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◆小野峯生委員 それでは、私のほうから、せっかく説明を頂いた、今も小山さんからお話がありますが、異常高温と渇水対策について。今、食味等々のほうから話があったのですが、私のほうからは、いわゆる経営のほうに与える影響といいますか、そういうふうなものを中心に、少し、余った時間といいますか、もう少しあるようなので、一言二言、お聞きしたいと思います。
まず、先ほどもどなたかの質問の中で答弁等あり、かなり品質が落ちそうだということです。今日まで、まだ主力であるコシヒカリはこれからなのですが、いわゆる極わせ、わせと言われるもの、刈り取り、だいぶ皆さんがたから早く刈り取れというふうな指導もこれあり、だいぶ、私のほうも進んでいまして、刈り始めると早いですからね、今ね、大規模でやっていますから。それで、今日まで、最新ので、いわゆる品質検査、今ほど言いましたけれども、1等、2等、3等、規格外等々の、どれくらいの割合でどうなっているか、分かりますか。まだほとんどやっていないですか、その辺、今日までの最新の状況について伺いたいと思います。
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◎神部淳農林水産部(技監) 米の農産物検査については、県内の相当の会場で個別に行っております関係で、やはり、県としては、時期時期に区切って検査をまとめている協会から情報を頂いてございまして、今、私の手元にあるのは8月31日現在でございます。検査機関からの聞き取りによりますと、まだコシヒカリは検査ございませんが、わせの主力であるこしいぶきにつきましては、8月31日現在で1等級比率が33パーセント。また、それよりもう少し早いゆきん子舞につきましては、79パーセントという状況であり、こしいぶきにつきましては例年に比べて、やっぱり1等級比率の低下というものが発生をしてございます。また、コシヒカリについては、報道にもございますとおり、ごく一部、初検査とか行われておりますが、状況は非常に厳しいものと受け止めております。
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◆小野峯生委員 そうすると、いぶきが33パーセントで、平年、いぶきって大体90パーセントくらいあるんでしたっけ。
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◎神部淳農林水産部(技監) こしいぶきについては、やはり、デビュー当時は高温に強いという売りだったのですが、昨今の異常高温で、やはり、品質の振れはございます。10年くらいならしますと、こしいぶきについては、やっぱり80パーセント以上くらいが例年並みかなというところです。
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◆小野峯生委員 ゆきん子については79ということですが、これについては、大体、平年と比べてどんな状態ですか。
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◎神部淳農林水産部(技監) ゆきん子舞につきましては暑さに強い品種でございまして、暑い年でも80パーセント以上、9割近い1等級比率を確保した年もございます。それを見ますと、健闘しているというような、この1か月以上続いた高温の中で、健闘しているというのが県の受け止めでございます。
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◆小野峯生委員 それと、この件について、個別のなんですが、新之助についてはこのあとのことになるわけですが、この品種も非常に力を入れてやっているわけですが、いろいろと栽培条件も限定しながら、量も決めながら。それで、ここは、1等米以外は認めないと。いわゆる新之助としては、ブランドとしては認めないのだというふうな厳しい状況でやっているわけでありますが、今年の作付けと、それからこれに対する影響、これ、高温に強いというふうなことで品種開発した品種なのですが、ここの心配というのは皆さん、今現在でどのような状況で、情報を集めていらっしゃって、どのような見込み等々を立てられていますか。
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◎渡部浩農産園芸課長 まず、新之助の生産状況ということで、作付けの面積でございますけれども、4年産で 4,000ヘクタール、そこから今年度につきましてはさらに作付けが拡大しまして、 4,500ヘクタール程度ということになっております。それで、品質の部分につきましては、技監からお願いします。
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◎神部淳農林水産部(技監) 新之助につきましては、現在、まだ未収穫の状況でございますので、実質のものはございませんが、県では、研究機関あるいは地域で生育調査でお借りしているほ場について、収穫適期の1週間くらい前ですね、まだ少し青みが残っている状態で今年の米はどういう状況なのか、そういうことを事前に把握をしてございます。
まず、作物研究センターの事前調査では、新之助の品質につきましては、昨年、令和4年産、非常に好調な年でございましたが、それと同等以上の水準でございます。ただ、それは飽くまでも収穫前にごく一部を抜き取ってみたものであって、全県下それが統一されているかっていうのは確定はできません。県といたしましては、そういう背景も踏まえまして、昨日、新之助を生産している皆さんに、最後の仕上げ、刈り遅れることなく適期に収穫し、かつ、丁寧な乾燥調製を行って、新之助の力を最大限発揮していただけるよう、依頼と申しますか通知をしたところでございます。これから実際に収穫が始まり、検査も進んでまいると思います。県としては、状況をしっかり把握しながら、どのような影響があったのか、あるいはどのような対策が必要なのか、しっかり検討してまいります。
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◆小野峯生委員 新之助については、きっちりとその辺の対策をしっかりと立てながら、ここでまた変なことになりますと、品質低下も含めて、これ、大変なことになると思いますので、きっちりとその辺の対策等、今、現状では平年以上にいいと、そうなってほしいと願うばかりでありますが、しっかりと対応していただきたいと思っていますし、このことについて、非常に、私どものところもいろいろと、県の出先といろいろと、私もちょっとやり取りしているのですが、やっぱりね、大変厳しく見ていますよ。わせでも、刈り取りをやったところともね、相当悪いね、品質落ちるね、ということです。
