平成30年 2月定例会 産業経済委員会

平成30年3月7日
産業経済委員会

◆小野峯生委員 おはようございます。私のほうから、質問の数はだいぶ多く用意しましたので、さっとお伺いをしてまいります。まず、今、話題になっております、平成29年産米の食味ランキングの件でありますが、魚沼産コシヒカリが実に初めて、特AからAに格下げになったということであります。この件については、食味ということで、それは米に対する評価の内の一つだというふうなことで、意外と楽観視をしている。永年築いてきたこの評価は、なかなか変わるものではないと。魚沼産コシヒカリは、永年、それだけいろいろなことを積み重ねてきたのだという評価も、あるわけであります。しかし、一方、本当に新聞各紙、ニュースで、最近もそうなのですが、実にワイドショーまで、この件を朝から晩までと言ったら少し過言かもしれませんが、取り上げているやに思っております。そういったことでなかなか、各県もこの食味ランキングに、少し評価が集中しているというか、目的がそこに集中しているというところがあるかもしれません。
 それでも、やはりそこに参加するそれぞれの県の思い、あるいは産地の思いというものは、非常なるものがあるというふうに、いろいろな新聞、各地方紙等々を精査してみますと、そういうふうなことを感じられるわけであります。そういうふうな報道で、魚沼産だけではなくて、県下全域にこれから、やはりいろいろとコシヒカリの戦略等々にも影響してくる。知事も、そのようにおっしゃっているような節もあります。現況で、いろいろ報道されているわけでありますが、私は、県農林水産部としての影響を大変危惧(きぐ)しているわけであります。まずは、その現状についての県の認識等々について、伺いたいと思います。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 今回の食味ランキングの受け止めということかと思いますけれども、産地からお話を伺う中では、卸ですとか、小売りの皆様は、比較的冷静に受け止めていただいているというふうに、伺っているところでございます。そうは申しましても、産地として、今回の事案への対応をして、しっかり課題を整理して、それに基づいて、魚沼米全体の食味・品質を確保していくような取組を徹底して、消費者の皆様の期待にこたえてまいりたいと、私どもは受け止めております。

◆小野峯生委員 まだ、これからいろいろな調査・分析をしながら、やっていくことになろうかというふうに思っております。しかし、理由の一つとして大きく取り上げられているのが、8月、9月の天候不順、日照不足ということで、非常にやはり、それも一つの要素かもしれないとは思っているのです。それこそ、28年間では、出穂期あるいは9月の、そういうふうな日照不足の気候というのは、やはりあったはずなのだと思います。もう少し詳しく調べればよかったのですが、時間もなかなかなくて。気象庁あたりに問い合わせれば、分かるかもしれませんが、そういう年だということもある。例えば、平成22年の異常気象は、高温障害だったわけですが、そういうところも、魚沼産コシヒカリだけはカバーされて、下がらなかったというふうな状況があるわけであります。その辺の日照不足については、県はどのような感覚で、今の現状をとらえているのでしょうか。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 特AからAになった要因ということでの御質問かと思います。御指摘いただきましたように、昨年8月中旬以降の低温ですとか、あるいは日照不足、雨といったことが、今回の食味のところに影響した部分もあるものというふうに考えております。

