平成30年10月1日
産業経済委員会
◆小野峯生委員 おはようございます。私のほうから、1点だけですが、今の長期計画の新潟県総合計画「にいがた未来創造プラン」の見直しについてです。一部見直しを、平成32年度、平成36年度までにやるといった中で、インバウンドに力を入れるというふうなことで、国際観光のほうを中心に、そこへ入るのだろうというふうに思っております。12月までに素案ができるということで、これから部局横断的に議論をやって、知事とのいろいろな具体的な議論に入って、その中で決めていくというふうなことであります。県議会でもいろいろと議論になっておりますが、そういった中で、これから皆さんは具体的に、今はもう10月ですから、部局はあと2か月の中でいろいろ組み立てて、素案を示さなければいけないわけです。
産業労働観光部は、いろいろと皆さんがたの観光局も充実されて、課も改組されてというふうなことで、それぞれまた課の中、部の中でも分担されて、それぞれの中で進めているわけです。そういった中で産業労働観光部は、まずは特にインバウンドのほうで具体的に今、部内でどういう政策を立てて、どうやってこれから知事との議論等に向かおうとしているのか、具体的に教えていただけますか。
◎野上文敏国際観光推進課長 にいがた未来創造プランの見直しに当たっての、インバウンドについての盛り込み方ということかと思います。今までのにいがた未来創造プランを見ますと、達成目標のところで、外国人延べ宿泊者数の50万人泊というところを平成32年度に。それから、平成36年度に80万人泊というような設定をしておりますけれども、その目標に向かってのこれまでの実績の検証というところを、まず部内で行っております。
これまでの結果を見ますと、かねてより本会議でも御指摘を受けておりますとおり、周辺県に比べてかなり伸び悩んでいるというような状況もございますので、まず他県と比べてどういった取組が遅れているのか。あるいは、どういった点が足りないのかというところも含めまして、我々のほうで検証を行っているところでございます。加えて、これまでのプロモーションのやり方につきまして、知事のこれまでの御答弁の中にもございますとおり、プロモーションの強化、それから情報発信というところを強化していくということを御答弁させていただいております。この部分につきましても、これまではどちらかというと団体向けの動きといいましょうか、プロモーションや情報発信が中心であったということでございます。あるいは、情報発信につきましてもあまり、個人に向けた現地発の情報発信が少なかったのではないだろうかというところも踏まえて、今後、どういった方向性でにいがた未来創造プランに盛り込むのか、知事ともディスカッションをしながら、固めてまいりたいというふうに思っております。
◆小野峯生委員 そういった中で、県が今まで、特にインバウンドに関すること。それから、他県とのかかわりといいますか、広域的な他県にまたがるもの。そして、県内の中でも広域圏で、市町村をまたいでやるもの。そして、市町村がいろいろ計画を立てて、市町村でやっているもの等々、いろいろあるわけです。そういった中で、インバウンドに関してです。皆さんがたの、そのほかの広域だとか、それから市町村とのかかわり方とまた違った、一歩前に出たような国際観光という意味です。インバウンドの関係ということで、やってこられたかというふうには思っておりますが、それぞれの役目、皆さんがた産業労働観光部の果たす役割と少し、例えば具体的な計画を立てる場合、あるいは具体的な商品を作る場合だとか、そういうふうなところでやはり微妙に違ってきている。今までの役割と違ってきたという感じが、私はしているわけです。そういった中で、皆さんがたが国際観光、インバウンドの中で特に力を入れたもの、果たしてきた役割という中で最重要なものは、どういうふうなことに力点を置いてきたわけですか。
◎野上文敏国際観光推進課長 これまでのインバウンドにおいて、県の取組のどこに重点を置いてきたかということでございます。どちらかというと、これまではどうしても県のほうが主体となって、商品造成に向けたエージェントに対するアプローチというような動きが中心でございましたけれども、やはり他県の動きを見ますと、実際に旅行商品を売る側。例えば、卑近な例では、富山県の黒部などがありますけれども、あの大雪渓が非常に有名でございますが、実際にそういったところを商品として売っているかたがたを巻き込みながら、プロモーションをやっていかないと、相手となる現地のエージェントのほうからは、実際の商品造成になかなか結びつかないということもございます。ですので、今の動きといたしましては、そういった民間との動きと一緒になりながら、私どもも一緒に進めていくと。こういったところを増やしつつあるということでございます。
