令和元年 9月定例会 建設公安委員会 10月03日-03号

P.1 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 おはようございます。
 県警察における入札について、これは今どうするかということで議論されているところなので、考え方について伺いたいと思います。まず県警察における入札による発注工事について、交通信号機だとか道路の線引きだとかがあるのですが、どのようなものがどの程度あるか。報道ですと、交通信号機の改修・新設、横断歩道の線引きと、年間約 150件、11億 2,000万円が対象になっているというふうなことだと思っていましたが、確認という意味も含めて、その辺のところをまず伺いたいと思います。

P.1 ◎答弁 塚本雅人警務部長

◎塚本雅人警務部長 お答えいたします。県警察におけます入札による発注工事でございますけれども、大きく分けまして二つの区分がございます。まず一つは、交番、駐在所の建築でありますとか、また警察署の外壁改修工事、空調機の更新工事など、警察施設に係るものであります。またもう一つにつきましては、交通信号機や道路標識、道路標示といった交通安全施設に係るものがございます。
 この内、平成30年度の実績で見ますと、警察施設に関する入札につきましては20件、約7億 6,000万円でございます。また、交通安全施設に関する入札が 150件、約13億 6,000万円でございました。交通安全施設に係る今年度の工事契約予定額は、約17億 3,000万円となっておりますが、この内、入札による契約を予定しておりますのが 150件、約13億 9,000万円でございます。この内、最低制限価格の見直しの対象となりますのが、今年6月以降に行っております入札の内 110件、11億 2,000万円程度になるものと見込んでおります。

P.1 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 今後、最低制限価格の改定でやるのが 110件、11億円余りというふうなことであります。今、いろいろと議論されている、土木部にもお伺いしたりしているのですが、警察施設、そして空調機だとかそういうものですよね。警察施設と、それから交通安全施設は、どんな方法で予定価格を決定し、最低制限価格を決定しているのかということについて伺いたいと思います。

P.1 ◎答弁 塚本雅人警務部長

◎塚本雅人警務部長 県警察におけます工事の入札に当たりまして、積算及び予定価格の決定でございますけれども、こちらにつきましては県土木部が定めます積算基準を準用いたしまして積算しております。また、算出されました積算価格に基づきまして予定価格を決定しております。一方、最低制限価格につきましても、従来は県土木部が定めました最低制限価格等の設定基準を準用しておりましたけれども、本年6月以降、入札通知を発出いたしました交通安全施設工事の内、道路標示工事、交通信号機工事及び張出式大型道路標識工事に係る最低制限価格につきまして、従来の県土木部の方式による算出を改めまして、国が行います低入札価格調査制度における算定方法と同じ方法で算出した金額を、最低制限価格として運用しているものでございます。具体的には、従前の方式では一定の計算式で算出されます最低制限価格につきまして、予定価格の91パーセントを下限としていたものを、予定価格の75パーセントから92パーセントの範囲とするとしたものでございます。

P.2 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それで、県警察の、今の施設も含めて、入札工事での落札率、平均落札率について、交通信号機とかそういうものがあると思うのですが、すべてのものについて、その辺の落札率はどうなっているか伺いたいと思います。

P.2 ◎答弁 塚本雅人警務部長

◎塚本雅人警務部長 県警察におきまして、本年6月以降、最低制限価格を見直して行った入札において、従来の最低制限価格91パーセントを下回る落札率となったものは、本年9月末現在で、57件でございました。こちらの平均落札率につきましては、 88.09パーセントとなっております。なお、交通安全施設工事全体で見ますと、交通信号制御器等製造請負等がございますので、これらを含めますと64件になりますが、この64件の平均落札率につきましては 88.31パーセントとなっております。また、先ほど申し上げました警察施設に係る工事でございますが、こちらにつきましては14件の入札を行っておりまして、平均落札率につきましては 96.17パーセントとなっております。

P.2 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 警察施設についてはいろいろな意味があるのでしょうが、 96.17パーセントと、やはり高い数値が示されているということで、利益だとかいろいろなものがあるのでしょうけれども、それが県警察としては適切な水準だと認識というふうに思って、かまいませんでしょうか。

P.2 ◎答弁 塚本雅人警務部長

◎塚本雅人警務部長 適切かどうかといいますか、落札の結果でございますので、企業のほうも一定程度の利益を見込んだうえでの落札だというふうに認識しております。

P.2 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 そこで、やはりいろいろな意味で、知事が、今定例会で入札制度の在り方について、こういうふうに言っているわけであります。競争性、公平性、透明性の確保が大前提だということと、それから、限られた財源を有効に活用することも重要だと。一方で、このようにも言っているのです。過度な価格競争に伴う工事の品質低下を防止すると。これは、公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)というものがあって、皆さんがたは、十二分に御承知のことであります。そして工事の品質の低下を防止するとともに、除雪や災害対応など地域の安全・安心の確保を担う建設産業がその役割を果たしていくために適正な収益を確保することも必要だというふうに答弁しているのです。そこで、県警察は入札について総体的にどのような考え方に立って、入札を進めているのかについて伺います。