◆小野峯生委員 それも、一つだとは私も思っているのです。ただ、今回の食味が特Aから落ちたもの、あるいは上がったものが、県で、話題性がけっこう高くて、本当に新潟県は、魚沼産が。下越産とか、佐渡産は落ちていないわけです。残念ながら、岩船産はここ2年、Aなのでありますけれども。そういうことで非常に、新潟県だけが突出して魚沼産、魚沼産ばかり言っているから、よくなったところというのは、全然報道もされていない、話題にもならないといったところもあろうかと思っています。
 勝ったところ、例えば福井県は、こう言っているわけですよ。夏場の天候的に、栽培が非常に難しい年だったと。これは、参加した4銘柄がみんな特Aになってしまったのだということなのです。その特Aには、コシヒカリも入っているのです。そういうことで、天候的に厳しかったけれども、栽培技術を今まできちんとやってきたから、関係者の努力でこうなったのだという評価なわけです。それから、同じようなところが、やはりある。山形県は、雪若丸という新しい品種が特Aで、つや姫も8年連続特A。ただ、はえぬきがAというところがあって、ここも、気候はそれほどなのですが、喜んでいるというふうなことで、やはり技術的なものを評価していると。岩手県は負けてしまって、ひとめぼれもAなのだけれども、これも天候不順があり、それも影響しているようなのですが、とにかく関係機関と、これから栽培方法などをきちんとやっていくというふうなことです。それから、富山県がいわゆる負け組なのですよ。これは、コシヒカリがAにとどまっているということであります。ですので、これもやはり、気象条件が悪かったと、こう言っているわけです。
 総じて、いわゆる勝ち組は、天候は不順で、日照不足だったのだけれども、品種が違いますからね。ただ、コシヒカリは同じだけれども、ほかの品種が違うものもありますし、これは合う、合わないがあると思いますが、一概には言えない。そういうところのおおよその評価なのです。ですから、負けたほうの部類の組は、意外と天候不順だとかというふうなことに、重きを置いているということなのですが、これはやはりきちんと、そういうことのないようにしていかなければいけない。これは、各県一緒の課題だと思っているのです。
 それで、例えば平成22年の異常気象、高温障害のときは、全県的に、品質も非常に落ちたと。作柄も悪かったという年なのですが、その後、平成22年産米の品質に関する研究会というものを立ち上げているのです、わが県は。これは、新潟大学の先生が中心になって、やはり土づくりや、追肥から、いろいろなことを分析し、気象条件を分析しながら、その後、対応を執っていったという経緯があるのです。今回、この魚沼産がということではなくて、これが県下全域に広がっていく可能性というのは、影響が非常に大きいと仮定すると、やはり、ここで県はきちんと、何かしらのそういうふうな研究会、あるいは分析のチーム、あるいは地域でもいいのですが、専属の関係者で原因を究明して、どうすればいいかというふうな、組織的なものを立ち上げるべきだと思っているのですが、ここはいかがお考えでしょうか。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 原因究明の対応という御質問かと思います。一部、先ほどの答弁と重なる部分がございますけれども、産地として、しっかり、今回の案件の課題を整理して、それに基づいて、魚沼産米全体の食味・品質を確保していく取組を徹底していく。そういう必要があるというふうに、我々も十分認識しております。我々を含めまして、魚沼産コシヒカリにかかわる地域振興局ですとか、あるいは市町、JA等による検討会議を立ち上げまして、その課題の整理並びに重点技術を農業者の皆さんに徹底していただけるよう、必要な対策を、その検討の中で講じてまいりたいというふうに考えております。

◆小野峯生委員 この立ち上げは、いつごろになって、おおよその地域のメンバー等の構成だとか、県の構成はどのようになるのか。今、地域振興局の話も出たようでありますが、具体的なものを今、もう大体詰まっていたら、時期と構成員等々について、伺いたいと思います。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 立ち上げに向けた準備は、すでに始めておりまして、3月中旬には検討会議を立ち上げるべく、調整をさせていただいているところでございます。地域振興局関係で申しますと、小千谷市、長岡市川口の関係もございますので、4地域振興局、その関係の市町、JA、集荷業者さんも想定しながら、準備を進めてまいりたいというふうに考えております。

◆小野峯生委員 それと、もう1点。これは新之助の件なのです。一部の県だけだと思うのですが、私のところに少し、いろいろ気になる情報が入っています。新之助については、今回の食味ランキングには、ランクがすべてではないから、その必要性を感じないということで、出品しなかったということなのですが、この辺、県としてはなぜ、出品しなかったのかということについて、伺いたいと思います。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 新之助の食味ランキングへの出品ということでございます。一般財団法人日本穀物検定協会の食味ランキングにつきましては、確かに、消費者の皆さんにとっての目安の一つであることは、間違いないというふうに考えております。けれども、新之助につきましては、御案内のとおり、食味・品質基準を設けまして、その基準に満たない米は、新之助として出回らないという取組をさせていただいております。産地の側からおいしさを数値で説明するという、この取組によりまして、消費者の皆様に存在をアピールしていきたいという思いでございます。

