたいと思います。
まず、1点めでありますが、新潟版グリーンニューディール政策の一環として、粟島が国の認定を受けて、実証実験の準備を始めてからだいぶたっているのですが、研究会を立ち上げたり、そこで勉強会をしたりしながら、調査を始めたと。平成27年から、海洋の調査をしているのですが、みんなに分かりやすいように、目的等々をまずはお伺いしたいと思います。

◎和久津英志産業振興課長 粟島でやっている海洋エネルギー関係の御質問を頂きました。本県は、長大な海岸線を有しておりますので、そういった特長をうまく生かしながら、エネルギーの中でも海洋エネルギーの導入というものに力を入れて、これまでやってきております。
それで、粟島沖では、海洋エネルギーの利活用を図るため、導入可能性調査の実施、地元の合意形成、産学官での協定の締結、海流発電装置の開発、実証の支援にこれまで取り組んでまいりました。平成28年7月には、県の支援で、新潟県海洋エネルギー研究会と日本大学の共同で、粟島沖の実証フィールドで、実証試験を2回やりまして、その後も着実に実績を積み重ねてきています。ただ、今、フィールドというものは設定されたものの、実際に事業をやっていただけるような具体的な事業者が、見付かっていない状況ではございます。今、そういったフィールドはしっかりありますよということを全国にしっかり周知して、そういった具体的な事業者さんの実施につながるようにということで、引き続きPRをやっていこうという状況でございます。

◆小野峯生委員 そうしますと、実証実験は平成27年、平成28年でしたか、2か年やった。それで期間も、平成27年はけっこう継続して、夏くらいから12月くらいまででしたか、平成28年については、何日間か短くなっているのですが、これは引き続きの実験ということで、小型のものをまずは作ってという話だったと思っているのです。そういうところの実験そのものは、これで終わっているということの理解でよろしいのですか。

◎和久津英志産業振興課長 実験自体は平成26年と平成28年ですか、2回ほどやらせていただきまして、それでどういうことができるかという状況は、見えてきたところでございます。これから実際、ビジネスにできるだけ近づけていくという段階だと思っておりまして、具体的な事業者さんとか、大学の研究者さんとか、そういうものをうまく見付けてこられるかなというのが、これからの段階だと思っております。

◆小野峯生委員 ホームページにもその結果が載っているのですが、事業者さんにも広く周知できるようにということも含めて、実験の結果は事業者さんが寄ってくるような結果だったのでしょうか。結果について分かりやすく、あまり専門的なことを言われても分からないので、平たく教えていただければと思っていますが。

◎和久津英志産業振興課長 結果については、実証としてはしっかりしたものができているのですけれども、なかなか全国いろいろな場所がある中で、波の流れの強さなどがよい、悪いということがあったり、いろいろな条件があります。ですので、その中で、ここでやりたいという事業者が見付かるかどうかということが、これからの課題かなと思っております。

◆小野峯生委員 課題なのは分かりました。それは、お伺いして分かったのですが、実際にできるかどうかという判断ですよね。そこは県として、どういう判断を今のところはしているのでしょうか。

◎和久津英志産業振興課長 やはり実証試験をやっていた中でも、流れの強さとか、発電機もそれに合わせて、全国的なものよりも少し小さめのものを使ったりもしているもので、その中で、実証試験として、こういうことができるというのは、見えてきているところでございます。一方で、やはりおっしゃるとおり、課題もあると思っておりまして、全国的に見ると、海洋エネルギーというもの自体が、今、大きく普及している太陽光発電とか、風力発電と比べて、一般論とすると発電量というものは、そんなに多くないというか、効率がよいものではありません。ですので、その中でどれだけそれをやっていただける事業者さんが見付かるかということが、これからの課題かなと思っております。
こういうことができますよということを、県からしっかりアピール、PRしていくということが、大事だと思っています。なかなか海洋エネルギー自体の効率というのは、そんなによくないにしても、粟島のような島のところでは、火力発電をやっていても、コストもほかの地域よりも高かったりするので、そういう離島ではメリットがあるのではないかと。そういったことをしっかりPRしながら、事業者さんを見付けていくというのが、我々の今の状況でございます。

