令和2年 2月定例会 本会議 02月20日-委員長報告、代表質問-02号

P.21 ◆質問 小野峯生君

◆小野峯生君 おはようございます。通告に基づき、自由民主党を代表し質問を行います。
 初めに、知事の政治姿勢について伺います。
 花角知事は笑顔がすてきなのに、最近笑顔が少なくなったと先日言われました。厳しい財政状況の中で、一般職員にも給与の削減を要請し、行財政改革を断行しなければならないという厳しい状況において、知事の心中を察するに、誠にじくじたる思いを感じております。知事にも元のすてきな笑顔がまた戻るべく、私どもも協力いたすことを決意しております。
 しかしながら、執行部のチェック機関として、また県民の安全と安心の確保に向けて、真摯に議論を交わしていくことが重要であることを改めて申し上げまして、代表質問に入ります。
 新型コロナウイルスの感染が日々拡大しており、パンデミックとならないことを祈りつつ、いつ終息するのか心配をいたしております。
 今は、まさに新型コロナウイルスへの対応が喫緊の最重要課題であり、もっと実効性のある水際対策が行われておれば、我が国における患者の発生数も違ったものとなっていたのではないかと思われます。
 この種の対応は、何よりも初動対応が重要でありますが、本県における対応と体制整備について、知事の所見を伺います。
 また、安倍総理は、感染の拡大防止や患者への対応をはじめ、観光業や製造業などで大きな影響が出ており、経済的にも大きなものがあることから、予備費も導入して対応を図っておりますが、国の対応を受けて、本県はどのように対応を図っていくのか伺います。
 知事が強く国へ要望された、人口減少に対応するための地方への支援策として、地域社会再生事業費が、地方法人課税の偏在是正措置による財源を活用し、新設されるとともに、地方公共団体における事前防災事業の促進のために、緊急的に河川・ダム等のしゅんせつを実施することができる緊急浚渫事業費が創設され、公共事業でなくとも地方債の発行を可能とする特例措置がなされると聞いております。
 これらの措置は、厳しい財政状況の下で、行財政改革を進める知事を応援する追い風となっておりますが、このたびの地方財政計画に係る知事の所見を伺います。
 あわせて、12月定例会の我が党代表質問に対して、知事は事前防災の強化が必要と認識しており、県民の安全と安心を守る治水対策を進めていくと答弁されておりますが、新年度予算編成においてどのように対応されたのか伺います。
 行財政改革が議論されて以来、財政再建に向けての予算削減の話ばかりが先行しているように思われます。県民においては、県はお金がないのだからと諦めムードが漂っているようにも感じるところであります。
 財政規律の保持は重要なことと認識をしておりますが、大規模かつ急激な予算縮小は、新潟県の活力低下を招くものと危惧もいたしております。
 県勢の発展と財政再建を両立させることは容易なことではありませんが、真に必要な施策を見極めた上での事業再編や、本県の将来を見据えた新たな発想に基づく政策の立案など、前向きな創意工夫が必要であり、県職員はもとより、県民が夢や希望を持つことができなければ、どんなによい施策を立案しても、本県の発展は望めないものと思っております。
 財政再建に向けて、初めてとなる新年度予算案の編成において、知事はどのような方針で臨まれたのか伺います。
 また、私学助成、未満児保育事業、子ども医療費助成、商工団体への助成などの県単補助金の見直しについては、県民のそれぞれの団体の関心も強く、注視されておりましたが、知事はどのような観点で予算措置されたのか伺います。
 先般、新潟空港活性化セミナーにおいて、新潟空港を拠点とするLCC構想が披露されました。
 この構想については、これまでも我が党の代表質問や一般質問等で聞いており、県民に夢と希望を与えるものであり、実現の暁には地域の活性化や空港の活性化に大きくつながるものとして期待しているところでありますが、改めてLCC構想に係る知事の所見を伺います。
 また、知事は県勢発展に向けて、どのような施策を、どのように盛り込まれたのか伺います。
 公債費負担適正化計画によれば、起債許可団体となることを避けるために、実質公債費比率を令和20年度に18%以下とすることを目標とし、毎年度の県債発行額に上限を設定し、その範囲内で投資事業を行うこととされております。
 行財政改革行動計画においては、歳出歳入改革の目標を令和5年度末に財源対策的基金残高を最低限230億円確保し、今後見込まれる公債費の令和6年度から10年度までの累計額の実負担増加に向けて、県債管理基金を確保しておくために毎年度160億円、総額640億円の収支改善が必要とされておりますが、行動計画に鑑みて、知事は本年度予算案をどのように評価しているのか伺うとともに、新年度予算編成を振り返り、令和6年度以降の行財政改革の在り方について、どのように考えておられるのか伺いたいと思います。
 また、公債費負担適正化計画は令和20年度までの長い期間となっており、行財政行動計画よりも長く、異例と言えるものでありますが、このように長い期間の計画となった理由についてお伺いをいたします。
 あわせて、金利推計などは、国の基準に準拠した県行財政改革行動計画の中期見通しで使用しているものを採用しているにもかかわらず、令和6年度以降20年度までの金利は0.5%に固定し、仮置きされており、運営計画の毎年度の改定に合わせて実質公債費比率の将来推計も更新していくとされているところであります。
 これまでも毎年財政収支見通しが示され、いつも適正に運営されているとされてきたものの、経済成長率を見直すことなく、大きな数字で試算してきたことから、今日の非常事態に至った経緯があり、時の為政者の意図が入り込んだとの疑念も指摘されておりますが、なぜ固定値を仮置きすることとなったのか伺いたいと思います。
 また、日本海横断航路や福祉保健部における法定計画未策定等問題に鑑み、課題の解決に向けて新たな内部統制制度の導入が図られますが、将来推計の更新時に恣意的な介入が入る余地はなくなると考えてよいのか、所見を伺いたいと思います。
 財政再建に向けた一般職員の給与の臨時的削減については、県と県職員労働組合は給与の削減率を本年4月から3年間2.5%と4年目は2.0%とすることで合意し、本定例会に関連条例案が上程をされております。
 報道によれば、県職員労働組合の執行委員長は、苦渋の決断だが、組合として県の財政再建に協力することを決めた。県財政が健全な状態になるように我々も汗をかきたいとされております。
 県の組織の一員として内部情報を共有し、一番身近で県行政の執行に当たっている県職員でありますから、その責務はあるものと考えるものでありますが、このたびの組合の決断は大変評価するべきものと私も考えており、大いにエールを送りたいというふうに思っているものであります。
 一般職員の賃金カットが実施された場合には、毎年度約41億円、最終の4年目は約37億円の人件費削減が見込まれるとの試算がなされておりますが、このたびの一般職員の給与削減に対する知事の所見を伺います。
 また、一般職員の給与削減がなされたことで、行財政改革に一定の目安がついたことになりますが、あってはならないことをお願いし、協力いただいたわけでありますから、この際、当時の知事やOBにもこの行財政改革の趣旨を理解いただき、理解いただいた方々からは、協力していただいたらというふうに考えるものでありますが、知事の所見を伺いたいと思います。
 本県における公共工事の入札制度は、相次ぐ談合事件などの不適正事案の発生や、低価格入札の増加による労務単価の引下げなど課題解決に向けて、本県の重要産業の一角である建設産業の育成を図る観点から、最低制限価格を91%に設定しております。
 工事の品質確保と県内建設産業の育成の観点から、一定の適正な利益の確保は重要なことであり、その点を勘案した上で見直しを行わなければならないものと考えますが、知事はどのように見直しを行っていかれるつもりか伺いをいたします。
 先頃、深刻化する医師不足に対応するため、花角知事は、岩手県など6県の知事で組織する地域医療を担う医師の確保を目指す知事の会を発足し、6月には共同で国への政策提言を行う予定とされております。