◆小野峯生委員 その本県の趣旨が、なかなかほかの県には。先ほど申し上げましたように、みんな、この食味ランキングに本当に注目して、やはり、ある意味ではここで特Aを取ることを目標にやっているところが、要素としては非常に多いのです。
 山形新聞なのですが、こういう酷評をしているのです。これを申し上げますと、雪若丸というのは、山形県の米で特Aになったということなのですが、新之助など雪若丸と同世代の新品種の多くは、高評価を得られない場合を懸念して、出品していないのだと。こういうふうなことが、地方紙には書き込まれて、記事として載っているという事実があるのです。これはやはり、山形県のつや姫だって、いろいろな基準を設けてやっているのですが、それはそれとして、ここへ参加しているということなのです。私は、一概にどうしろ、ああしろというふうなことは、まだ考え方が全然まとまっていないので、言いませんが、そういうふうな状況も踏まえて、県は、来年度をどうするか。本年産米だね、もう。平成30年産米は、新之助について、どのような方向性を持って、考えていくか。今の考え方でけっこうですので、まだまとまっていないとは思いますが、一応、この席でお伺いしておきます。

◎目黒千早農林水産部長 新之助の食味・品質の維持の在り方については、今ほど農産園芸課長のほうから御答弁申し上げましたとおりでございます。これは、基本的な考え方でございますので、1年ごとに変わるということではないというふうに考えております。

◆帆苅謙治委員 私も、質問しようと思ったのでありますけれども、大体、この日本穀物検定協会というのは、どういうものなのですか。どういう組織で、どういうふうにやっているものなのか、少し教えてください。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 日本穀物検定協会とはということでございますけれども、設立は昭和27年というふうに伺っております。穀物の流通の円滑化に資するということを目的に、公正な第三者検定機関が必要になったという当時の事情も、そんな背景にあったということでございます。まず、東京都に設立されまして、続いて国内主要都市で、支部のような形で立ち上げをされたということでございます。第三者検定機関といたしまして、農産物検査ですとか、輸入雑穀類の検定ですとか、あるいは今回の米の食味官能試験のようなこと等も、業務として執り行っているという組織でございます。

◆帆苅謙治委員 この中で、ランクをつけるわけですよね。どういうメンバーで、何人くらいで、食味計で糖度を測るということではなくて、要は、舌の感覚だけでやるのでしょう、これは結局。そうすれば、年代的にじいちゃん、ばあちゃんだけがやってもしょうがないのだし、端的に言えば、何人くらいで、どのようにやってきたのですか。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 食味ランキングの評価のやり方という御質問かと思います。まず、食味評価エキスパートパネルという、20人くらいのかたで、食べ比べを行っているというふうに伺っております。複数産地のコシヒカリをブレンドしたものを基準として、比較しているということで伺っております。その基準より、特に良好なものを特A、良好なものをA、同等なものをA’というような格付けをしているというふうに伺っております。

◆帆苅謙治委員 しかし、私も信じられないのは、28年も続いてきたものが、何でこうなるのかなと。そんなに味が落ちているわけでもないのだろうし、かといって、みんな日進月歩であるのに、どういうことかなと。勘ぐるわけではございませんけれども、今、産地間競争といいますか、北海道でもゆめぴりかですか。小野委員が言ったけれども、隣県はつや姫か。何だって攻勢をかけていますよね。そういうところからすると、足の引っ張り合いになっているのではないかなという側面も、私は受けますよ。ですから、やはりぴしっとして、魚沼産コシヒカリというと、インパクトが強いわけでしょう。ですから、この辺は、本当に検討チームを作って、やっていくということは当然でありますが、それと併せて、しっかりとしてもらわなければならないのです。併せて、この特AからAに落ちたということになると、コスト面は今後、どうなりますか、あるいは売れ行きはどうなりますか。その予測はしていますか。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 今回の件による価格への影響ということで、お答えさせていただきます。先ほども若干申し上げましたけれども、地元の産地から伺っている範囲では、卸、小売りのかたがたからの声として、永年、培ってきたブランドでもあるので、すぐに評価がどうのということではない。来年に向けて、産地としてしっかり取り組んでほしいというふうに、逆に励ましというか、激励の声も聞いているというふうに、伺っているところです。また、直ちに価格に影響があるのかどうかにつきましても、予測は少し、県の立場でしづらいところもありますけれども、川下の皆さんが、そういうふうに見ていてくださるということかと思います。

◆帆苅謙治委員 いずれにしても、知事がおっしゃったように、1年で特Aにしっかりと復帰するのだと。こういう気持ちで、皆さんをはじめとして、産地も協力し合って、しっかりと対応してもらいたいと思っております。

