平成30年 9月定例会 産業経済委員会

平成30年10月2日
産業経済委員会

◆小野峯生委員 私のほうからたくさん質問を用意したのですが、皆さんも質問があるようですし、地域農政推進課長のほうに質問はできそうにないので、次回に回させていただきたいと思います。
 1点めでありますけれども、今ほど帆苅委員等々の話に大体あったわけですが、今年産の作付状況について、9月28日ですか、発表があったというふうなことということです。振り返ってみますと、皆さんがたがいろいろな団体等々や地域協議会といろいろと協議をなされて、全力を尽くして、とにかく需要に合ったというふうなことで、やってきたわけです。今年3月末では、地域協議会で積み上がった生産目標数は、52万 3,740トンということでございました。それで、これはおおむね需要に合った生産量というふうなことで、このときは皆さんがたは非常にいい顔つきをして、ほっとしていたと。まあ、それからどうなるのかなというような、一抹の不安もあったような顔での答弁だったと思っています。それで、6月時点の作付けでありますが、56万 5,000トンで、3月時点より生産量そのものは4万トン余り増加したということでありましたけれども、地域協議会での積み上げ、需要が増えていたと、2万トン。それで、結局、2万トンの増加というふうな、この常任委員会での答弁があったということであります。
 それで、今ほど皆さんがたから頂いた答弁によりますと、全国の動向も言っていただきましたけれども、前年比で面積的には 4,400ヘクタール増で、作況指数が98で、その影響で多分、約4万トンが3万 6,000トンに減ったということなのですか。それとも、その後、作付面積が減ったということなのでしょうか。ここはどうでしょうか。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 委員に御指摘いただきました数字につきましては、作柄の中で平成29年産と比較しての3万 6,000トンの増加ということでございますので、今年の作況指数98と昨年の実際の収穫量を比較しての算出でございます。

◆小野峯生委員 昨年と比べて3万 6,000トン増えたということで、6月末時点での見込みは需要よりも2万トンなり、そのときは4万トンの増があったわけでしょう。今、3万 6,000トンと言ったのですけれども、その点はどれくらいなのですか。作況指数を98とすると、昨年と比べての意味は。作況指数が98として、その4万トンと目されたのが今、幾らなのですか。言っていることが、分かりますか。去年と比べて3万 6,000トン減ったということは分かったのですが。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 6月末時点で、主食用米の見込みを56万 5,000トンと試算したという状況でございます。それに対しまして、国の公表数値は統計を使って、 1.7ミリメートルのふるいでございますけれども、私どもは通常の1.85ミリメートルのふるいで、目標を作っております。そこに少しややこしいところがあるのは、御承知いただきたいのですけれども。それと比較いたしますと、今年の国の公表値でありますが、53万 8,200トンという数字になろうかと思います。

◆小野峯生委員 先ほどの答弁で、とにかくおおよそ需要に合った、ある程度の目標は達成されて、需要に合った数値だというふうに評価をしてきたというふうな話ですが、それはそうだとしても、要するに実効性が上がる地域協議会にという意味なのです、私が言っているのは。そうでなければ、これからなかなか不透明な中で、今年は各都道府県の作付動向にいわば助けられた、作況指数にも助けられたというふうな格好だと思っているのです。そういう観点から聞いているのです。
 それで、今年は皆さんにそういうふうに頑張っていただいて、そういう需要に合ったという数値なのですが。その集計前の生産量が、業務用米と合わせて増加している、当初の3月時点よりも。地域協議会が、各農家にいろいろ要請したり、協力してくれというふうなことでやっていたのですが、やはり結果的に、そのときよりも4万トン増えたということですよね。4万トンは増えたと。需要が伸びたのは別ですよ。そうすると、その増えた原因というのは、やはり全国的な動向とある程度歩調を合わせていかないと、これからの米政策がおかしくなるというふうなことだと思っています。ですので、そういう観点で聞いているのです。飽くまでもこの増えた原因というのは、農家個々の判断で、生産調整は、もう今年からない。米の直接支払交付金の1反当たり 7,500円もない。この 7,500円はないということなので、やはりここをきちんと分析しないといけないと思っているのです。小規模農家の動向により、ある程度増えてしまったのではないかと、漠然とそう思っているのですが、そういうふうな動向があったのか。
 それから、地域ごとで申し訳ないのだけれども、ここにいる委員の地元のところは非常に増えているのです、昨年と比べて。私の地元のところもひどいのだな。申し訳ない。これはもう、正直あるのです。村上市が 329ヘクタール増えているわけです。阿賀野市は 457ヘクタール増えていると。新潟市西蒲区は 458ヘクタール増えているわけです。地域ごとに見ると、減っているところは三つしかないのです。それも面積的には、皆さんがたがいちばん承知している数値なのでしょうけれども、阿賀町が7ヘクタール減っているのですね。刈羽村が4ヘクタール減っていると。南魚沼市塩沢のほうが47ヘクタール減っていると。あとは増えている。こういう動向なのですが、やはり地域ごとの地域協議会の絡みで、この濃淡がなかったのか、やり方がなかったのか、いろいろ温度差がなかったのかと。私の地元のほうに限っても、すごく一生懸命やったと思うのだけれども、結果はこれなのです。そういうふうな地域ごとの分析は。それから、個々の農家の判断で、それは当然やったのでしょうけれども、小規模農家の作付動向がどうだったのかということを伺いたいのです。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 本県の平成30年産の生産動向が、需要と照らし合わせてどうなのかということについて、2点ほど御質問いただいているかと思います。平成30年からの新たな米政策におきましては、やはり何よりも需要に基づく生産が重要でございます。在庫になるような無理な積み上げは、厳に避けなければいけないというふうに思っております。そうした観点では、平成30年産の販売が、実際にはこれから本格化するわけでございますので、現時点で断定的なことをなかなか申し上げられない中ではございます。けれども、春以来、さまざまな地域協議会を回らせていただく中では、業務用米のニーズを卸からしっかり聴いて作った数量なので、大丈夫なのだというようなお話も聞いているところではございますが、なお、今後の販売状況を見極める必要があるというふうには考えております。
 委員から御質問いただきました、小規模農家はどうなのだということでございますが、経営規模別の作付動向の調査は、正直行っていないところです。推定するに、平成30年産の動向としては、コシヒカリは縮小傾向にあった。一方で、非主食用米から業務用米に、同じ品種の中で転換がされたのではないかなというふうに、見て取ることができます。その二つから推定しますと、コシヒカリの作付けが多い小規模農家が、コシヒカリの作付けをさらに増やしたというよりは、今まで加工用米なり、米粉(こめこ)用米なりで出荷をしていた中から、大規模農家層のほうが主食用米の需要を判別して、非主食用米から主食用米に作付けの転換を図ったという経過があるのではないかと思っております。コシヒカリが増えれば、小規模農家のほうがそのまま増やしたのかなというふうに、見て取ることができますけれども、コシヒカリが減っているものですから、少し違うのかなというふうに見ているところです。
 それと、地域ごとの状況はどうなのかということで、御質問いただいておりますけれども、小野委員が資料をごらんになってのとおり、県内の地域協議会では35協議会の内、面積ベースで対昨年比減のところは3協議会で、32協議会は何らかの増ということでございます。ここにつきましても、今後、県段階でも検証し、地域段階でも検証していただいて、平成31年に向けてよりよい仕組みを県段階でも、地域段階でも作っていこうと。そのために検討会議で提起して、地域に精査してもらっているところでございますので、精緻(せいち)な面積につきましては、もう少しお待ちいただいて、平成31年の作付けが始まる前の段階で、しっかり検証結果を御披露しながら、新しい組み立てをしていく。そういう場面を作りたいなと思っています。