 4年後から始まる医師の働き方改革により、時間外労働の上限規制が設けられるため、医師不足を解消しないままでは地域医療が消滅することが危惧をされておりますが、改めて知事の医師確保に係る考えを伺います。
 本県が厳しい財政状況に直面する中で、財政を最も圧迫しているのは医療関係の負担であり、厚生労働省も昨年9月に、改革に向けた検討の参考情報として、公立・公的医療機関等の診療実績データの分析結果を示しており、本県においても県立病院の役割・あり方に関する提言がなされているところであります。
 20年後には、本県の市町村人口は、軒並み20から40%減っていくとの推計がなされておりますので、当然のことながら患者は減り、間違いなく病床は余ります。
 県民の安全と安心を守るために必要な医療システムを堅持するため、どのように具体的対応を行うのか、冷静に検討する必要があると思います。
 知事をはじめ、執行部と県議会が議論を深め、県が主体的に主導し、公的医療機関等を含めた具体的な医療提供体制のあるべき姿を示さなければならないというふうに考えておりますが、知事の所見と決意を伺いたいと思います。
 国は、地域医療の確保に当たって、過疎や僻地等の不採算地域などの中核的な公立病院に対する特別地方交付税措置の創設や、周産期医療・小児医療等に対する拡充など見直しを図っており、公的病院についても同様な措置を行う方針を示していると聞いております。
 公的病院が県民医療に果たしている役割に対して、知事はどのように評価しているのか伺うとともに、県は国の方針に対してどのように評価しているのか、また、どのように対応されるのか伺いたいと思います。
 県央基幹病院については、12月定例会でも活発な議論が交わされたところであります。
 その後、有識者での県地域医療構想調整会議において、県央地域の公立・公的5病院を再編し、県央基幹病院に救急を含めた急性期機能を集約するとともに、基幹病院の病床数については当初計画の450床から400床程度を上限とし、50床以上の削減を求める提言をまとめております。
 今ここで、大幅な見直しを行うこととなれば、設計変更に伴う費用の増嵩が見込まれますので、県央地域の医療体制においては救命救急の必要性が第一義であり、何よりも開院時期の遅れを生じないために、有識者会議の結果を踏まえ、県はどのような見通しを持って整備していくのか、知事の所見を伺います。
 小児医療の機能強化を目的とする基金が設置されると聞いております。
 がんをはじめとする重篤な病にかかった子供たちに、最善の医療行為はもとより、子供たちに寄り添った看護体制の整備が必要とされるとともに、疾患の治療だけではなく、いじめやいじめによる自殺問題などへの対応について、家庭、学校、関係者とともに、小児科医をはじめとするスタッフが加わることにより、子供たちの精神的な支えとなることも期待されることから、我が党は小児医療専門機関の設置を強く求めてきたところでありますが、この基金の使途はそのような方向性に向けたものなのか伺いたいと思います。
 また、知事は、重篤な病にかかった子供たちが高度・専門的医療を受けられ、家族のサポート機能なども備えた拠点的な病院の存在は重要であり、具体化に向けては、高度医療等を担う人材の育成を含め、幾つかの課題を解決していくことが必要であるというふうに答弁をされておりますが、この進捗状況について伺うとともに、新年度予算案においてはどのように対応されたのか伺いたいと思います。
 我が党は、12月定例会の代表質問において、有害特定野生鳥獣対策の強化に向けて、センターの設置を要望したところであります。
 このたびの新年度予算案における組織改編において、農産園芸課にセンターが設置されると聞いております。
 今冬は、冬眠しない熊が多く見受けられておりますので、県民の安全と安心の確保の観点からセンター設置に感謝するとともに、機能発揮に大いに期待をいたしているところでありますが、設置目的は、人里から市街地まで出没する熊など有害鳥獣から県民の安全と安心の確保を図るため、県民生活・環境部と農林水産部及び市町村をはじめ専門家や猟友会などの関係者が協力して被害対策に取り組むための機能を発揮することであり、センター内での縦割り行政の弊害があってはなりませんが、センターの機能発揮に向けての決意を伺います。
 昨年夏の高温障害によるコシヒカリの1等米の占める比率が大きく下落したことは記憶に新しく、我が党は12月定例会の代表質問において、高温障害への対応について質問したところでありますが、新年度予算編成において具体的にどのように対応されたのか伺います。
 また、今年は異常なほどの少雪となっており、山間部を中心に春先の水不足が懸念され、稲の作付などへの影響が危惧をされております。
 水不足は、中山間地域をはじめとした地域の作付だけに影響するに限らず、高温障害への対応として水管理が重要なことから、稲作農家への大きな影響が危惧されており、早急に水不足への対応を検討しなければならないものと考えておりますが、所見を伺います。
 小泉原子力防災担当大臣が、原発事故などの際に、甲状腺被曝を防ぐ安定ヨウ素剤の配布について、UPZ圏内の住民に対して事前配布を行うよう関係24道府県へ要請したと報道されております。
 現状においても、自治体の判断で事前配布が可能とされておりますが、配布に際しては医師による説明が必要であり、県内にはおよそ44万5,000人が対象となり、説明会開催に係る要員確保や経費等もかさむことから、県は詳細について国へ照会中と聞いております。
 住民の健康を第一に考え、安定ヨウ素剤を十分な効果が得られるタイミングで服用できるよう、確実に住民へ手渡さなければならないことは理解するものでありますが、事前に何ら自治体への調整もなくアナウンスする手法は私もいかがなものかと思いますが、知事はこのたびの要請についてどのように受け止め、どのように対応されるのか伺います。
 次に、教育問題について伺います。
 令和元年度の補正予算について、ICT教育強化のため小中学校の生徒1人に1台のパソコン等端末の整備と学校におけるWi?Fi整備が盛り込まれております。
 公衆無線LANであるWi?Fiは、災害時の情報伝達手段となることが熊本地震においても立証されておりますので、災害時に避難所となることの多い学校へのWi?Fi整備は非常に有意義なことと歓迎をいたしております。
 そこで、県においては国の補正予算に対してどのように対応されるのか伺うとともに、パソコン整備に当たっては、国の対応は義務教育を対象としており、高等学校への対応は県独自で行わなければならないと承知をしておりますが、どのように対応するのか伺います。
 あわせて、プログラミング教育への対応に当たっては、教員のスキルアップが必要とされており、現場においては専門的知識を有する人員配置を望んでおりますが、所見を伺うとともに、どのように対応されるのか伺いたいと思います。
 加えて、パソコンやWi?Fiの整備が進むことにより、これまで以上に情報管理が重要な課題となってきますが、SNSなどの情報管理に当たっては、専門的な知識を有する者が対応することが重要なことと認識をいたしております。
 ただでさえ多忙化が問題となっている教育の現場において、働き方改革の推進とともに、これ以上の教員への負担は限界を超えるものであり、専門的知識を有する管理者を手当てしなければならないと考えているものでありますが、所見を伺うとともに、対応について伺います。
 最後に、パソコンの整備も重要でありますが、高等学校においては電子黒板の整備も強く求められているところであります。我が党の強い要望により、少しずつではありますが、整備が進んできているものの、現場からの要望は強いものがあります。
 パソコンとWi?Fi整備が進むことになるこの時期に、厳しい財政状況ではあるものの、電子黒板の整備を進めることは大きな相乗効果を生むものと確信しておりますが、所見を伺うとともに、新年度予算案における状況を伺います。
 本県の義務教育における学級編制基準については、平成13年に小学校1・2年生において32人以下学級が実施されております。
 その後も実証を重ね検討しつつ、現在は小学校3から6年生と中学生は35人以下学級となっているところでありますが、児童生徒の社会性の育成という観点から25人の下限設定がなされております。
