P.15 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 それでは私のほうから2点について伺います。先ほど小島隆委員からもありましたが、中速新幹線について、これはあまり名前がよくないですが、ヨーロッパあたりでは、けっこう中速新幹線ということで走っているのだそうでありまして、皆さんがたは昨年あたりから、いろいろと勉強なさったという話です。関連するところもありますが、私のほうからは羽越新幹線のことで伺いたいと思います。
1点めであります。先ほど話がありましたけれども、今年度当初予算で 326万 5,000円が計上された、羽越新幹線早期実現推進事業ということで、本年度は先ほどの話ですと、中速新幹線を含めて技術的なところまではなかなか踏み込めないということだそうであります。日本海縦貫高速鉄道交通体系の構築を図るということで、羽越新幹線の早期実現に向け、関係県と連携した調査・検討や機運醸成等の取組を実施するというふうなことであります。関係県あるいは構成するメンバー等々も含めて、先ほど少し話がありましたけれども、もう少し詳細な取組内容について、初年度はどうするのか、伺いたいと思います。
P.16 ◎答弁 酒井良尚交通政策課長
◎酒井良尚交通政策課長 羽越新幹線早期実現推進事業の今年度の具体的な取組内容の御質問を頂きました。この事業につきましてですが、羽越・奥羽新幹線の関係する6県、これが羽越新幹線のほうは新潟県のほかに、青森県、秋田県、山形県、富山県。それから奥羽新幹線のほうは秋田県、山形県のほかに福島県ということになります。この関係6県で平成29年度に、調査・検討を行おうということで、羽越・奥羽新幹線関係6県合同プロジェクトチームを立ち上げたところでございます。
今年度の当初予算に係る内容につきましては、このプロジェクトチームへの参画、調査に係る負担金の拠出と、羽越新幹線の早期実現に向けた機運醸成の二つの柱の予算立てで取り組むということでございます。このプロジェクトチームにつきましては、山形県に事務局がございまして、両新幹線を活用した地域ビジョンの策定、それから両新幹線の費用対効果の算出、そして、新幹線の整備手法の検討の三つをプロジェクトの取組事項としまして、整備を進めるということでやっているところです。今年度の事業の中での機運醸成に関しましては、このプロジェクトチームの調査結果の取りまとめを今年度末までに行う予定としておりますので、その調査結果をもって報告を行うシンポジウムの開催、それから啓発に係るリーフレットの作成等といったものに取り組むことを計画しているところでございます。
P.16 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 本県における、ミニ新幹線あるいはフリーゲージトレインは、今はもう技術的にちょっと不可能ということでとんざをしているというふうな状況であります。けれども、このことについては平成15年から平成17年にかけて、山形県と新潟県で白新線・羽越本線の高速化について、それ以前に国が行った調査であるミニ新幹線化、フリーゲージトレイン化に加え、新潟駅における新幹線と在来線の同一ホーム乗り換えプラス在来線高速化改良方式の調査検討を行って、その結論も出ているということであります。復習のためでありますが、そのとき出されたそれぞれの検討結果について伺いたいと思います。
そしてミニ新幹線方式が結果的に採用されなかったということになります。その後、沿線の各市町村の足並みがそろわなかったというか、負担金やどのくらい時間が短縮できるかという問題もあって、結局、本日まで進んでいないというふうな状況にあるわけです。その辺についての理由等も、皆さんがたでどう把握していらっしゃるかも含めて伺いたいと思います。
P.16 ◎答弁 酒井良尚交通政策課長
◎酒井良尚交通政策課長 平成15年から平成17年にかけまして、新潟県と山形県で共同して白新線・羽越本線高速化・新幹線直通運転化調査というものを実施いたしました。その内容についての御質問でございます。この調査を振り返りますと、四つの方式での調査検討を行い、ミニ新幹線化による方法、フリーゲージトレイン化による方法、在来線を高速化する方法、そしてもう一つが新潟駅での新幹線と在来線の同一ホーム乗り換えプラス在来線の高速化という四つの方式が検討されたところでございます。その結果といたしましては、概算の事業費と時間短縮効果については、東京から山形県酒田まで行く場合の短縮効果、それから費用対効果を出しておりますミニ新幹線のケースですと、概算事業費が 1,077億円、時間短縮効果は26分の短縮、費用対効果としては 0.7。