◆小野峯生委員 今までそういうふうにやってこられたという反省点の中で、そういうふうなことが出てきたということですが、私は感覚的には、今までインバウンドに関しては、県はそういう商品の造成とかというふうなかかわりも、やはり一定のものはあったのではないかと思っているのです。そのほか県をまたぐ広域観光の場合も、他県とのいろいろな調整というものもけっこうあった。その辺のところはプロデュースしてきた、一緒に。それはそうなのですが、やはりそういう意味では、逆に国際観光に比べると、その辺はだんだん段階が小さくなる、エリアが小さくなりますよね。市町村をまたいでとか、あるいは市町村ごとみんなと。そこはコーディネートをするというふうなことを中心に、今まで皆さんがたはやってこられたような気がするのですが、その辺のところが私は。
国際観光から少し離れますが、そういうところでやはり県がもう少し前へ出て、今おっしゃったように、市町村あるいは広域圏だとかで一緒に物事を組み立てて、それで商品も造成していくと。そういった中で、また旅行会社等とも協調していくという姿勢があまり感じられず、今までは希薄で、市町村がこうだから、そこへ背後に回って応援をしていくと、支援をしていくというふうな感覚が強かったのではないかというふうなことを、個人的かもしれませんが私は思っているわけです。そういった中で、皆さんがたは、国際観光だけではなくて、そういうふうなことで、これからの観光です。
国際観光から少し離れるのですが、そういった中でこれから国際観光に限らず、観光は重要産業だというふうなことで、県も力を入れて、知事も力を入れていくとおっしゃっているので、そこのところはどのように感じて、これからどうやっていかれるおつもりですか。教えていただけますか。
◎星丈志観光企画課長 これまでの県の観光に対する役割と、今後、どう進めていくかということだと思います。これまでは、やはり新潟県というのは多くの魅力がありますと。米、酒、それからスキーですとか、温泉ですとか、いろいろなものを単品で売ってきたというイメージがあります。当然、単品で売るということになると、各市町村は自分のところがいちばんだと、売り込みを図るということで、商談会の場でも、やはり新潟県は何をいちばん売り込みたいのかという部分がぼやけていたというところが、いちばんの課題だと思っております。県議会でもよく御質問がありますように、新潟県はうまさぎっしりだということで、多くを売りすぎていて、アピールポイントが明確ではないという御指摘もありました。
今回は、デスティネーションキャンペーンにしても、インバウンドの推進にしても、やはり新潟県の売りをもう少し絞り込んでいくと。絞り込んでいくということになると、各市町村の利害を超えた中で調整をしていくということが、県の役割になってくると思っております。当然、私たち県は、市町村のかたと、また民間事業者のかたとニーズをいろいろ聞きながら、例えばデスティネーションキャンペーンであれば、食文化というものをアピールポイントとして、明確化を図ってやっていくということにしております。また、今、観光は点というよりも面になってきている部分もありますので、広域的な連携も進めながら、新潟の存在感を出しながら、アピールをしていきたいと思っております。
◆小野峯生委員 今、答弁を頂きましたけれども、そういったことを含めながら、また話が少し戻るのですが、先ほど国際観光推進課長が少しおっしゃった、いろいろな本日までの計画についてです。新潟県観光立県推進行動計画ですが、これは昨年に一部を見直していて、その中に具体的な数値目標を8項目くらい並べています。そういった中で、これは昨年作ったばかりですが、改訂をするということが必要になるのかどうか。目標数を含めて、インバウンドのところを含めて、そこはどういうふうにお考えですか。その辺のところは。これから、そういった議論をしていく中で、結果的にこの目標数は、にいがた未来創造プランは平成36年度までになっていますが、前半はこのままにしても、後半くらいはやはりきちんと、その指標の数値目標も伸ばしていかないと意味がないのだと思うのです。