P.3 ◎答弁 塚本雅人警務部長

◎塚本雅人警務部長 県警察が行います工事入札に対する考え方でございますけれども、今回、交通安全施設工事の最低制限価格を見直させていただきましたのは、県警察が行います道路標示等の交通安全施設工事におきまして、入札状況を見ますと最低制限価格と同額の入札を行う業者が極めて多数存在いたしました。このため、くじ引きで落札者を決定するということが多く発生していたということから、業者間の競争の余地があるのではないかというふうに考えついたところです。さらに、県の財政が危機的な状況にあるということが明白になったこと及び聖域なき行財政改革が必要となっていること、これらを踏まえまして、歳出削減の一環といたしまして実施することとしたものでございます。
 いずれにいたしましても、入札制度につきましては、競争性、公平性、透明性の確保を大前提といたしまして、限られた財源を有効に活用するということが重要であります。また一方、過度な価格競争に伴います品質低下の防止等も必要であるというふうに考えております。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 さらにもう少し詳しく伺います。今ほどの答弁にも少しあったことですけれども、私のほうからも質問を予定していたのですが、業者間の過当競争、品質の確保、そして、県内調達と。そこで、県内調達はどんな格好になっていますか。それも含めて、では一緒にお伺いしますけれども、県内調達については、県で進めているわけですが、特殊なものを除いては、もうほとんどが県内調達になっているというふうなこともあるので、その県内調達の割合をと。それから、適正な利益確保、県内業者の育成、これらは建設産業におきまして、後で申し上げますけれども、数値が出ております。今もってやはりその利益が低いというふうな現状があるわけですが、そのような業者育成という観点も、これは大事な観点かというふうに、知事も、一方でということで言っているわけでありますけれども、この辺について、特に県警察はどういう考えで進めていらっしゃるのか、伺いたいと思います。

P.3 ◎答弁 塚本雅人警務部長

◎塚本雅人警務部長 まず、県内業者との契約関係でございますけれども、県警察における工事の入札に当たりましては、新潟県が定めます建設工事指名業者選定要綱に従いまして、原則として県内に本店、支店、営業所がある者を指名しております。ただし、メーカーが限られております交通信号機の制御器でありますとか、また、特殊な技術を要します交通管制センターの工事といったものに限りましては、県内に営業所等がない者につきましても指名をさせていただいております。この結果、交通安全施設工事につきましては、平成30年度の実績でございますが、 150件の入札の内、県内に本店、支店又は営業所がある業者との契約は、件数ベースでは88パーセントとなっております。また、警察施設工事につきましては、20件の入札を行い、 100パーセントが県内業者との契約となっております。
 次に、適正な利益の確保等に対する考え方ということでございますけれども、繰り返しになりますが、業者間の過当競争の防止でありますとか、また、工事品質の確保、県内調達の推進、適正な利益の確保など、いずれの点につきましても重要な観点であるというふうに考えております。また、併せまして、財源の有効活用とのバランスといったものも考慮しながら、入札制度を運用してまいりたいというふうに考えております。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 分かりました。そこで、土木部では、今の入札方式に変えたのですが、そういった中で、相対的に、土木部の発注する工事と県警察の発注する工事は、おのずと1件当たりの金額ですとか、規模、発注件数など、相当の相違がやはりある。それは御承知のとおりの状態にあるわけですが、そういうことで、同一視はできないと。同一に考えることは、なかなか無理があるというふうに考えているのですが、県警察はその辺について、どのように考えているのか、伺いたいと思います。