◆小野峯生委員 それでは、次の質問に移ります。平成30年産米の作付状況について、伺いたいと思います。12月定例会のこの委員会での、地域農業再生協議会(地域協議会)の取組についてでありますが、皆さんがたの御報告で、12月定例会現在で、12月7日だか8日だか、十何日現在でしたか、目標設定済みが18地域協議会、目標検討中が17地域協議会と。目標設定中の地域協議会について、県目標の市町村別内訳で仮置きをしてみると、平成30年産米の目標の45万トンに対して、地域目標の合計が45万 5,000トンで、県目標対比は 101パーセントになる。大部分の地域協議会が、農家段階まで目標を決定しているということで、県が目指す、いわゆる計画では、需要に応じた生産というふうなことで、その時点で、ほぼうまくいっているかなというふうな報告だったと思います。その後、もう3月でありますから、そろそろ作付けのほうも、種子も用意していって、これからもう少し暖かくなると、作業が始まるわけでありますが、その後の地域協議会についての取組状況は、どのように進んでいるかについて、伺いたいと思います。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 地域協議会の目標設定の状況という御質問でございます。先月末で、すべての地域協議会におきまして、平成30年産米の生産目標とか、呼び方は幾つかございますが、設定されたところでございます。県の生産目標の設定としましては、流通の状態をいちばんよく表すものとして、飯米、縁故米を除いたもので、45万トンベースということで、県目標を設定させていただいたところでございます。地域協議会によりましては、これまでの連続性というか、農家に説明しやすいもの、混乱を招かないものという観点も働いて、中には、飯米、縁故米をこれまで同様に含めて、目標設定したところもございます。正直、横ぐしを1本通すには、県としての推定もせざるをえないという状況はございますが、統計の数字を使いましたり、あるいは新潟米基本戦略を立てる中で、いろいろな計算のやり方もお示ししながら、取り組んできたところでございますし、そういう計算式を当てはめながら、適正に推定をさせていただいたつもりでございます。それによりますと、地域の目標は、推計値の合計といたしましては、45万 8,000トンになりまして、県目標の45万トンと対比しますと、 101.8パーセントという状況となっております。

◆小野峯生委員 それでは、面積とトン数について。面積換算をしたものは、どれくらいになるのですか。分からない、それはそれで。とにかく、県の目標等々について、地域協議会の積み上げが45万 8,000トン、 101.8パーセントということで、平成30年度の目標については、達成できそうだというふうな理解で。最終段階まで、地域協議会が全部積み上げたものに、県が一定の基準を当てはめつつ推計すると、ほとんど確実に、今の現状を把握できていると。こういうふうな認識に立って、よろしゅうございますか。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 まず、前段の面積の関係でございます。市町村の地域協議会で設定されましたのは、面積で設定したところも一部にございますが、ほとんどが数量でございまして、換算単収というものを、それぞれ市町村は持っていますので、それで面積に変換することは可能ですけれども、すみませんが今、ちょっと持ち合わせていません。申し訳ございません。後段の部分につきましては、市町村の地域協議会で、設定する目標が取りまとまった状況ということでの、先ほどの数字の御説明でございました。すでに農業者のかたにその数字が示されて、それぞれ営農計画の中で、今後、反映されてくるということかと思います。

◆小野峯生委員 県もだいぶ苦労しながら、特に多分、コシヒカリの作付面積等々のやり取りの中で、けっこういろいろなことがあったのだと推測しておりますが、おおよそに分けて、地域別にはどんなか。ほとんどがこのようすですから、県の目標の、需要に応じたということを理解していただいて、目標値におおよそ近いもの。また、著しく乖離(かいり)した場合は、県もいろいろと理解を得るように、努力するという話も承っておりましたが、その辺のところについて、結果としては順調だということの理解で、よろしゅうございますか。その辺について、伺いたいと思います。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 先ほど申し上げましたように、横ぐしを1本通すのが、なかなか難しいところがあるのです。けれども、私どものほうで市町村別の内訳を示しながら、それを受け止めていただいて、これまで県と市町村がキャッチボールをしながら、やって来た結果であると考えておりますので、御指摘いただきましたように、いよいよここまで来たかなというふうに考えております。