◆小野峯生委員 具体的にPRは、どういうふうな形で。これはいつまでも、見付からなければしょうがないのですけれども、できるだけ結びつけるような方向で考えていただいて。予算も 400万円くらいでしたでしょうか。ここのところにつけて、昨年度、今年度と、 400万円ずつと。インターネットだけ、ホームページだけでは物足りないということなのだと思っていますが、具体的にどういうふうなPR方法等々を考えているのか、新年度事業について、伺いたいと思います。

◎和久津英志産業振興課長 御指摘のとおり、もちろんホームページにしっかり掲載しているのですけれども、それだけでは足りないと思っております。一つは、大学への周知ということで、全国の大学関係を訪問したりと、今年度、いろいろやってきました。来年度は、もう少し企業寄りのところも含めて訪問して、周知をして、こちらの地域でやっていただけるかたを探すというのが、我々の予定でございます。

◆小野峯生委員 ねらいをやはり定めないと。できる企業、業者というのは大体、限られてくるのではないかというふうに思っているのですが、その辺のターゲットは決めつつ、ねらいを定めてやっていくということなのでしょうか。その辺の具体的なことを教えてください。

◎和久津英志産業振興課長 御指摘のとおり、もちろん新潟県海洋エネルギー研究会のほうに入っていただいている事業者さんもありますし、それ以外に全国でも、海洋関係をやっている事業者さんは、そんなに数が多いわけではありません。ですので、そういったところにターゲットをしっかり絞りながら、しっかり訪問して、説明して、理解してもらうということを、繰り返していこうと思っております。

◆小野峯生委員 では、よろしくお願いいたします。
それと、もう一点であります。これは昨日も、企業の誘致だとか、その在り方について、いろいろ議論があったところなのですが、政府のまち・ひと・しごと創生という中で、首都圏の一極集中から地方にと流れを変えるというふうなことで、鳴り物入りで始まったのでありますが、企業の本社機能の誘致。地域再生計画なのですが、これは県で計画を立てて、認定を受けてやっていると。そのことについて、皆さんがたは、この計画を平成27年に立てているのですが、まず目的、概要等々について、改めて伺いたいと思います。

◎酒井良尚産業立地課長 地方拠点強化税制等の制度を活用しました、本社機能等の誘致促進ということでございます。これは、国の方向性として、今、委員がおっしゃったような、地方において安定した雇用の創出を図る中で、地域再生法に基づいて、本社機能の移転、拡充を行う企業に対して、支援措置を講ずるという形で、やっていくというものでございます。県が地域再生計画を作成しておりますけれども、これに適合した本社機能の移転、あるいは拡充を考えている企業に対して、支援をしていくという流れになっております。現状、オフィス減税と雇用促進税制といった、国税のほうの支援策と併せまして、県におきましても、県税による支援ということで不動産取得税、あるいは法人、個人の事業税の減税措置等々の支援策を、講じているところでございます。

◆小野峯生委員 当時、それぞれの都道府県といいますか、都は当然入らないわけですが、それぞれの道府県で計画を立てて、減免措置があったので、その辺の特長。わが県も当時、特徴的なものを作ったような記憶があって、作ってもらったといえば、作ったというふうなことだったのですが、本県の特長というのは、どんなことだったのでしょうか。

◎酒井良尚産業立地課長 本県は、平成27年10月に、新潟県産業拠点強化を促進するための県税の特例に関する条例を制定させていただきまして、この中で移転型と、それから拡充型という、二つのパターンがございます。移転型は東京23区から地方に移転する企業に対して、拡充型はそれ以外の企業に対してということでございますが、不動産取得税について、10分の1に軽減すると。それから、個人、法人の事業税につきまして、県外からの移転の場合は3年間、2分の1に軽減するという措置を講じているところでございます。

◆小野峯生委員 それで当時、その以前に皆さんがた県で、随分と首都圏の企業に当たっていろいろと、移転する意思がありやなしやというふうなことについて、調査を行ったという経緯がありました。なかなか、当たっても反応があまりないと、少ないと。希望もあまりないようだというふうなことで、随分と慎みやかな数ですよね。具体的に言いますと、上・中・下越それぞれの目標数を立てたわけでありますが、雇用で下越が20人、中越が15人、上越が10人と。移転型については、各地域が1件と。拡充型については、下越が3件、中越が2件、上越が1件というふうなことで、小さくしながらも、ようすを見ながら、それ以上になるようにということだったと記憶しているのですが、その辺の現状は、どうなっているのでしょうか。