そういうふうな明確な目標を持って、やるべきだと思っているのですが、そうでないと今まで努力したのに、これは同じだよというわけです。そうなってしまうと、知事のやはりパフォーマンスに過ぎないというふうな議論にも見られかねないと思うのですが、そこはどういうふうな方向あるいは計画で、今、考えておりますか。
◎星丈志観光企画課長 今現在、全庁的な総合計画の見直しということの中で、我々の観光の分野については、大幅な見直しではなく、項目立てを少し変えるという方向で、検討を始めたところであります。行動計画につきましては、3期めということで、昨年の3月に策定されたばかりなのですけれども、あれも直近の動向を踏まえまして、有識者のかたがたの御意見を頂きながら策定したものであります。それを土台にしながら、昨年、総合計画を作っていったということですので、大きな部分で変わることはないと思うのですけれども、観光の動向というのは、その後のインバウンドの急激な伸びですとか、進捗はかなり早いといいますか、環境が変わるのがすごく早いということですので、私たちとしては、計画は計画として方向性を持ちながら、その辺は動向をきちんと踏まえながら、見直すべきところは見直すと。あまり高い数値目標ばかりで実態と離れているのも、民間も含めた力を引き出すうえではマイナスになる部分もありますので、その辺の状況を見ながら、柔軟に対処してまいりたいと考えております。
◆小野峯生委員 もう一つです。もう1点については、この基になっている条例です。新潟県観光立県推進条例があるわけですが、この条例については平成20年12月に制定しているということですが、10年たっています。このときの時代と今の時代というのは背景がものすごく変わっていて、観光に対する背景というものも、ものすごく変わっているというふうに思っているのです。制定から10年たっていますが、今、申し上げたように、観光の状況がこの10年で、インバウンドや経済に対する影響だとか、いろいろなことを含めて、やはり大きく変わってきている。少し合わなくなってきているのではないかという気がするのですが、条例改正という意味では、これはありえますか。
◎星丈志観光企画課長 条例につきましては、今後の観光の進むべき方向ですとか、行政の役割、県民の役割というものを明確に定めるということですので、基本的な部分は大きくは変わらないと思っておりますけれども、今ほど御指摘があったように、インバウンドの進展というものが、当時と比べると格段に進んでいるというような大きな変化はございます。そういったものも踏まえながら、条例につきましては検討は進めておきますが、今のところ、特に変更するとか、変更に向けての作業を行っているという事実はございません。
◆小野峯生委員 事実はないということで、多分そうだろうというふうに思っておりましたが、けっこう変わっている。例えば、これは県の条例ですから、第3条の県の責務というものがいちばん、まあ基本理念というものも大事ですが、これと合わせて県の責務というものもが非常に大事になってくるのです。この県の責務というものは、三つしかないのです。数が多ければよいというものでもないのですが、問題は中身だと思っています。そういった中で、普通の条例では当たり前のことしか書いていないのですが、観光振興施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施するものとする。ここは総体的なものです。この観光振興施策の実施に当たっては、その効果的な実施を図るため他の都道府県との広域的な連携協力に努めるものとすると。これが1点です。
それから、市町村、県民、観光事業者、観光関係団体等による相互の連携が確保されるよう総合調整、総合調整ですよね、それと必要な支援、これは支援なのです。そのことしかないのですよね、うたっていない。そういった中で、やはり県の責務としてもっと前に出ると。県が主体になって進めるのだというふうな意思が、私はあまり感じられない、受け取られないのです。そういった県の責務がいちばん大事だと思っています。これから本県の観光を伸ばすには、皆さんがたにこれから、部も、観光局の中で課も改組していろいろ充実したので、そこをやはり基本的な理念として、中にインバウンドというものを入れてほしいということが一つあります。それと、県の責務をもっと前に出して、皆さんがたと一緒に、それぞれの皆さんで協働して、それぞれ進めるのだという姿勢をもっと示していただきたいというふうに思うのですが、いかがですか。