◆小野峯生委員 もう一つは、県が進めている用途だとかに応じた作付けなのですが、これは水田フル活用ビジョンの中で、示していくというふうなことの答弁であるわけであります。ですが、先般、国のほうから、30年産米等の第1回中間的取組状況が発表されたわけですけれども、本県においては、主食用米は前年並み、輸出用米等は増加傾向、飼料用米は横ばいとなっているのです。まず、この結果をどのように受け止めているのでしょうか。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 先般、国から公表されました、30年産米等の第1回中間的取組状況についてということでございます。御指摘いただきましたように、主食用米が横向きの右矢じるしで引かれておりまして、前年並みという国の見立てというふうに伺っております。これまで県のほうでも、新たな米政策の中で、所得確保が十分できるように多収・低コストの普及ですとか、あるいは、昨年の9月定例会で、補正予算を計上させていただきましたように、コシヒカリから多収性品種への転換への支援、あるいは、いろいろな形での情報提供をさせていただいてきておりまして、そういった取組も、前年並みという見立ての中に、反映されているものというふうに考えております。

◆小野峯生委員 それと今、お話のありましたとおり、多収性品種を用いた業務用米の取組、あるいは、これの平成30年度の作付動向について、伺いたいと思います。それから、全国的に需要があると言われていました、飼料用米。これは新潟県もまた、特に力を入れているわけでありますが、県は、6万トンの潜在需要が見込めるというふうなことを、数年前に言っているわけでありまして、とりあえず3万トンでしたか、目指すと、飼料用米で。それを目指すというふうなことだったのですが、これが伸びていないと。業務用米は業務用米で聞きたいということが一つと、飼料用米は伸びていないというふうなことなのですが、なぜか。この要因。いろいろな手当てもあるわけでして、国も大いに支援していて、主食用米と同等くらいのものにはなるという、あるいはそれ以上のものにはなるというふうな支援策も、打ち出しているわけでありますが、この辺の伸び悩んでいる原因と、業務用米の作付状況の見込み等について、伺いたいと思います。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 まず、多収性品種を活用した、業務用米の作付見込みということかと思います。種子の動きで数字を押さえてみたいなと思っておりますけれども、平成30年産の多収性品種につきましては、新潟県種子協会の注文ベースで、平成29年産におきましては、約 3,800ヘクタールだったものが、平成30年産に向けては、 5,000ヘクタールが見込まれるという、約 1.3倍の状況となっております。いろいろな多収性品種が、すべて業務用米に向くのか、ほかの用途にも当然、振り向けられるものだとも思いますけれども、3割の拡大の中で、業務用米にも相応の、多収性品種の活用が図られるものというふうに考えております。
 飼料用米の伸び悩みの要因でありますけれども、さまざまあろうかとは思うのですが、一つは農家のかたの中に、できれば人の食べるものを作りたいよねという思いは、やはりあるのだろうなと思っております。あるいは、輸出用米への支援が今回、拡充される中で、相対的に、飼料用米のうまみというか、メリットがどうなのかなというふうに、考えられた農家のかたもおられるのかもしれません。あるいは、これから需要を確保していくことが必要だという中で、業務用米ですとか、あるいは非主食用米でも、加工用米とか、いろいろな用途がございますので、そういうもので需要を獲得したいという思い、飼料用米以外のそういう需要を確保したいという思いも、働いたのかなというふうには考えております。

◆小野峯生委員 目標は目標であるわけでありますので、その辺のところをやはり所得向上、それから需要に応じたというふうなことの適正な作付けを、また努力していただければというふうに思っております。この項についての最後のまとめみたいなことになるのですが、地域協議会とのかかわりで、平成31年度以降については、平成30年度の動向を見ながら、県としてもかかわり方を決めていくと。そういうふうなことなのですが、昨年度から特に、この平成30年産米について、いろいろなことの中で、県も積極的に、地域協議会の中で活動を共にしていきながら、いろいろなアドバイスもしたり、情報も提供したりというふうなことで、努力をしたというふうに、私自身は思っており、評価しています。ですので、平成31年度以降、やはり、県がきちんと、ある程度関与していかないと。全国的な状況は、国から示されるわけですけれども、そのような農家、団体、農協関係の組織がありますが、やはり、農家の皆さんも安心感が持てないというふうなことが、一つの大きな課題としてあろうかというふうに思っております。その辺の、平成31年度以降の地域協議会への県のかかわり方を、今の状況でどう考えているか、伺いたいと思います。この項は終わります。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 平成31年産米以降の、県と地域協議会とのかかわり方ということでございますけれども、一つは施策の面であります。予算の中でも、需要拡大に向けて、地域の戦略を検討して、銘柄誘導ですとかコスト低減の方向に、産地農家を引っ張っていこうという、意欲的な地域協議会を支援するような補助事業を組み立てたいなと思っているところであります。そのほかにも、先ほど申し上げましたように、多収・低コストの環境整備ですとか、もろもろ進めてまいりたいと思っております。また、それと別にまさに今、新しい米政策に向けての過渡期だというふうに考えておりますので、昨年度、県が30年以降の米政策検討会議を設置させていただいて、地域の取組状況を検証するということも、その検討会議の場で進めてまいりたい。その中で、取組の課題を明らかにして、県内の今後の米政策が円滑に進むように、対応を考えてまいりたいというふうに思っています。