 このたび、少人数学級について、小学校3・4年生の下限設定を解除し、完全実施されます。
 我が党は、学力向上の観点もさることながら、近年増えてきている気になる子などへの対応の観点から、教員の加配とともに少人数学級のさらなる拡大を要望してまいりましたが、効果について検証中であったものと承知いたしております。
 このたびの拡大に当たって、どのような検証がなされたのか伺うとともに、小学校3・4年生において32人以下学級に拡大できなかった理由と、35人以下学級の完全実施が5・6年生にまで拡大するに至らなかった理由について伺い、併せて中学校における少人数学級についてはどのような考えで対応していくのか伺います。
 最後に、県民の安全と安心の確保について伺いたいと思います。
 本年1月21日付の地元紙に、昨年7月に50代の巡査部長が同僚にわいせつ行為を働き、懲戒免職処分となっていたにもかかわらず、公表されていなかったとの報道がなされました。
 また、昨年の3月18日付の地元紙の記事では、平成26年10月から昨年2月までの5年間の主なる県警の不祥事として、保険金詐欺、証拠資料破棄、窃盗、研修に向かうための公用車で高速道路を175キロの猛スピードで走行するなど10件の不祥事があり、そのうち懲戒免職が4件というふうになっております。
 昨年2月定例会建設公安委員会において、県警本部長が陳謝をしておりますが、その後も、現職警官の窃盗事件など懲戒免職処分や逮捕事案、同僚へのわいせつ行為による懲戒免職処分など、県警における不祥事が続発しているところであります。
 加えて、昨年7月の懲戒免職処分されていた事案を公表していなかったなど、身内に対する対応に甘さがあるのではないかと県民は疑念を持っております。
 不祥事が相次いでいることに対して、県警本部長はどのように考えているのか伺いたいと思います。
 不祥事が続いていることに対する県民の不信感は、相当に強いものがあります。
 今後、絶対に、二度と不祥事は起こさないとの強い決意と、具体的な徹底した対応策を取らなければならないものと考えておりますが、県民の信頼回復に向けて今後どのように綱紀粛正を図っていくのか、本部長の決意と具体的な対応策について伺います。
 昨年の本県の交通事故死亡者は、前年比9人減少し、死者は93人と100人を下回っておりますが、人口10万人当たりの死者数は4.14人と全国平均の2.54人を大きく上回り、全国39位と非常に悪い状況にあります。
 高齢者の死者数は、前年比で2人減少しておりますが、67人が亡くなっており、全国平均を大きく超えております。
 加えて、高齢者が加害者となった事故が全体の40.9%を占め、前年比14人増加しており、本県における交通事故は被害者、加害者ともに高齢者が多く、重要な課題であると認識をしております。
 高齢者の死亡事故防止に当たっては、先進的な安全対策が施された自動車など、技術面の進歩で運転者をサポートすることも重要なことでありますが、まずは道路環境を整備し、歩行者を保護する施策の推進が最も必要なことと確信しておりますが、本部長の見解を伺います。
 また、当然のことながら、前提条件として、ドライバーに歩行者優先のマナーを徹底させるとともに、高齢者を保護するという意識を強く理解させる必要があります。
 政府は、横断歩道における歩行者優先の徹底化を推進しておりますが、残念ながら横断歩道に歩行者がいても止まらないドライバーが大多数であり、ドライバーに対して歩行者優先のマナーの徹底化を図らなければなりませんが、一朝一夕にこのマナーが浸透するとは考え難く、相当な時間がかかるものと危惧をいたしております。
 歩行者の安全を確保するためには、やはり信号機の設置に勝るものはないと確信をいたしているところでありますが、信号機設置による交通事故抑止力についての本部長の見解を伺います。
 県民の負託を得た我々県会議員は、地域住民から信号機設置の要望を強く受けております。
 県警の新年度予算案における信号機の設置数は、昨年の49基から大激減をし、15基となっておりますが、地域住民からの要望は決して減ったわけではなく、各警察署へは150基近い149基の設置要望がなされているものと聞いております。
 行財政改革で予算枠10%シーリングは理解しておりますが、県民の安全と安心を守ることが最大の責務である警察において、命を守るため地域から要望の多くある信号機設置について、昨年から70%も削減する予算案を示したことについては、大変理解し難いものがあります。
 県警は、県民の命を交通事故から守るために、どのように守るのでしょうか。交通事故の現状を鑑みるに大きな疑問を持つものでありますが、県警本部長の所見を伺いたいと思います。
 過去に、ある県警本部長は、県民に対して、姿の見える警察官を目指し、勤務交代時間の運用により、朝の出勤や登校時間帯に合わせて制服警官を交差点に配置し、交通マナーの徹底や事故防止を目指した施策を推進されたことを記憶いたしております。
 報道によれば、昨年、交通死亡事故ゼロの警察署が3署ありますが、いずれも警察官が姿を見せることで地域住民への意識づけをしたことが肝要とされており、かつての本部長が行った交通安全の確保に向けて、警察官の姿が見える施策の有効性が実証されたものと理解しておりますが、本部長の所見を伺います。
 新年度予算案に、生活道路におけるスピード違反の取締りを目的とする可搬式オービスの予算が計上されており、スピード違反を取り締まることで事故の抑止効果が発揮されるというふうにされておりますが、疑問を感じております。
 朝寝坊をして研修に遅刻しそうになり、公用車で高速道路を175キロで飛ばし、オービスに取り締まられた警察官もおり、オービスにそれほどの抑止力があるとは思えません。
 可搬式オービスは、隠れてこそこそ取り締まり、県民に大変評判の悪いねずみ取りと同様であり、事故抑止の観点から見れば、制服警官が姿を見せるほうが、よほど抑止力があるものと考えておりますが、本部長の所見を伺います。
 交通事故から県民の命を守るため、大きな効果が期待できる交通信号機の設置を、地域の住民は強く望んでおります。
 地域住民からの要望が強い信号機設置がなされないのであれば、かつての本部長が行ったような制服警官を交差点等に配置し、事故発生の抑止力効果の発揮とともに、速度規制などの安全確保に向けた規制の強化や取締り強化など、あらゆる手段を駆使しなければ事故防止は難しいのではないかというふうに考えておりますが、交通事故撲滅に向けて具体的な対策をどのように推進されるのか、本部長の所見を伺います。
 平成27年に警察庁が交通信号機設置に係る指針を示しており、交通量が最大になる1時間当たりの交通量300台以上、隣接する信号機との距離が原則150メートル以上など幾つかの条件が示され、条件を満たさない信号機は撤去を検討するよう求められていると聞いております。
 報道によれば、中国地方の警察において実際に撤去がなされているとのことでありますが、本県においては、該当する信号機がないのか本部長に伺うとともに、該当する信号機に対する今後の対応について伺います。
 そもそも信号機の設置基準が、全国一律、画一的な基準で決められていること自体が、大変不可思議に私は思っております。
 全国各地域では、様々な状況下で信号機の設置が求められており、本県のような豪雪地帯などにあっては、東京、警察庁の基準では計り知れない状況があります。
 行財政改革の中で効率的な予算執行を図ることに異論はありませんが、本部長の使命は県民の生命と財産を守ることであります。
 我が党31名の議員は、多くの県民から負託を受けており、県民の安全と安心の確保を第一義とする使命を有しております。
 地域住民が要望した150基近い149基の信号機が15基になったのは、本部長の財政ありきの意向が先行し、決められたのではないかと疑念を持っております。
 新年度予算において、およそ150基近い信号機設置への要望がなぜ15基になったのか、その理由について、納得できる明快な回答を期待するものでありますが、本年度予算における信号機設置に係る根拠について本部長の明快な所見を伺い、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔知事花角英世君登壇〕