そうしますと、私、心配するのは、このいわゆる1等米と2等米の差っていうのは60キロ当たり600円くらいですかね、2等と3等がものすごい格差があって、ですよね。規格外はそれなり。なんですが、そうしますと、今、皆さんがたが進めて、いろいろな意味で、大規模経営体が非常に増えているわけですよね。ほとんど、まあまあいろいろ集落営農だったり組織経営体だったりしていると。そういった中で、経営的な影響が非常に、これ今年ね、コシヒカリの出来、あんばい、意外にいいかもしれない、広くはそうなんだけれども、でも、今の状態でも相当厳しくなるというふうな認識で、農家もそうだし、いろいろと携わっている皆さんもそうなんですが、ここの辺はですね、令和元年の話もありますけれども、なかなか県として単独ではなかなか、いわゆるいろいろな意味で制度的なものもありますが、その、いわゆる経営についての支援というもの、なかなか難しい。単独ではね。というふうなことだと、過去の経緯も含めて、だと思いますが、そこら辺は、今、現状で何とも言えないんかもしれないですが、ようすを見ながらだと思いますが、かなりそういうふうに懸念がされる、というふうなことで、そういうふうな準備は進めていっていただきたいというふうには思っているのですが、その点についてはいかがですか。経営に与える影響と、これからの県のいわゆる対応についてですが、伺いたいと思います。
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◎窪田稔博農林水産部長 委員のおっしゃられましたこと、私どももJAグループをはじめ関係機関のかたがたと、あるいは現場の声を振興局から聴く中で、非常に懸念をしてございます。委員おっしゃられるとおり、我々としては、今回の高温・渇水の被害によって、営農継続意欲、あるいは経営発展にとって支障になるようなことを最大限、軽減していきたいという思いを持ってございます。先ほど来、申し上げておりますけれども、まだ被害等につきましては途中でございます。これからコシヒカリ、委員御懸念の新之助等も始まります。そういった状況は、逐次、まずはしっかりと把握していきたい。そして、農業者からの相談活動に、これにも丁寧に耳を傾けていきたい。そういった状況を総合的にしっかりとらえながら、今回、9月議会にお諮りしようとしている対策、これは市町村への後押し支援ということでございますけれども、そういった状況を見ながら、追加の支援が必要かどうか、特に営農継続、経営発展、そういったところをきちっと着目しながら、検討をしてまいりたいと思っております。
おっしゃられるとおり、国の制度としてはセーフティネットがあるわけでございますけれども、過去、共済制度の特例措置も要請をし、発動いただいた経緯もございます。また、8号資金という形での融資制度も用意したいというふうに考えてございます。そういったもろもろのことで経営の継続を支援していく考え方で検討してまいります。また引き続き、よろしくお願いいたします。
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◆小野峯生委員 分かりました。丁寧にしっかりと、わが県を支えていただきたい、この異常気象については支えていただきたいというふうに思います。要望します。
それから、農地部のほうに1点だけ。番水をはじめ多面的機能支払いで、4点ほどの、いわゆるかかり増し経費といったものを支援するということなのですが、この点について、県単あるいは土地改良区等々の事業で拾いきれないものというか、そういうふうなものについて、細かい集落単位まで支援しようという、多分、意思なんだと思いますが、その辺のところ、まず、目的を、ほかにも同じ、あるわけですが、目的を。
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◎登り俊也農地部長 今、渇水支援対策における多面的機能支払いの位置づけというようなことで御質問いただいたかというふうに思っております。当初、県の単独事業による支援というのは、状況が分からなかったものですから想定していなかったので、かりになければ、多面的機能支払いを使って、今、県単で支援する分も含めて支援というつもりでおりましたが、その後、市町村さんが支援をされ、県が単独事業で支援するということになりましたので、基本的に、多面的機能支払いにつきましては、それの漏れている部分というふうに思っております。地域で合意をいただければ、規模なり規格なりというようなことは特に問うておりませんので、渇水対応に要したかかり増しの経費、電気代も燃料代も含めてですね、支援、当てることができるということで、私どものほうからも指導しているところでございます。そういう意味で、現場で、もし、こういうのに使えるのかなというようなお話、御疑問があるようであれば、私どものほうにもお伝えいただければ、きっちりとアドバイスしていきたいというふうに思っているところでございます。
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◆小野峯生委員 部長さん、前向きにとらえて、私はとらえているのですが、なかなかそうはおっしゃっても、予算措置が伴うものじゃないですよね。多面的機能支払い、集落で、およそですね、年間計画を立てて何をしようって、もう春先にみんな、今年、拾いきれないものは来年まで全部詰まっていますよ。ほとんど。私の知りえる限りでは。そこへ、予算措置なくて、それ使っていいよったって使いようが、手当てのしようがないというふうな意味でお伺いしたんですが、ここはね、やっぱり、もしもですよ、そういうふうなことがあって、要望等々が出てきたら、これ、どっかの町村で、余っているっていうか使っていないっていうか、そういうふうな、あまりないかもしれませんが、そういうふうなものをいろいろ工夫していただいて、しっかりと必要なところも多分、あると思うのですよね。その辺のところをしっかりと手当てをしていただきたいわけですが、どうも、予算措置の伴わないもの、あれ使っていい、これ使っていいって言ったって、ふんだんな予算措置があるわけじゃないので、その辺のところはどうお考えか伺って終わります。
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◎登り俊也農地部長 委員御指摘のとおり、多面的機能支払い、活用することはできるのですが、追加の配分があるというものではございません。そういうことで、私どもも市町村さんに対して、多面的機能支払交付金を使うときに、いや、もうお金ないんだよねというようなお話があるようであれば、ぜひ、私ども県のほうに相談してくれというふうに、まず、お話ししております。今のところ、私どものところにそういうお話は来ていませんが、もしその辺の話がたくさんあるようであれば、もう少し広い範囲で融通できないか、実は、広い範囲での多面的機能支払交付金の融通については、県だけの判断ではできないものですから、国に相談するということになりますが、そのような声がたくさん上がってくるようであれば、国との調整ということも考えていきたいというふうに思っております。