◆小野峯生委員 次の質問ですが、農地中間管理機構のことです。平成26年度から進めているわけでありますが、貸し付ける面積が、平成26年度は目標の 3,000ヘクタールに対して、実績が 1,830ヘクタール。この年は、なかなか進まないということで、いろいろな問題がまた、それぞれ指摘されたというふうに、記憶をいたしております。達成できないということで、平成27年度は目標の 6,000ヘクタールに対して、実績は 4,021ヘクタール。平成28年度の実績は、 3,659ヘクタールというふうな状況です。全国的にも、なかなか難しいというふうなことは、承知いたしているつもりであります。平成29年度の目標も、同じく 6,000ヘクタールに対して、なかなか進まないのでありますが、まずは平成29年度の実績を、どんなふうに見込んでいるのか。それから平場、中山間地域の、地域別にはどのような取組状況になっているのか、伺いたいと思います。

◎小幡浩之地域農政推進課長 農地中間管理事業の平成29年度の取組見込みということでございますけれども、現在、3月末の認可予定の面積を含めまして、約 3,100ヘクタールということになっております。それと、平場、中山間地域の、地域別の特徴でございます。これまでも大体、平場が7割、中山間地域が3割で、推移してまいりました。まだ確定ではございませんけれども、平成29年度も大体、同じような割合で、取組が進められているということでございます。

◆小野峯生委員 そうしますと、平成29年度の見込みは、減るということになります。平成28年度が、 3,659ヘクタールですから。本県の目標は、9割を担い手に集積をしていくというふうな高い目標。国の目標が8割という中にあるわけですが、これが進まないのだけれども、国も、ここがやはりかぎだとして、いろいろなこともやり始めているわけであります。けれども、なかなか進まない。その状況について、私自身も、離農を積極的にしなさいという論者ではないのだけれども、その辺のところを含めて、達成の見込みというのは、何でこんなに進まないのだろうという思いをしているわけですが、ここについてはいかがですか。

◎小幡浩之地域農政推進課長 達成の見込みが、なかなか進まない要因ということでございます。委員がおっしゃるとおり、決して離農をどんどん進めないといけないということではなくて、やはり農地の集積・集約化に向けて、地域の中でしっかり話し合っていただくという合意形成が、まず、必要だということだと思います。その合意形成を図るうえで、いちばん難しいのは、農家の皆さんの土地に対するその思いというものが、非常に根強くあるということかと思っています。県といたしましては、そういったこともございますので、農地の集積・集約化の重点地区を設定し、推進をしてきたところでしたが、ただ、そうはいっても、なかなか進んでこなかった。
 その背景として、幾つか考えておりますが、一つは、この間、国の度重なる制度改正というものがございました。そういった制度改正がある中で、農家の皆さんは、将来展望を持って話し合っていこうといった推進が、なかなか難しくなってきたのだろうというふうなことがあろうかと思います。
 それと、先ほども申し上げましたけれども、地域の中の集積・集約化に向けて頑張っていこうという素地のあるところは、大体、進んできたのですけれども、それがなかなか横に広がっていかない。先ほどの農家の皆さんの思いというものも、その背景としてあるのかなというふうに考えております。