P.28 ◎答弁 知事(花角英世君)

◎知事(花角英世君) 小野議員の代表質問にお答えします。
 まず初めに、新型コロナウイルス感染症への対応と体制整備についてでありますが、議員御指摘のとおり、初動対応は極めて重要であり、県では、国内での感染が確認された先月半ば以降、県ホームページ等による正確な情報の提供に加え、湖北省等からの帰国者や感染者と接触歴がある方を対象とした相談窓口を保健所等に設置し、診療可能な医療機関につなぐ体制を整備するとともに、危機管理監を本部長とする警戒本部を設置し対応してきているところです。
 引き続き、感染の広がりを注視しながら、これらの対策を推進するとともに、万が一、県内で感染が拡大した場合を想定し、医療体制の拡大等について関係機関と協議を重ねているところです。
 なお、県内で患者が確認された場合などには、現行の警戒本部を私が本部長となる対策本部に格上げし、全庁を挙げて対応するとともに、感染拡大の防止のため、積極的疫学調査や濃厚接触者の健康観察等の対策を徹底してまいります。
 今後も、国と緊密に連携を図りながら、万全な対応に努めてまいります。
 次に、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う本県の対応についてでありますが、本県においても、中国政府による団体旅行の停止措置に伴うキャンセルが、一部の宿泊施設に出ているところであり、中国に進出している企業や取引先がある企業については、現地工場の操業停止や仕入れ商品等の納期遅延など、事業活動に広範な影響が出ています。
 今後、事態の長期化に伴い、業績や資金繰りの悪化なども懸念されます。
 国においては、新型コロナウイルスの感染拡大による地域経済への影響を最小限に抑えるため、先般、中小企業の資金繰り対策や、雇用調整助成金の支給要件の緩和などの緊急対策を取りまとめたところです。
 県といたしましては、中小企業金融相談窓口において資金相談に応じる体制を整えているところであり、引き続き、県内経済の状況把握に努めるとともに、このたび国が実施する信用保証も活用するなどセーフティーネット対策に万全を期してまいります。
 次に、このたびの地方財政計画についてでありますが、一般財源総額において前年度を上回る額が確保されたことは、地方全体の安定的な財政運営に寄与するものと受け止めております。
 特に、地方法人課税の偏在是正措置による財源を活用して、地方団体が地域社会の維持・再生に取り組むための地域社会再生事業費が創設され、全国平均を上回って人口が減少している団体等へ割増しして配分されることや、県が単独で行う道路防災事業等が交付税措置率の高い特別な地方債の対象となったことは、国への積極的な働きかけにより、本県の要望に沿った制度改正が実現したものであると認識しており、今後の持続可能な財政運営の実現に向けた取組に生かしてまいりたいと考えております。
 次に、事前防災についてでありますが、自然災害から県民の命と暮らしを守り、深刻な被害を回避するためには、事前防災対策の強化が必要であると考えております。
 そのため新年度予算編成においては、国の3か年緊急対策等、地方財政措置の手厚い有利な財源を活用しながら将来の実負担を抑制しつつ防災・減災対策に必要な事業費を確保したところであり、治水・土砂災害対策など事前防災対策を着実に実施してまいります。
 次に、新年度予算案の編成方針についてでありますが、厳しい財政状況の中でも、県民の安全・安心の最優先での確保や、挑戦する人や企業が次々と生まれ、集まる環境のさらなる整備といった本県の活力を創出するための取組を積極的に展開するなど、住んでよし、訪れてよしの新潟県の実現に向け、創意工夫を凝らしながら予算編成を行ったところです。
 また、令和2年度当初予算は、行財政改革行動計画を策定して初めての予算となることから、予算編成に当たって歳出歳入の着実な見直しを行い、国庫補助金の活用等により本県の活力低下をできるだけ避けつつ、収支改善に取り組んだ結果、前年度当初予算から129億円の収支改善を図ることができたところであり、持続可能な財政運営に向けて第一歩を踏み出すことができたのではないかと考えております。
 次に、県単独補助金の見直しについてでありますが、県単独補助金については、本県の財政状況を踏まえた補助水準、市町村・民間等との適切な役割分担や事業目的に対する補助金の効果検証などの観点から、市町村や関係団体等と意思疎通を図りながら、見直しを行いました。
 その上で、単なる行政サービスの低下にならないよう、国の制度の活用をはじめとした前向きな創意工夫をしつつ、県民生活への影響にも最大限配慮したところです。
 次に、新潟空港を拠点とするLCC構想についてでありますが、議員御指摘のとおり、この構想は、県民にとっても夢のある話であり、大変関心を持っております。航空会社が設立され、事業が展開されれば、新潟空港の利用拡大につながるとともに、新潟空港の活性化や拠点化の推進、さらには地域経済の活性化にもつながるものと期待しております。
 一方で、資本金の確保や航空機の運航体制の確立など、課題があるものと認識しておりますが、県といたしましては、地元経済界と連携しつつ、構想の熟度に応じて最大限の対応をしてまいりたいと考えております。
 次に、当初予算案における県勢発展に向けた施策についてでありますが、活力のある新潟の実現に向け、新年度は、挑戦する人や企業が次々と生まれ、集まる環境の整備に、一段と力を注いでまいります。
 具体的には、機能を強化して全県で展開するスタートアップ拠点を核として、起業・創業を推進してまいります。
 また、新たに、地域経済を牽引する中核企業や販売額1億円を目指す園芸産地の伴走型での成長促進、本県が強みを有する防災関連産業の集積、5Gなど先端技術の活用促進に取り組むことにより、付加価値の高い成長産業の創出・育成を図ります。
 さらに、IT関連産業の誘致や人材育成支援に重点的に取り組むことにより、魅力のある良質な働く場を確保し、若者の県内定着とU・Iターンの促進につなげてまいります。
 こうした本県産業の発展につながる施策を当初予算案に盛り込んだところであり、しっかりと成果に結びつくよう、着実にそれぞれの取組を進めてまいります。
 次に、新年度予算案の評価と令和6年度以降の行財政改革の在り方についてでありますが、令和2年度当初予算案においては、歳出歳入改革の取組により、前年度に比べ129億円の収支改善を行った結果、令和5年度末の基金残高は、最低限の目標とした230億円の確保を達成し、また、基金の枯渇も令和7年度以降に先送りされる見込みとなっております。
 しかしながら、依然として収支均衡には至っておらず、令和6年度には職員給与の臨時的削減の終了と公債費の実負担の増加などにより160億円の収支不足が見込まれております。
 そのため、今回実施した取組の深掘りも含め、令和6年度までの間に、さらに徹底して行財政改革に取り組む必要があり、令和3年度予算編成フレームの中でさらなる取組について具体化していきたいと考えております。
 次に、公債費負担適正化計画の計画期間についてでありますが、県債発行に当たり国の許可が必要となる実質公債費比率が18%を超える状態はできるだけ早く解消する必要があります。
 一方、激甚化・頻発化する自然災害から県民の安全・安心を守るための防災・減災対策を着実に進めていく必要があること、現時点での投資的経費の水準は他県と比較しても特別に高いものではないこと、また、急激な事業量の削減は県民生活に過度な影響を及ぼすおそれがあることを踏まえ、令和20年度に実質公債費比率を18%以下とすることを目標としたものであります。
 次に、将来推計の更新についてでありますが、行財政改革行動計画の中期財政収支見通しや実質公債費比率の将来推計の更新時には、経済成長率・金利などのデータや試算の考え方を、議会を含め県民の皆様に丁寧に説明し、意見をお聞きしていくことにより、恣意的なものにならないよう取り組んでまいります。