フリーゲージトレインにつきましては、概算事業費が 504億円、時間短縮効果は16分の短縮、費用対効果が 1.3。在来線の高速化につきましては、概算事業費は 219億円、時間短縮効果は10分の短縮、費用対効果については 1.6。そして新潟駅での新幹線と在来線の同一ホーム乗り換えと、在来線高速化を同時にやった場合は、概算事業費が 229億円、短縮効果が16分、費用対効果は 2.1という結果でございました。これらの中で、費用と短縮の時間の割合、そして費用対効果を比べた中で、最も効果が高いということで、同一ホーム乗り換えと在来線高速化がいちばん有望であるという調査結果になったところでございます。
ミニ新幹線方式が採用されなかった理由ということでございますが、ミニ新幹線については、新潟駅で乗り換える必要がなくなるということがいちばん大きなメリットでありますし、また時間短縮効果が26分ということで、これらの方式の中でいちばん短くなるということではございます。けれども、在来線全線にわたって、軌道改修工事が必要になるということもあり、事業費が 1,077億円と、突出して大きな金額になること。それから費用対効果も 0.7ということで、このケースの中ではいちばん低いということで採用されなかったものと理解しているところでございます。
そしてまた、沿線市のとらえ方ということでありますが、JRと山形県と共同で行う羽越本線高速化に係る基礎調査をやって高速化を検討しようということで、動き始めたと承知しております。平成21年度に沿線の4市にこの調査費用の負担等に係るヒヤリングを行った際、それぞれの沿線市の受け止めとして、それによって短縮する時間が10分であり、あまり事業に対して期待感を高く持っていないということで、地元のほうでは費用の負担をしてまで、ちょっとなかなか実施の判断に踏み切れなかったという回答があったと承知しております。事業に対する沿線市の温度差というのも、うまく進まなかった一因ではないかというふうに受け止めております。
P.17 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 特に、新潟駅に近い市町村、具体的な名前は申し上げませんけれども、その辺のところが、時間短縮効果もほとんどない割りには負担金が大きいということでと。また、果たして豊栄駅には停車できるのかどうかというところも何か大議論が巻き起こってとんざしているというふうなことなのです。これから調査検討を始めるということで、本県にとっては過去のこういうふうないきさつがあるわけなので、この辺のところをしっかりと反省点といいますか、今までの経過も踏まえて、検討に臨むのだろうと思っております。
この検討について、先ほど話がありました。整備新幹線の今の状況等もありますが、そういった中でおよそいつまでのめどで、そして具体的にどのような調査を行って、この結果を国に向けて要望するということになるのでしょうけれども、どういうふうな活用をしていくのか。この辺のところを伺いたいと思います。
P.18 ◎答弁 酒井良尚交通政策課長
◎酒井良尚交通政策課長 羽越新幹線の実現に向けまして、この調査につきましては、今年度末を目途にまとめて公表したいということで、先ほどスケジュール的には申し上げたところでございます。内容といたしまして、地域ビジョンの策定の部分は地域の中で新幹線の整備によって広域的な、例えば観光交流ですとか、地域間の連携交流で産業振興する部分も出てくるだろうと。また地域活性化、東北、日本海側の地域の将来に向けた展望といったものを整理するということが、一つめの柱の中身でございます。それから二つめの費用対効果の分析検討につきましては、この両新幹線の投資効果を明確にしまして、政府に対する要望活動に説得力を持たせようということで、これを整理する作業を進めているところでございます。三つめはこれからの新幹線の整備手法の研究でございます。二つめの費用対効果の分析にも関係するところでございますが、線路、あるいは駅舎等の設備関係といったものの効果的・効率的な整備手法、あるいはそれをうまく組み合わせて、例えば駅のすれ違いのやり方とかです。部分的に単線化でも対応できる部分とかといった部分をいろいろと研究することによりまして、整備手法のさまざまな情報を集めているところでございます。