◆小野峯生委員 今ほど地域農政推進課長のほうから、進まない理由等についてお伺いしました。そこで、インセンティブというかが非常に有効に作用していたと思われる、地域集積協力金のことについてですけれども、これは、おかしくなってしまって、足りなくなってしまって、いろいろなことで進まないのだという理由のときもありましたが、いろいろ工夫をしていただいて、進めていたわけであります。これは、新年度、平成30年度でありますが、単価の上限が下がる、あるいは国の運用の変更等によって、国から県への配分単価も見直されるというふうなことを聞いています。以前からの約束のとおりということですが、この要件がまた厳しくなってしまうと、事業展開がさらに難しくなるのではないかというふうな危惧をしているわけであります。この辺のところは、目標に向けてどう取り組んでいくのか。
 それと、国は今度、地主不在の土地について、法律を改正して、手続きを簡素化していくと。それも、農地中間管理機構のかかわりで、有効に作用するのではないかというふうに、期待しているようであります。この辺を含めて、どう対応していくのか、伺いたいと思います。それで、この項は終わります。

◎小幡浩之地域農政推進課長 インセンティブがこれから下がっていく中での、農地中間管理事業の取組ということでございます。委員御指摘のとおり、地域集積協力金の単価が計画どおり引き下がっていき、平成30年度には通常ベースに戻っていく。初期の段階は、かなり有利に働いてきたのですけれども、それが平成30年度以降、通常ベースに戻っていくということで、インセンティブが下がってまいります。そういったこともありますと、やはり、地域集積協力金だけで事業を推進していくということは、なかなか難しくなってくるだろうというふうに考えています。
 ただ、一方で、農地利用最適化推進委員の仕組みができてきたり、さらに、農地中間管理機構のほうも、担い手団体との連携の取組も始めているところでございます。さらに、若干ですけれども、機構を通じて貸し付けた農地の、固定資産税の引き下げというメリットがあると。さらに、農地中間管理機構を活用することによって、農家の負担が要らないというような基盤整備も出てきておりますし、平成29年度の取組の中でも2か所ほど、その事業を活用するという動きも出てきております。そういった、もろもろのメリット策を総動員しながら、事業を進めてまいりたいと考えております。
 それと、不在地主の問題でございますけれども、実際のところ、県の中で、不在地主が要因で、農地の集積・集約化がなかなか進まないという状況ではないというふうに、理解はしております。ただ、実際、それが表に出てきておりませんので、状況については確認する必要があると思います。それが大きなインパクトで、どんどんと進んでいくような状況ではないのかなというふうに考えております。

◆小野峯生委員 もう1点あったのですけれども、私ばかりが時間を取っているわけにはいきませんし、森林環境税のことについて、幾つか伺いたいと思っていたのですが、これは県の森林整備と財源のあり方検討委員会のことが出て、説明を受けましたので、さわりだけ、国のほうのことについてだけ、お願いいたします。
 国の森林環境税には、いろいろな要件があって、当初からだいぶ詰まってきた。その中で、いろいろな都道府県との二重課税、重複課税の問題があって、今のように決まったわけです。それで、国から示された要件の中で、私どもの県に配分される分、それから市町村に配分される分というのは、森林の条件の面積の中で、おおよそどれくらいの金額が考えられているのでしょうか。段階的に変わりますよね。初年度は 200億円から始まって、最後、平成45年以降は 600億円になるって全額になるのですが、その辺のところも少し踏まえながら、数字的なものだけは国のかかわりでお伺いして、残余は6月定例会に回しますので、お願いいたします。

◎八子剛林政課長 国の森林環境税におけます、森林環境譲与税(仮称)の金額のことだと思います。平成30年度税制改正の大綱におきまして、いろいろ、何といいますか、配分の割合が示されたところでございます。現時点で、国から具体的な算定式は示されてはおりませんので、今後、変更が生じるおそれはありますが、現在のところ、例えば当初の平成31年度は、全国で 200億円が譲与されるという中で、本県につきまして試算いたしますと、市町村分で2億 8,000万円、それから県分で 7,000万円です。合算いたしまして、県全体で3億 5,000万円程度となるというふうに、試算しているところでございます。
 また、先ほどの委員のお話のとおり、平成45年度からは、 600億円というふうなことで3倍になりますので、それぞれの金額も、おおむねその程度に膨らんでいくかなと思っております。けれども、市町村と県の配分割合が変わりますので、それを見込んで試算いたしますと、例えば、本県の市町村分であれば9億 6,000万円程度、それから県分につきましては、1億 1,000万円程度です。合算しますと10億 6,000万円程度となるかというふうに試算しております。