 なお、4月から導入する内部統制制度では、こうした事務処理の適正性・透明性を確保するため、過去の不祥事の事例等を踏まえて、業務執行や情報発信などにおけるリスク回避のためのチェックポイントを明示し、点検することとしており、これにより組織としてリスクの回避や低減に取り組む環境を整えてまいりたいと考えております。
 次に、一般職員の給与削減についてでありますが、今回の給与の臨時的削減は、本県の厳しい財政状況を踏まえ、この難局を乗り越えるため、緊急避難的な措置として協力をお願いしたものです。
 給与削減を実施せざるを得なくなったことについては、職員の生活に与える影響を考えると大変心苦しく、職員からの協力を得られたことに感謝しております。
 できるだけ早期に持続可能な財政運営を確立できるよう、今後とも歳出歳入改革に全力で取り組んでまいります。
 次に、県職員OBによる財政協力についてでありますが、一般職員の給与の臨時的削減の実施により、当面、一定の収支改善を図ることができますが、それでもなお収支均衡には至らず県財政は厳しい状況です。
 また、県を退職した一部の方から協力したいとの声も頂いているところです。
 行財政改革行動計画の趣旨に賛同していただき、寄附などにより協力をいただけるのであれば大変ありがたいと考えており、現在、どのような対応ができるか検討を進めているところです。
 次に、公共工事の入札制度見直しについてでありますが、現行の最低制限価格は、議員御指摘のとおり、公共工事の品質確保の促進に関する法律、いわゆる品確法に基づき、過度な価格競争に伴う工事の品質低下を防止するとともに、厳しい経営環境にある建設企業が適正な利益を確保し、中長期的に安定経営を維持できるよう設定したものであります。
 一方で、入札制度の見直しに当たっては、競争性、公正性、透明性確保の視点も必要であることから、そうした様々な観点からのバランスが取れた制度となるよう、外部有識者にも意見を伺った上で検討を進めてまいります。
 次に、医師確保についてでありますが、県では、これまで様々な取組により医師の確保に全力で取り組んできたところですが、県の努力のみでは限界があり、国でなければできないことが多くあると考えております。
 医師確保のためには、臨床研修医の都市部への集中を是正する対策など、抜本的な制度改革が必要と考えております。
 県といたしましては、共通の危機感を持つ県が連携することが重要と考え、このたび、岩手県等と共に知事の会を発足させたところであり、趣旨に賛同する県も広がってきていることから、こうした力を十分に活用し、実効性のある大胆な制度改革の実現に向けて、国に対し、強力に働きかけてまいります。
 次に、公的医療機関等を含めた医療提供体制のあるべき姿についてでありますが、人口減少や医師不足など医療環境の変化に対応し、県民が安心して安全に暮らせる県づくりを進めていくためには、持続可能な医療提供体制を確保していくことが何よりも重要であります。
 今後は、医師の働き方改革の実施等もあり、二次医療圏内で全ての医療を完結することは難しくなっていくことも懸念されることから、限られた医療資源の一定程度の集約化も視野に入れながら、二次医療圏をまたいだ、または全県的な視点を加味した医療提供体制も検討していく必要があるものと考えております。
 県といたしましては、県議会での御議論や県全体の動きを踏まえ、地域医療構想調整会議での議論をはじめ、今後の医療機能の調整において、議論が進むようリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。
 次に、公的病院に対する評価等についてでありますが、公的病院は、救急医療や僻地医療等、公益性の高い医療サービスを積極的に担っており、地域医療を確保する上で、その果たす役割は大きいものと認識しております。
 このたびの国の地方財政措置の見直しにつきましては、地域医療構想のさらなる推進に向け、中核的な公立病院等の経営基盤を強化する目的であると聞いており、公立病院等に期待されている救急や災害等の医療機能の確保に一定の効果があるものと考えております。
 しかしながら、制度の詳細については、現在、国において検討中とのことであることから、県といたしましては、今後国の動向を見極めた上で、対応方策を検討してまいりたいと考えております。
 次に、県央基幹病院の整備についてでありますが、議員御指摘のとおり、県央医療圏は他圏域と比べ、圏域外への救急搬送が顕著であるなど救急医療提供体制が課題であり、県央基幹病院の早期開院が求められていると認識しております。
 県といたしましては、県地域医療構想調整会議の結果を踏まえ、県央基幹病院の病床規模を400床とするとともに、開院スケジュールも考慮して、基本的に現設計を生かしながら整備を進めてまいりたいと考えております。
 また、病床規模を450床から400床に見直したことにより、空きスペースが生じる可能性もあることから、地元市町村と共に有効な活用方法を検討することとしており、設計変更も可能な限り軽微な変更にとどめ、できるだけ早期に建設事業に着手できるよう進めてまいりたいと考えております。
 次に、小児医療機能強化基金の使途についてでありますが、本基金は、今年度に入り、県内企業から医療・福祉に役立ててほしいとして寄附金を受領したことを受け、小児医療の機能の強化のために将来に向かって活用できるよう、本寄附金を財源として設置するものです。
 県といたしましては、本県の小児医療における医療水準の向上や、人材の確保・育成等につながる用途に本基金を充てることを想定しており、昨年6月に設置した小児医療あり方検討会の検討結果も踏まえ、どのように活用するか決めていきたいと考えております。
 次に、小児専門医療施設設置の具体化に向けた進捗状況等についてでありますが、昨年6月に設置した小児医療あり方検討会においては、医療資源の集約化や、本県にない小児集中治療機能の必要性等について、活発な議論が行われてきたところです。
 しかしながら、秋に実施した小児患者の受療動向に関する調査等を踏まえた、さらなる検討が必要とされているほか、公立・公的病院に関する国の再検証要請など大きな動きもあることから、新年度も引き続き議論を深めていく必要があると考えております。
 このため、県といたしましては、検討会開催費等、必要な経費を新年度予算案に計上したところです。
 次に、鳥獣被害対策支援センターについてでありますが、増加する野生鳥獣による人身被害や農作物被害の拡大を防止することを目的に、これまでの対策別の組織体制を一元化し、野生鳥獣対策の専任部署として設置するものです。
 今後、野生鳥獣の被害防止対策の推進に当たっては、鳥獣被害対策支援センターが中心的な役割を担い、これまでの対症療法だけでなく、中長期的な方針の下での捕獲強化や人材育成などの取組も進めるとともに、地域振興局と市町村等関係者で構成される鳥獣被害対策チームの実働を後押しすることで、関係者と共に総力を挙げて被害対策に取り組み、県民の安全・安心を確保してまいります。
 次に、小泉原子力防災担当大臣の要請に対する受け止め等についてでありますが、このたびの小泉大臣の要請は、議員御指摘のとおり、事前に自治体と十分な調整がない中で発表され、私としても唐突に感じたことから、国に改めて確認したところです。
 その結果、UPZ内の住民に対する安定ヨウ素剤の事前配布は、避難の際に学校や公民館等の配布場所で受け取ることが困難で、事前配布によって避難等が一層円滑になると想定される地域の住民に限られるとのことであり、従来の考え方から大きく踏み出した内容ではないものと認識しております。
 県といたしましては、UPZ内の全ての住民に対して、基本的に事前配布することが望ましいものと考えており、従前からその実現に向けたスムーズな配布方法の検討を国に働きかけてきたところですが、今後も引き続き、関係する道府県と連携して、国に対して強く要望してまいります。
   〔総務管理部長佐久間寛道君登壇〕