羽越新幹線の実現に向けましては、やはり国に対する要望が不可欠ということでございますので、先ほど申し上げたように、早期実現だけではなく、地元でコスト削減の手法ですとか、事業の費用対効果について検討したうえで、説得力を持って働きかけていきたいと考えております。また、これまで高速化に向けて取り組んできた経緯を踏まえて、地元の建設同盟会等との情報交換ですとか、機運醸成の取組といったものをしっかりやる中で、地元と一体感を持って、思いがすれ違わないような取組の進め方をやりながら、実現に向けての要望をしていきたいと考えているところでございます。
P.18 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 そこで、先ほど小島隆委員からも話があった、今進めている整備新幹線の工事完了時期についてです。これまでの建設ペースだと2030年ごろで、北陸新幹線の敦賀・新大阪間、そして九州新幹線の新鳥栖・武雄温泉間がまだ未着工ということであります。これまでの平均的な新幹線の延伸の工事ペースだと、これらが終わるのがやはり2030年ころだと。大体そのような計算が成り立つといわれているわけであります。今、羽越新幹線というのは基本計画の段階であります。これまでの各新幹線の工事ペースで想定した場合、新潟以北の事業着工は、それ以降になると推測ができると。当然そうなるというふうに思っておりますが、先ほどはあまり時期的な答弁は出てこなかったのですが、手続き的なものを含めて、最速でどの程度かかるものなのですか。その辺の県の認識について伺いたいと思います。
P.19 ◎答弁 酒井良尚交通政策課長
◎酒井良尚交通政策課長 先ほど小島隆委員にもお答えしたとおりなのですけれども、手続き的には段階がありまして、そこのまだいちばん最初の基本計画の段階にいるということでございます。整備計画に上がってから、さらに着工までも相当時間がかかるという中で、今ほど委員からも御指摘がありましたような、例えば2030年ころといった時期からスタートを切るということになりますと、先ほど少し北陸新幹線の例で申し上げたように、整備計画に位置づけられてから、さらに着工まで25年がかかっているという事例を御紹介しました。それから先にそのくらいの時間がかかるということが、今想定される時間感覚かなと思っております。ただ、やはり具体的なスケジュールはさまざまな要因で変わるものですから、今、具体的なスケジュールを示すことはできないという状況でございます。
P.19 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 かなり遠い将来を目指して、今から活動することだと思っていますが、先ほどから出ています、中速新幹線という手法なのですけれども、皆さんがたもいろいろやり取りをしていらっしゃったということであります。先ほど答弁がありましたが、中速新幹線は、時速 200キロメートルから時速 250キロメートルで、事業費はフル規格のケースだと大体 100億円で、中速新幹線はその5分の1程度ですので20億円程度と想定される。さらに時速が 200キロメートルから 250キロメートルですから、かなりの時間短縮ができる。この手法ですと、整備新幹線構想とは別の手法によるので工事期間が短縮できるということです。
それで、国のフル規格の手法では、今の法律によって、手続き的には2040年以降に開始するといわれているものが、かりに中速新幹線という手法を取り入れたとすると、手続き的には前倒しで進めることが可能なのかどうか。そこの認識はいかがですか。そこがあまり分からなければいいですが、その手法によって、工事の短縮により開通までの期間がかなり短くなるということだと思っております。大ざっぱに言えば並行在来線をミニ新幹線の改良版にするみたいなことだと思っておりますので、可能性としては、中速新幹線のほうが非常にいいかなと思っているのです。
新潟・酒田間の距離が大体 168キロメートルですので、先ほどの想定される金額で計算すると、中速新幹線だと事業費が 3,360億円となり、フル規格だと1兆 6,800億円と大体そのくらいになるのです。中速新幹線の整備手法というのはかなり現実的なのではないかと。技術的にどこまで進んでいるかということは別ですが、かなり技術的要素もあると思います。上越、あるいは柏崎へ行くとなると、これはかなり有力なものになるのではないかというふうに思っておりますが、認識はいかがでしょうか。
P.20 ◎答弁 水口幸司交通政策局長