◎星丈志観光企画課長 御指摘の部分の条例改正の方向なのですけれども、これから新たな知事のもと、私たちのほうで観光の在り方について現状をお伝えする中で分析し、それから今後の方向性みたいなものを議論する。その中で、総合計画の見直しのほうにつなげていくというステージに入っていくところであります。そうした中で、今、委員から御指摘のあった部分も議論する中で、検討は進めてみたいと思っております。
◆小野峯生委員 進めていただける、検討するというふうな話ですね。そのほうがいいかと思っています。
それからもう1点、第8条です。施策の基本方針ですが、これは八つあるのかな。8項目あるのですが、県の責務だとかにのっとって、ここへまたぶら下がりで基本方針というものが入るのですけれども、そういった中で、インバウンドに関しての部分を読み上げてみますと、2点しかないのです。その中で、中身がまた問題なのですが、外国人旅行者のための観光情報を発信すること。発信ですよね。発信することと、それから受入れの体制を充実すること等により、外国人旅行者の来訪の促進を図ること。これのみなのです。これのみ。もう一つは、国際会議その他のコンベンションの誘致。その2点しか入っていないのです。
これはやはりものすごく変えて、もっと具体的にこういうふうなことで進めていく姿勢を、この中の具体的な基本方針に入れていただきたい。そうでないと、やはり少し弱いのではないか。いろいろ指摘されているとおり、他県、周りの山形県、福島県はものすごいですね。ちょっとした、このような何の資金的には恵まれていないようなところでも、ものすごく広報が行き届いてやっているのです。そういったことも踏まえて、きちんと。やはりこれは条例ですし、県にとってはいちばん上位の法ですから、その辺のところをきちんと入れていただきたいと思っているのですが、いま一度、その辺の感覚とともにお伺いして、終わります。
◎星丈志観光企画課長 先ほど申しましたように、総合計画の見直しを図る。その総合計画の見直しを踏まえまして、今度は行動計画についても見直さなければならないというふうに考えております。まずは、総合計画の中で大きな方向性を定め、それをどう具体化していくかということでの行動計画ですので、日々刻々と変わるところにどう取り組んでいくかの部分は、行動計画の範囲になると思いますが、基本理念ですとか、責務ですとかといった部分については、条例にかかわってくるのだと思っております。その辺は、総体的な部分もございますので、全体を見直す中で、委員から御指摘のあった観点も踏まえて、検討を進めていきたいと思っております。
◆小野峯生委員 いろいろな議論があるのでしょうから、そういった中でぜひ、よりよい方向で進めていただきたいというふうに思っていますし、本県の観光が伸びるように、きちんとしていただきたいと思いますが、産業労働観光部長、最後にいかがですか。
◎橋本一浩産業労働観光部長 ただいま御指摘を頂きました新潟県観光立県推進条例は制定から10年ということで、その間、環境も状況もだいぶ変わってきております。今、観光企画課長のほうから答弁いたしましたが、これからは知事との間で、住んでよし、訪れてよしの新潟県を実現するための総合計画を具体に意見交換しながら、施策の方向性についてすり合わせをしてまいります。その中で、基本的な理念として、条例でどうあるべきかということも念頭に置きながら、しっかりと議論を進めさせていただきたいと思っております。
◆小野峯生委員 観光局長はいかがですか。それこそ直接のトップだと思っていますので。
◎樺澤尚観光局長 先ほどから御答弁を申し上げているとおりでございまして、本県の観光はこれまでの需要環境など、取り巻く環境というものも大きく変わっている中において、また他県とも大きな競争もしていかなければならない。そういった状況を踏まえた中で、主体性も含めた県の取り組むべき施策の方向性というものについても、今後、知事とのディスカッション等々をする中で、もう一度、改めて定めていくという形になると思います。また、観光企画課長からも御答弁申し上げましたとおり、基本的な方向は条例の中で、大きな戦略については総合計画の中で、具体のアクションについては行動計画の中でというような定め方になってくるかと思います。そういった中で、どういった定め方がまた適当なのかということも含めて、また委員からの御指摘も含めて、検討を進めてまいりたいというふうに考えます。