P.33 ◎答弁 総務管理部長(佐久間寛道君)

◎総務管理部長(佐久間寛道君) お答えいたします。
 実質公債費比率の将来推計における金利の設定についてでありますが、令和20年度までの長期にわたって確度の高い金利推計を行うことは技術的に困難であることや、不確定な金利推計値による過度な影響を排除する必要があることから、中期財政収支見通しの最終年度である令和6年度以降の実質公債費比率の将来推計に当たっては、最終年度の金利水準で行うこととし、その上で、足元の金利水準を適切に反映させるため、毎年度、将来推計を更新していくこととしたものです。
   〔農林水産部長山田治之君登壇〕

P.33 ◎答弁 農林水産部長(山田治之君)

◎農林水産部長(山田治之君) お答えいたします。
 新年度予算編成における新潟米の高温障害への対応についてでありますが、新潟米の品質向上に向け、現在、各地域で用水事情に応じた水管理等の事前検討を進めており、今後さらに、水稲栽培指針等の見直しを行うとともに、フェーン時の技術情報を新たに発信するなど、緊急時の農業者への情報提供を強化してまいります。
 また、品質向上に係る実証圃の設置に加え、高温障害によるリスクを分散するため、加工用米などの非主食用米、大豆等の生産拡大の支援や、異常気象に対応した栽培技術の研究開発、高温に強い品種の育成などについて、新年度予算案として本議会にお諮りしているところです。
   〔農地部長緒方和之君登壇〕

P.34 ◎答弁 農地部長(緒方和之君)

◎農地部長(緒方和之君) お答えします。
 今年の少雪に伴う農業用水の対応についてでありますが、過去30年間の少雪年においては、春先の降雨で田植等に支障がない年もあるものの、今冬は記録的な少雪のため、水不足となることを懸念しております。
 このため、県では、先般、少雪に伴う営農対策等情報連絡会議を開催し、ため池の早期貯水開始や漏水箇所の点検・補修などの事前対応及び輪番取水や排水の反復利用等の節水対応など、地域の実情に応じた対応策を土地改良区等と検討し、農家へ周知を図ることとしたところです。
 今後とも、気象情報や、ダム・ため池の貯水状況など地域の状況を注視しながら、水不足による大きな影響が生じないよう、農家への技術対策情報の提供を行うとともに、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
   〔教育長稲荷善之君登壇〕

P.34 ◎答弁 教育長(稲荷善之君)

◎教育長(稲荷善之君) 5点についてお答えいたします。
 ICT環境の整備に関する国の補正予算への対応についてでありますが、ICTを適切かつ主体的・積極的に活用できる児童生徒の育成と学力の向上を図るため、国の補正予算を活用して、県立学校で無線LANの整備を行うとともに、中等教育学校・特別支援学校の義務教育課程で学習用端末の整備を行いたいと考えております。
 また、高等学校における学習用端末については、3人に1台の割合で整備するために必要な経費について地方財政措置が講じられていることを踏まえて、先行する導入校での教育効果を検証した上で、整備の進め方を検討してまいります。
 次に、プログラミング教育への対応についてでありますが、プログラミング教育は、コンピューターを使用する学習を含め、各教科等の特質に応じて論理的思考力を育成するものであり、まずは、教員の資質向上を図ることが大切であると認識しております。
 このため、県教育委員会といたしましては、平成29年度より教育課程研究会を開催し、新学習指導要領の各教科における論理的思考力を育成する指導の在り方について、教員の理解を深めてまいりました。
 また、理科、算数等のコンピューターを使用する授業の充実のため、昨年度より小学校プログラミング教育推進講座を実施するとともに、今年度末には、教員向けの指導書を作成し、小学校への支援に努めてまいります。
 次に、ICT環境整備に係る外部人材についてでありますが、専門的知識を持った外部人材については、国の教育のICT化に向けた環境整備5か年計画により、ICT支援員の配置について地方財政措置が講じられており、県内では、現在15市町村が配置していると承知しております。
 県教育委員会といたしましては、各学校にICT機器の管理やセキュリティーに関する情報提供に努めるとともに、国の5か年計画が目標としている4校に1人のICT支援員の配置が実現できるよう、市町村に働きかけてまいります。
 また、県立学校については、今後のICT環境整備の進捗状況を踏まえ、ICT支援員の配置を検討してまいります。
 次に、電子黒板の整備についてでありますが、議員御指摘のとおり、生徒の学習用端末と電子黒板を組み合わせて使用することで、デジタル教材の活用による授業の効率化が進むとともに、生徒は互いの見方や考え方を視覚的に共有することにより、議論が深まるものと認識しております。こうした対話的、協働的な学びの実現により、これからの時代に必要な思考力や表現力を一層高めることが可能になるものと考えております。
 学習用端末と電子黒板を組み合わせた使用は、Wi?Fi環境の整備が前提となることから、新年度は、国の補助期間が令和2年度までとなっているWi?Fi環境整備を優先的に行うこととしており、電子黒板の整備については、導入校での活用の実態や方法を踏まえ、学習用端末整備の進め方と併せて検討してまいります。
 次に、少人数学級の拡大についてでありますが、全国学力・学習状況調査等の結果から、小学校3・4年生については、学習、社会性育成の両面で、小規模の集団で指導することが効果的であること、また、令和2年度から3・4年生に導入される外国語活動で、よりきめ細かな指導が必要であることから、3・4年生で35人以下学級の完全実施を行うことといたしました。
 特に3・4年生は、1・2年生と比べ、心身の成長に伴い自立心を育成する必要があることから、1・2年生の32人以下ではなく、35人以下学級としたところです。
 なお、小学校5・6年生及び中学生については、一定規模以上の集団が社会性育成の面で効果的であるという検証結果を踏まえ、国の教職員定数措置の動向を注視しながら、少人数学級の在り方を引き続き検討することとしております。
   〔警察本部長花岡和道君登壇〕

P.35 ◎答弁 警察本部長(花岡和道君)