P.4 ◎答弁 塚本雅人警務部長

◎塚本雅人警務部長 県警察が行う交通安全施設工事の最低制限価格の見直しにつきましては、県土木部の発注工事と同一に議論はできないという御指摘があるということは承知しております。県警察としましては、すべての発注工事につきまして、最低制限価格を見直したということではなく、くじ引きが多く発生しております交通安全施設工事の入札につきまして、多くの県が準用しております国方式での最低制限価格を設定した場合に、一定の落札率の低下が予想されると試算された工事、種別に限りまして、検討のうえ、見直しを実施させていただいたものであります。したがいまして、県の財政が危機的な状況にあるということを踏まえて、歳出削減を図るため、県警察として実施できる政策に真摯(しんし)に取り組んでいるところでございます。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 そこで、土木部に対して、入札についてということで、質問をいたしておりますが、土木部では、より厳格な設定価格としているということで、適正な設定価格になるようにさまざまな観点から、適正な仕様、設計に合わせた仕様で、完了検査だとか現場管理等を行うというふうな工事になっているので、結果的に、企業として取組を行うことによって、最低制限価格ではなかなか利潤が出ないということで、それを上回る価格で応札をしているという状況なのだと。より厳格にいろいろなことを決めながらやっているので、最低制限価格より上の価格で落札にされていると。平均で言うと、最近は95パーセント台で、土木部の落札率は推移しているということであります。また、品確法に基づいた発注者の責務として適切な予定価格の設定、それから過度なダンピング防止のための最低制限価格の設定、いろいろな工期の平準化による利益を上げていく、いろいろな要素を含んで総合的にきっちりと正確に、厳格にいろいろなことを計算した結果、こうなっているのでというふうな、大ざっぱに言うとそういう答弁でありました。
 私ども、平成18年に、自由民主党の当時の県議団で、私はそのいちばん、何といいますか、端くれのところで手伝いをけっこうしたのでありますが、その当時、建設投資がそれまでの6割まで減少したと。そして、落札予定価格を本当に下回る低入札が多発をしていました。いわゆるダンピング受注による赤字受注が増え続けていて、品質確保、それから本県は非常に建設産業の占める割合が多く、経済的にもやはりその辺のところが主なる部分、重要な部分を占めているというふうなことで、最低制限価格の引き上げを含む入札改革をと。これについては当時、国はやはりいろいろな問題があって、談合等々が全国的に問題になって、入札改革できないと、一般競争入札でけっこう行ったのですが、私どもは、これではやはりだめだろうというふうなことでいろいろ調査をして、その報告書ということで、提案しました。
 そして、最低制限価格等々、いろいろな要素が、国においてもいろいろなことがあって、徐々に意識が上げられてきました。そして、ようやく、最近でありますが、そのときはもう仕事をすれば、利益率は平均でいくと全部マイナスでありましたが、それが徐々に上がってきて、ようやく、ある程度の利潤へと。申し上げますと、県内建設企業の売上高経常利益率の推移ですが、財務省の法人企業統計調査によると、平成29年度で 4.7パーセントです。そして、全国の製造業が 7.0パーセント。また、全国の建設業は、新潟県と同じ 4.7パーセントまでようやく回復をしてきたというふうなことであります、上がったり下がったりしているのですけれども。そして、全国の全産業は 5.4パーセントの売上高経常利益率ということであります。ただ、この中で 4.7パーセントがまだ低いかどうか。それで企業が経営できるかどうかということは、なかなかやはり低い水準であることは、この数値を見ると御承知のとおりの数値であります。これは、うそはないと思います。
 その中で問題なのは県内建設企業の内、売上高が1億円未満の企業です。これがまだ赤字です。売上高経常利益率で、平成27年度マイナス 0.8パーセントの赤字。平成28年度がマイナス 1.5パーセント、平成29年度がマイナス 0.6パーセント。これは、わが県を支える建設産業で重要な部分のクラスなのですが、これがこういう状態である。いまだにこうであるということで、私どもは入札改革について、財政上も逼迫(ひっぱく)しておりますので、検討するにはやぶさかではありませんが、これ以上、利益率が下がるような改革は望んでいないということです。披歴を申し上げましたが、そういうことで警察本部長の入札に関する考え方について、私はいろいろ申し上げましたけれども、最後に伺いたいと思います。

P.6 ◎答弁 花岡和道警察本部長

◎花岡和道警察本部長 私、警察本部長の入札に関する方針についてでございますが、県土木部が実施しております現在の最低制限価格制度は、本県独自の考え方のもとに行われている施策であることは重々承知いたしております。しかしながら、県の財政が危機的な状況となり、県民にひとしく痛みを分かち合う行財政改革、聖域なき改革が必要となっている現状を踏まえまして、歳出削減のため、工事の入札にあっても、あらゆるものをさまざまな角度で検討したうえ、可能な分野は見直しを行うべきとの考えで実施しているところでございます。交通安全施設工事における最低制限価格制度の見直しにつきましても、その一環として実施したものでございますので、御理解いただきたいものというふうに考えております。

P.6 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 何度も言うように、その中で私どもは利益率、建設産業の利益率ということもしっかりと考慮に入れた中での入札をしていきたいと思って、私どもがするわけではないのですが、要請をしてまいっております。そういうことを県警察にも要望を申し上げさせていただきまして、質問を終わります。

P.6 ◎答弁 塚本雅人警務部長

◎塚本雅人警務部長 基本的には、県行財政改革の方針に従いまして、すべての分野におきまして見直すべきものは見直し、抑えるべきところは抑えて進めてまいりたいというふうに考えております。