◎酒井良尚産業立地課長 これまでのこの取組の結果で、どうなっているかということでございますが、認定の実績といたしまして、現在、県では全部で10件の実績がございます。この中で、移転型に該当するのは1社です。東京都から長岡のほうに、移転されてきた企業が1件。残りの9件は、拡充型という形になっております。

◆小野峯生委員 そうすると、この目標1も、移転型が各地域、上・中・下越で1件ですから、県全体で1件ということで、それでもなかなか難しかったというふうな理解なのです。難しいのは知っていたのですが、その程度の実績かなというふうなことですね。全国的には、それほどではないのかもしれませんが、少し出てきていたというふうなことですけれども、本県は、そういうふうな今までの実績だと。この計画は、今年の3月で、申し込みは終わりですよね、たしか。そうですよね。平成32年3月までの事業で、とりあえず平成30年3月までに、企業の事業計画を認定しなければいけないというふうなことだと、そういう理解で私はいたのですが、それで正しいのかどうか。それから、この実績については、どういうふうな評価をしているのか、伺いたいと思います。

◎酒井良尚産業立地課長 本県の取組の計画期間は、平成32年3月までとなっております。これにつきまして、計画件数の総数では拡充型が6件、移転型が3件で、合計9件ということでございますけれども、実績的には、トータルでいえば10件になっている。ただ、3件の移転型について、1件にとどまっているというのが現状でございます。なお、この計画につきましては、計画期間が2年延長されることになります。この平成30年度の税制の要件として、増加雇用人数は、従来というか、現行は10人で、中小企業の場合は5人です。我々も企業さんを訪問して、この制度を使えるかどうかということで、御紹介はしているのですが、やはり今のご時世でなかなか、雇用人数を新規に10人も、しかも地方にわざわざ移転するというのは、やはりある程度、合理化とか、整理とかも念頭に置いて、やろうとしている中で、確保するのは非常に厳しいと。そういう御意見も頂いたところなのですが、今般、要件が緩和される見込みということで、10人のところを5人、中小企業は2人というふうに緩和されると。今、そういう方向になっているというふうに伺っております。
それから、対象の施設も、現行は事務所、研究所、研修所なのですけれども、今度、工場内の研究開発施設も対象になると。そういうふうな緩和という方向も示されているところでありまして、我々はその企業を訪問して、そこが課題で、制度をなかなか使えないのですよねという声については、そういう部分でカバーできるような方向性も、今後出てくるということです。引き続き、制度を活用できるように、御案内していきたいと思っております。

◆小野峯生委員 移転型、拡充型については、大体、業種はどんなふうなものが今、来ていたのでしょうか。その辺のところを。

◎酒井良尚産業立地課長 移転型については、いわゆる情報系です。それから、拡充型はさまざまでございます。県内において、本社の所在地が移転する部分も含まれますので、業種としては、まさに製造業だけでなく、物流業とか、さまざまでございます。

◆小野峯生委員 今、要件緩和で、これから期間も延長されるというふうなことですが、そうしますと、これからの県の取り組み方もそこへ即応してという、産業立地課長の話ですが、もう少し具体的に、では今後、もう2年間ですか、どう取り組んでいくのかお伺いして、質問を終わります。

◎酒井良尚産業立地課長 私どもが、特にこの制度を活用していただけるときに、直接お話ししやすいのは、やはり首都圏とか、東京あるいは大阪に事務所がございますので、日常的にはそういうところと我々本庁なり、企業局なりとが連携を取りながら、誘致活動を行っているわけです。その中でも、例えば本県にゆかりのある経営者がいらっしゃるとか、それから拡充の計画で今、場所を探しているとか、そういった企業への御提案の中に、この本社機能移転の制度の活用も含めて、お話を進めていきたいと思っております。
それから、やはり新潟の地理的な特性としては、例えば災害のときに、太平洋側と同時に被害に遭いにくい場所だということもありますので、そういった同時被災のリスクの低減として、新潟の場所を選んでいただけるのではないかという部分。また、本県のいろいろな立地環境のよさというものをお示ししつつ、ぜひ本社機能の移転についても御検討いただきたいということで、お話を進めさせていただきたいと思っております。