◎警察本部長(花岡和道君) それでは、お答えいたします。
 まず、職員の非違事案に関する所見についてでありますが、発生した事案に対しましては、捜査・調査を尽くし、明らかになった事実に即して厳正な対応を行っているところでありますが、警察職員は間違いを犯すことはあってはならないという、県民の皆様の信頼を損なったことについて、大変重く受け止めております。
 今後も、県警察一丸となって非違事案の防止に取り組むとともに、警察職員一人一人が、治安維持について県民の負託を受けていることを改めて認識し、仕事で成果を上げ、県民の期待と信頼に応えていく所存であります。
 なお、昨年7月の免職事案を非公表としておりましたのは、被害者のプライバシーに配慮したものでございまして、身内に対する対応の甘さというものではございません。警察職員にかかわらず、この種の事案については、被害者保護を最優先に対応すべきものと考えております。
 次に、県民の信頼回復に向けた決意と具体的な対応策についてでありますが、警察が県民の皆様の安全・安心を確保する責務を果たすためには、警察が県民に信頼される存在であり続けることが必要不可欠であると考えております。
 非違事案に至った要因といたしましては、警察職員としての職責や倫理観の欠如、基本原則の逸脱などが認められることから、改めて職務倫理教養の充実、身上把握・身上指導の強化、実効ある業務管理を図るとともに、全職員が非違事案防止に取り組むという意識改革を一層推進し、再発防止に努めてまいります。
 次に、高齢者を含めた歩行者を保護する施策の推進についてでありますが、議員御指摘のとおり、道路環境の整備による歩行者を保護する施策は重要であると考えておりますが、道路環境の整備のみでは歩行者の保護は図れないことから、あらゆる対策を総合的に推進する必要があります。
 また、高齢者への対策としては、被害軽減ブレーキ等を搭載した安全運転サポート車の普及啓発をはじめ、歩行者事故を防止するため、運転者に対して歩行者保護意識の徹底を図るとともに、歩行者側の横断時のルール遵守も重要であると認識しております。
 県警察といたしましては、重大事故につながる横断歩行者妨害違反の指導取締りや各種講習会を通じた交通安全教育、歩行者保護意識を高める広報啓発活動を推進するほか、道路管理者と連携した道路環境の整備を推進し、歩行者の交通事故防止に努めてまいります。
 次に、信号機設置による交通事故抑止力についてでありますが、信号機は交差点または横断歩道において交通を時間的に分離し交通整理を行うことで、交通流の交錯による交通事故を未然に防止することができ、交通事故防止に大きな効果があると考えております。
 しかし、信号機の設置が適切でない場合は、信号無視を誘発し、重大事故の発生が懸念されるほか、自動車等を不要に停止させ無用な信号待ちを強いるなど、交通の安全と円滑に支障を及ぼすおそれがあります。
 このため、信号機の設置に当たっては、交通量、交通事故の発生状況等を調査・分析し、警察庁が示す信号機設置の指針を踏まえ、真に必要性の高い場所を選定して設置することが必要と考えております。
 なお、令和元年中の県内の人身交通事故の約2割が、信号機設置の交差点で発生しておりますので、県警察といたしましては、信号機設置のみならず、交通指導取締りや交通安全教育、広報啓発活動を推進し、総合的な交通事故防止対策を図ってまいります。
 次に、県民の命を交通事故からどのように守るかについてでありますが、県警察では、県民の命を交通事故から守るため、これまで信号機をはじめとする多くの交通安全施設を整備してきたほか、悪質・危険な交通違反の取締りや交通安全教育など、交通事故防止対策を総合的に推進してきたところであります。
 一方で、交通安全施設の老朽化が進んでおり、それらを適切に維持管理していくことも、県民の命を守るために重要なことであると認識しております。県警察といたしましては、引き続き、限られた予算を適切に配分し、信号機の新設を含めた総合的な交通事故防止対策を推進していく所存であります。
 なお、信号機の基数ですが、昨年は49基でしたが、本年は必要な信号機を精査した結果、15基となったものであります。
 次に、警察官の姿を見せる施策の有効性についてでありますが、警察官が姿を見せる活動は現在も行っており、犯罪抑止と交通事故防止に一定の効果があるものと認識しております。
 県内の各警察署では、警察官が姿を見せる活動に加え、その活動が効果的となるよう、より高度な交通事故分析を行い、その結果に基づいた的確な指導取締りをはじめとする街頭活動や交通安全教育などの諸対策を推進しております。
 昨年交通死亡事故の発生がなかった警察署でも、地域の事故特徴を踏まえた指導取締りやきめ細かな交通安全教育などの諸対策を推進し、交通死亡事故抑止につなげたものと認識しております。
 なお、県全体の交通事故死者数は、直近の3年間の平均では93.3人であり、10年前の平成22年の126人から30人以上減少しておりまして、総合的な対策の効果が現れていると考えております。
 県警察では、引き続き、警察官の姿を見せる活動に加え、交通事故の分析に基づいた総合的な対策を推進してまいります。
 次に、制服警察官の姿を見せることによる抑止力についてでありますが、議員御指摘のとおり、制服警察官の姿を見せる活動は、交通事故抑止に一定の効果があると認識しており、県警察といたしましては、限られた警察官のマンパワーを活用し、警察官を街頭に出して交通事故抑止を推進しております。
 そのような中、平成24年4月には、京都府亀岡市において登校中の児童らの列に自動車が突っ込み、3人が死亡、7人が重軽傷を負う交通事故が発生するなど、これまで全国的に生活道路や通学路において重大交通事故が発生しており、本県においても同様の事故の発生が懸念されております。
 こうした重大事故を防ぐには、街頭に警察官の姿を見せる活動のほか、交通取締りによる車両の速度抑制も必要であると考えております。
 御指摘の可搬式オービスは、少人数で運用が可能であり、取締りスペースの制限も受けにくいことから、従来の速度取締り機器では対応が困難であった場所における取締りに活用することができます。
 警察庁の調査では、可搬式オービス等での取締り運用後、通過車両の実勢速度が低下したとの結果が示されており、生活道路や通学路において速度抑制に効果が期待できるものと承知しております。
 県警察といたしましては、制服警察官の姿を見せる活動と併せ、可搬式オービスを導入した取締りを行うことにより、生活道路や通学路等における速度を抑制して、亀岡市における悲惨な事故のような重大な交通事故の抑止を図り、通学路等での悪質・危険な運転行為を抑止してほしいという県民の大きな要望に応えてまいりたいと考えております。
 次に、交通事故抑止に向けた推進施策についてでありますが、交通事故の抑止に当たりましては、信号機の設置などの安全施設の整備、交通指導取締りや交通安全教育など総合的な対策を推進する必要があると考えております。
 県警察といたしましては、交通事故の発生時間や場所などの発生実態に加えて、運転者や歩行者が交通事故に至るまでの行動など、的確な交通事故分析を行い、その結果に基づいた交通指導取締り、交通安全教育、交通安全施設の整備等の諸対策や、県民の交通安全意識を高めるための広報啓発活動など総合的な交通事故抑止対策を推進してまいります。
 なお、県民から設置の要望がある信号機につきましては、その必要性等を検討した上で、真に必要と認められる箇所には設置することとしております。
 次に、設置の条件を満たさない信号機についてでありますが、従来から設置後、長期間が経過し、当初の設置目的や周辺の交通環境の変化等により、交通量が減少したり、利用頻度が低下した信号機、具体的には、小中学校の統廃合に伴う通学路の変更による横断歩行者が減少したもの、大型商業施設等の移転により交通量が減少したもの等について撤去を検討してきたところであります。
 また、現在、警察庁からの指示を受け、県内全ての信号機について、信号機設置の指針を踏まえて、設置の必要性を再点検しているところであります。
 その結果、必要性が低下したと認められるものについては、今後、信号機に代わる安全対策が可能かどうかを考慮した上で撤去も検討することとしております。
 次に、新年度予算案における信号機設置に係る根拠についてでありますが、これは、地域住民等から信号機設置の要望がありました149か所について、警察庁から示されている信号機設置の指針を踏まえ、各警察署や警察本部で実地精査した結果、交通量等が指針に該当しないものや歩行者の滞留場所が確保できない等道路の構造的に設置が困難であるなど、現時点で信号機の設置が困難と認められた134か所を除き、残りの15か所全てについて信号機を設置することとしたものであります。
 しかしながら、今後、特定の交差点で交通事故が多発した、または、大規模施設の建設計画等で交通流の変化が予想されるなどの交通環境の変化があった場合には、その時点で信号機の設置が可能か検討してまいります。
 なお、財政ありきとの御指摘でありますが、事信号機に関しましては、現時点で設置可能な15か所全てに設置することといたしておりますので、財政ありきというものではございません。
   〔小野峯生君登壇〕