◎水口幸司交通政策局長 まず手続き面ですが、整備新幹線につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、きちんと手続きが定められているわけでございますけれども、中速新幹線につきましては、現時点ではそういうものがありませんので、基本的には普通の鉄道と同じ扱いになるかと思っています。ただ一方で、こういうことを進めるに当たっては、やはり国全体で取り組む必要があると思っており、新潟県だけではどうしようもない部分もあるかと思っています。その場合に例えば、今後の基本計画路線の着手に向けての最大のネックというものは、やはり財源というふうに聞いておりますので、そのときに中速新幹線であれば、事業費がフル規格の5分の1で済むというところに魅力を感じていただく。そして、その新しい基本計画路線なりの整備手法として、国を挙げて、こういうところにかじを切っていくという合意ができれば、委員がおっしゃるような形で、大幅なスピードアップについても可能かと思っています。ですので、まずは技術の検証ですとか、国又は関係機関の合意というところが大前提になってくるのかなというふうに考えております。
P.20 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 これはそういう意味では政治的な部分というのは身にしみて、その要素としてはとても大きい。実は、山形県のべにばな国体を目指して、ミニ新幹線方式により山形新幹線が開業したわけでありますが、これは構想からおよそ10年くらいかかっているはずです。
実はそれ以前に羽越新幹線はミニ新幹線構想というものもありまして、私はそのときにけっこう勉強したのです。これは、当時の日本鉄道建設公団の技術者だったのですが、そのかたが構想を持ってまいりまして、私はちょうどそのときに国会議員の秘書をやっていたものですから、東京で何回かその話を聞いたり、勉強をしたことがあります。山形新幹線と羽越新幹線のほうがかなり有力だということで、やってもいいよという話があって、ただ、新潟県知事選挙があり、当時の君知事だったか、選挙の絡みで、分かる人がいるかもしれませんが、かなりの御立腹を買いまして、政治的につぶれたということで、向こうの人は思っていたと。多分それがなければ羽越新幹線が走ったかもしれないというふうな思いもあるのですが、多分に政治的なものは力関係でいろいろ出てくるのだというふうに思っております。
そういうものを含めて、これはうちの県だけでは何ともできないわけであります。この6県合同プロジェクトチームでありますから、ぜひその辺のところもそれぞれ協議されて、いい方法でと。財政難とわが県も言っておりますが、やはりその中でも夢のある施策というものも必要であるというふうに思っておりますので、いろいろな角度から検討していただきたいというふうに要望いたしております。
それからもう一点、クルーズ船のことなのですが、これについて大ざっぱですが伺いたいと思います。本県のクルーズ船の誘致は、日本海側の他県と比べて力を入れたのが、当初非常に後れてスタートしたと思っております。ここ数年、皆さんがたの関係のかたがたとのいろいろな努力もあって、今日の配付資料にもありますとおり、寄港回数の増加あるいは岸壁の改良等につながったと。力を入れていただいた結果として、大型船の寄港が始まっているということで、世界を代表するような船も新潟東港に入って来ていると。今は、寄港回数はほかの寄港しているところと比べるとかなり見劣りはしているのですが、ここのところ順調に増えているのだと思います。これまでどういうことに力を入れてきたか等々についてまずは伺いたいと思います。
P.21 ◎答弁 小野田勲港湾整備課長
◎小野田勲港湾整備課長 本県におけるクルーズ船誘致に向けた港の施設整備についてでございますが、これまで県内では新潟港、小木港、両津港で施設整備を行ってまいりました。まず新潟港ですが、平成27年までは5万トン級の飛鳥Ⅱまでをクルーズ船として新潟港で受け入れてまいりました。しかし、港の広さの制限、特に信濃川の河口港であるということから、それ以上の大型船の受け入れは不可能でした。このため、より大型のクルーズ船は新潟東港で受け入れを行うこととし、平成27年度から既設岸壁の係船柱と防舷(ぼうげん)材の改良を行い、約17万トン級までのクルーズ船の係留が可能となりました。今年4月30日には、日本に寄港実績のある中では最大級となる、約17万トンの大型クルーズ船のクァンタム・オブ・ザ・シーズが寄港したところでございます。また、小木港におきましては、従来は1万トン以上のクルーズ船につきましては、着岸ができませんで、渡し舟で対応しておりました。同様に係船柱と防舷材の改良を行い、寄港実績があるクルーズ船の中では最大となる約2万7千トンのぱしふぃっくびいなすまで着岸可能となりまして、今年5月12日には同船が寄港いたしました。両津港では、インフォメーションセンターのあいぽーと佐渡の前面の岸壁を切り下げまして、直接着岸はできないのですけれども、クルーズ船からの渡し舟がスムーズに上陸できるように整備を行ったところでございます。
P.21 ◎答弁 小林智港湾振興課長
◎小林智港湾振興課長 併せて、ソフト面の取組ということでお答えをしたいと思います。県では県内港をPRするクルーズ船のポートセールス、あるいは寄港していただいたクルーズ船に、再度寄港していただくための船社や乗船者の満足度を高めるおもてなしということで、地元自治体と連携して実施をしているところでございます。ポートセールスに関しましては、国内外のクルーズ船社ですとか、クルーズ船をチャーターし、旅行商品を企画販売する旅行会社を、直接訪問して、お話を聞いたりPRをさせていただいたり、あるいは、クルーズ関係の見本市に出展をしたり、船社あるいは旅行代理店のキーパーソンの招聘(しょうへい)を行って、現地を見ていただいたりと、港周辺の観光資源やおもてなし、あるいは港湾機能のPRということで、誘致活動を実施しているところでございます。
具体のおもてなしにつきましては、狭い範囲でいえば、岸壁でもスムーズな乗下船の実現ですとか、住民参加のにぎやかな歓送迎、地元産品の展示即売のほかに、町中におきましても、各観光地、観光施設で地元の芸能の実演ですとか、特長を生かしたおもてなしというようなものを企画をして実施したというようなケースがございます。
併せまして、市町村が中心になりますが、町中へのシャトルバスの運行、それから港湾管理者とおもてなしを実施するものの共同ということになりますが、岸壁の警備体制といったもの、あるいは港湾の利用に関する関係者、国、CIQとか国の機関といったところとの調整ということで、連携をして誘致活動、受け入れ対応を行っているのが現在のところでございます。
P.22 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 最近の全国的な動向を見てみますと、寄港港湾数は全国で2016年が 123港、2017年が 130港と増えています。寄港回数についても2016年の 2,017回から、2017年が 2,764回となっています。クルーズ船により入国した外国人旅客数は、2016年が約 199万 2,000人、2017年が約 252万 9,000人と大幅に増えているということであります。国の訪日クルーズ旅客の当初の目標を前倒して達成し、国では新たに、2020年に 500万人という目標を立てて、かなり国の重点政策になっているというふうなことであります。
同時に全国でも誘致活動が非常に激化しているととらえていいのだと思いますが、先ほども話したとおり本県の寄港回数、寄港人数は全国のそれぞれ多い港からするとやはりまだ見劣りしていると。先行している港には及んでいないという実情であります。今後これをどう打破して、どういう戦略を持ってやっていくのか、また、来年度等の見通し等についても伺いたいと思います。
P.22 ◎答弁 小林智港湾振興課長
◎小林智港湾振興課長 クルーズ船の誘致戦略についてお答えをしたいと思います。新潟が有する観光資源ですとか、港のポテンシャルをしっかりとPRさせていただいて、クルーズ船といっても、さまざまなクラスのクルーズ船があります。大きさや乗船されているかたの国籍ですとか、カジュアル層が乗っているものもあれば、富裕層が乗っているものもございます。そういった面を考え合わせて、例えば富裕層を対象とした中小型のブティック船であれば、それに対応したものを。あるいは、より手軽な価格で楽しめる大型カジュアル船であれば、そういった乗船客の嗜好(しこう)に合わせた対応をということで、対象を幅広くとらえてと。
委員御指摘のとおり、先行している港がかなりあります。競争も激しいですけれども、新潟西港は中心市街地に非常に近いということで、富裕層を対象とした中小型船がターゲットになると思いますし、佐渡の各港でも佐渡の観光地を、観光資源を生かしたところ、新潟東港では大型船というようなところもありますので、タイミングなどもとらえまして、観光局といった関係部局や地元市町村と連携して、船社ごとのニーズに合わせた観光地のPRを実施してまいりたいと考えているところであります。