P.38 ◆質問 小野峯生君

◆小野峯生君 警察本部長に何点か再質問させていただきたいと思います。
 警察庁が示した指針によって、今つけることができる信号機の数を精査したということでありますが、まず第1点は、県警察から各警察署へは基準を示して、上げてこいということだろうと思っています。警察庁の基準に照らして。この基準は、各警察署における考え方と皆さん方の県警の考え方と一致しているはずなのですが、何でその149基が33基になったと。各警察署が必要だと認めて、本庁の皆さん方に上げてきた基数が33基であります。そこまでは精査して、皆さん方同じ考えの中で精査して上げてきたものと私は理解しています。皆さん方もそういう理解なのだろうと思いますが、それがさらに皆さん方がいろいろ示した結果が15基。これはなかなか、一緒の基準でやってきたものが、皆さん方、統一性が取れていないというふうにも思われるわけですが、この点について、減った理由等々について、まずは伺いたいと思います。
 そして警察庁が定めた基準。5つの基準が指針に示されておりますが、その中には、交通量が1時間300台以上という要件を満たしていることが要件になっております。これは間違いないと思いますが、そういった中で、これを盾にされたのでは、私が知る限り、私どもの地域では、1時間に300台以上の要件が満たされるところ、信号機が現在ついているところも含めて、よほどのところでなければ、ないのです。ということは、その指針に準拠すれば、少なくとも村上管内は今年1基認めているところがあるのですが、そこは病院ができたりするところで、これは300台確保できるかもしれません。そのほかの通学路とか、そういうふうなところ。今、私の家のそばの通学路にある信号機。それと日東道へのアクセス道路として、数年前につけていただいたのですが、そんなところは300台なんてまるでありません。ですから、実際的にそういうところを、いわゆる我が県の実情に照らして、各県の状況に照らして、豪雪地だとか、そういうふうなものも照らして、新潟県の、あるいは各地域の安全を保てるのか。こういうことの中で、信号機の数というものは精査していくべきだと、考えていくべきだと思いますが、あくまでも警察庁の言いなりになった数値だと。皆さん方がそうして、それ以上は今年は絶対無理だと言っているのですが、その辺のところについて伺いたいと思います。
 そして、もう一点でありますが、その信号機の撤去についてであります。これは、あちこちで、今、問題になっておりますが、特に広島辺りは非常に問題化している。これも警察庁の指針に基づいて、要らなくなったものは撤去する。そういった中で、今ほど申し上げました通学路等々の中で、それぞれの地域の実情があるわけであります。今、我が県では、私が知り得る限りでは、旧白根市が撤去の対象になって、今、盛んにやり取りしているということであります。これは地域住民の合意をしっかりと得て、撤去すること、これが条件だと私は思っているのです。地域住民との意見交換あるいは折衝の中で合意を得られないものについては、撤去すべきではないというふうに考えておりますが、県警本部長の考えを、さらに15基にした根拠ということで再質問したいと思います。よろしくお願いします。
   〔警察本部長花岡和道君登壇〕

P.38 ◎答弁 警察本部長(花岡和道君)

◎警察本部長(花岡和道君) それでは、再質問にお答えをしたいと思います。
 まず、署と本部の判断の違いということであったかと思いますが、信号機の設置に関しましては、御指摘ありましたとおり、警察庁から示されました信号機設置の指針を踏まえて検討しているわけでありますが、警察署から要望があった箇所について、さらに警察本部で専門的な知識に基づく精査により、設置が困難と判断したということでこざいまして、そのようなことから、警察署の判断と本部の判断の違いが生じたということでございます。
 それと、警察庁の基準ではなく、県の実情に沿った基準で考えないといけないのではないかということであったかと思います。まず、信号機設置の指針の必要性につきましては、やはり全国で一定の基準を示さずに各都道府県で信号機を設置するとなると、それぞれの判断基準で設置することになりますので、交通の安全と円滑に支障を来すおそれがあるということで、全国的な一律の基準というものが必要になるかと思います。例えば、県境を越えて、手前の県と隣の県で信号機の設置の基準が大きく異なってしまいますと、その県境を越えたドライバーが非常に混乱を来すものと、そういうふうに考えております。
 しかしながら、議員御指摘のとおり、地域の特性を考えて検討するということも必要であるというふうに考えております。ですから、県警察では、信号機の設置に当たっては、警察庁が示す指針を踏まえた上で、交通量や交通事故の発生状況等を調査・分析し、交通の安全と円滑のために総合的に必要と判断したところに設置しているところでございます。
 それから、3つ目は、信号機を撤去する場合に、住民の合意形成が必要だという御指摘であったかと思います。基本的に信号機の撤去に関しましては、代替できる交通安全対策を検討した上で、地域の皆様に丁寧に説明をした上で、合意の形成を図っているわけでありますが、撤去の合意形成が得られなかったものにつきましては、しばらくの間は存続させるということにしております。
 しかし、信号機を存続させることで交通の安全と円滑に支障を及ぼす場合もあることから、引き続き信号機撤去に向けて御理解が得られるよう丁寧な説明を繰り返し行い、合意の形成を図っております。
   〔小野峯生君登壇〕

P.39 ◆質問 小野峯生君

◆小野峯生君 信号機について、警察庁からの指針に従って、交通量とか全国的な統一を図るべきだというふうなことなのですが、県警本部長は我が県の県警本部長で、我が県の治安をきちっと守るべきであって、そういう意味では、我が県は我が県で交通事故を減らして、安全性を保つことが最重要であるというふうに思っております。そういった中で、信号機の基準は国の指針に従うべきだというのは、これは私は間違いだと思います。警察本部長は、警察庁の会議にも出ることがあると思いますが、本県の実情をきっちりと話をして、そこは柔軟に対応できる、そういう制度をきちっと主張すべきだと思っております。県境を越えたどうのこうのと言いましたけれども、特に私どもの地域は、先ほども申し上げましたとおり、交通量が300台を超えるもの、これを盾にされると、もうつきませんよ、新規。ということについて、15基の根拠にその辺がどのように反映されているのかどうか、再々質問させていただきたいと思います。
 それからもう一つ。信号機の撤去、これについては合意を得るよう努力すると。あまり努力しなくていいのではないですか。それは地域にとって必要なのですからと思います、私は。広島で物すごい今、問題になっているのです、これ。住民からわんわん、わんわん言われて、広島は突っ張っているようですけれども、県によっては、さっき本部長が言ったように先送りするみたいな話があります。隣の県では通学路は対象から外すと。それぞれの県によってばらつきがあるということであります。我が県は、少なくともそれぞれの地域の合意を得るべきだと。そしてこれからも合意をできない場合は残しておくべきだと。そう主張させていただきたいと思います。
 それと、一律に皆さん方がそういう感覚でやっていくのであれば、今度、警察庁から示されているそういう調査。どこを削るかどうかという指針がまた来ているのですが、それについては調査が終わったら、きっちりと県民に、どこどこの場所等全部示して、県民の判断を仰ぐべきだと。議論をすべきだというふうに思いますが、その点について再々質問させていただきます。
   〔警察本部長花岡和道君登壇〕

P.40 ◎答弁 警察本部長(花岡和道君)

◎警察本部長(花岡和道君) それでは、再々質問にお答えしたいと思います。
 まず、1点目の警察庁の指針ではなく、県の考えでやるべきだという御質問であったかと思うのですけれども、警察庁の信号機設置の指針は指針であって、それが全てではないというのは当然のことでありまして、それを当県の実情、ここに設置しようという一つ一つの箇所の実情を見た上で必要性を最終的に判断すると。それは当然のことであるというふうに考えております。
 それから、2点目の信号機を撤去する場合に合意の努力をする必要がない、もう撤去しなくていいのではないかという話だったと思いますけれども、不必要な信号機がそのまま放置される状況になりますと、最初にお話しいたしましたとおり、信号無視の誘発ですとか、そういうような状況から重大事故が発生する可能性があるということでございます。ですから、そうならないように、この信号機をそのまま放置したときに、どういう懸念があるかというところについては、しっかり説明をさせていただいて、その撤去すべき信号機については、合意を得る方向の努力を積み重ねていくことが必要であると。そのように考えております。
 それから、最後、今、警察庁から指示がある撤去の方針について、結果を県民に示すべきだということでありますけれども、どういう形での結果が出るか分かりませんので、現時点で何とも言えないわけでありますけれども、議員の御指摘を十分踏まえて、県民の皆様の御理解が得られるような対応はしっかり行ってまいりたいというふうに思っております。

P.40 ○議長 議長(岩村良一君)

○議長(岩村良一君) 小野峯生君の質問は終わりました。
 暫時休憩いたします。
  午前11時44分 休憩
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  午後1時 開議