また、先ほど申しましたとおり歓送迎ですとか、町中のおもてなしを実施するなどして、一たび寄港がありましたら、おつきあいを長くしていただいて、継続的な寄港になるような、満足度の高いおもてなしというものに、一体となって取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
もう一つ、今後の県内港への寄港の見通しというところになると思いますが、委員御指摘のように、先行する県に比べまして、まだ数は少ないというところはございますけれども、着実に一歩一歩伸びてきています。本年につきましては、26回の県内港への寄港が予定されております。来年につきましては、まだ販売商品を含めて全部が出そろっていないところでございますが、主だったところで分かっているところですと、新潟東港に大型船が6回寄港するという見通しになっております。そのほか新潟西港、佐渡の各港につきましても、今後の販売動向の公表を見まして、一定数を確保したいというふうに考えているところでございます。
今後とも継続的なセールス活動を行うと共に、着実に県内港への寄港が増加している流れを大切にいたしまして、県総合計画の達成目標、中間目標として2024年度に寄港数38回と掲げていますので、そこを目指して頑張ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
P.23 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 寄港数を増やす、寄港できる港を増やすという意味では、村上のほうも岩船港が観光を背景とした特定地域振興重要港湾になっているのですが、少し工夫をすれば、小さい港ですけれども、クルーズ船の入る条件を整えられると思っているのです。その辺について、地元との関係、あるいは県としてセールスに乗せるというか、そういうふうな可能性について伺いたいと思います。それで終わります。
P.23 ◎答弁 小林智港湾振興課長
◎小林智港湾振興課長 近年におきましては、本県の場合は新潟西港、新潟東港、直江津港、両津港、小木港、二見港に今、寄港しているという実績がございます。新たな港の寄港につきましても、地元の市町村が寄港を希望し、そういう意欲をお持ちであれば、県といたしましても地元と一体となって全力で協力をして、寄港に向けて取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
市町村におきましては、当然県と一緒に連携してというところで、クルーズ船社や旅行会社といったところに観光資源等を積極的にPRすることや、クルーズ船寄港時に地元らしいおもてなしを行うような受入体制の準備も必要かなと考えているところでございますので、この辺も私どもが市町村や関係業界と連携して、対応を図れればというふうに思っております。
また、新潟港クルーズ客船受入協議会ということで、例えば現在寄港している港がある市町村ですとか、そういったところの取組ですとかというものを御紹介したり、情報交換を行っている会議もございます。新たに寄港誘致に取り組む市町村ということでかなりの市町村が興味を持って研究しているところもありますし、これからやっていこうというところもあると存じております。そうした中で、県といたしましては、同行して船社等へのセールス訪問の実施ですとか、クルーズ船受け入れのノウハウの提供を含めまして、我々も一緒に頑張ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
それで岩船港への寄港になりますと、施設の状況から、中型くらいの船ということで富裕層などを対象として、それから村上の観光資源も生かしてというようなことが考えられるかと思います。村上市の御希望であったり、あるいは近隣の市町村と併せて取り組んでいかれる意欲が十分あると私も思いますので、そういったお話があれば相談をしながら対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
P.24 ◎答弁 小野田勲港湾整備課長
◎小野田勲港湾整備課長 それに付随して、岩船港にクルーズ船を着けるとなった場合、対象とする船舶によって異なると思いますけれども、基本的には防舷材と係船柱についてチェックをするとともに、船の大きさ等も回頭水域等の確認をしていく必要があると思いますので、それはやはり港湾振興課と連携を執りながら対応をしていきたいというふうに思っております。