◆小野峯生委員 もう1点でありますが、その増えた原因なのだけれども、各地域協議会で需要が増えたと。皆さんがみたいな言い方で、前定例会での答弁だと、需要も積み上がったのだと。だから、2万トン増えたと、おおよそ。そうなったということの言い方はそれで正しいのだけれども、実際は需要が増えて、各農家がその情報によって、これなら作ってもとにかく大丈夫だと。6月時点での計画だったわけですが、3月時点の数字からだったので。
 そうすると、そういう情報の中で、農家が判断して増やしたのか。多分そうではないと思うのですが、そういうふうな情報という、米の直接支払交付金の7,500円がなくなって、もう自由に作れると、今年から作れるのだと。作っていいのだというふうな格好の中で、地域協議会の実効性という意味なのです。やはりそれは言うことを聞かないで、要請は要請として聴き置く程度で、実際は作ってしまったという意味なのだという思いがあるのです。それはどちらなのですか。やはりその辺を分析していかないとどうしようもないと思うので、そういう観点なのです。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 平成30年産の作付けに向けまして、地域を回ることを含め、さまざまな情報提供をさせていただいてきたところでございます。そういったことも農家にお届けしたので、作付動向につながっているものというふうに思っております。準備された種の量については、昨年の段階でコシヒカリから多収性品種にかなり置き換えられて、準備をしていただいていたと。いざ作付けの段階で、その多収性品種が業務用の主食用米になったのか、非主食用米になったのかの部分で需要を勘案して、非主食用米のほうで出荷されたというケースの農家がおられるのではないかなというふうに思います。

◆小野峯生委員 言いたいことは、先ほども話したのだけれども、今年はようす見で、いろいろ慎重に作付けをしたわけです。それは皆さんがたがよく把握しておりますけれども。そういった中で来年はどうなるか、全国の動向がどうなるか。では、新潟県は需要に合ったという意味では、適正だというのだけれども、増えてしまったことは増えてしまったと。面積も 4,400ヘクタール増、昨年に比べて。昨年、一昨年と、ずっと増え続けているわけだから、全国に比べても面積が。非常に抑制をしていた中で、新潟県はそこと足並みを一緒にそろえるということができなくて、もう 4,000ヘクタール、 5,000ヘクタール程度は増えているわけです。前年と見比べて。そういった、積み上げてきて増えている中で、全国に助けられているということは言えると思います。
 そこで、来年度以降、どう対応していくのか。地域協議会なりを、いわゆる実効性のある組織にしていかないと、だめだと思うのです。価格が結果的に下がってしまうということなのですが、地域協議会あるいは皆さんがたで構成する県団体の実効性を上げるには、どういう対応を来年度からしていきますか。その辺について伺いたいと思います。

◎山田治之農林水産部長 実際、今年の生産目標から、月を追うごとにだんだん増えてくるという中で、最初のうちはある地域協議会は、おれのところはしっかり守っているのに、あそこはけしからんというような声も上がってきたのですけれども、結果的にそういうことを言える地域協議会が、本当に少なくなってしまったというのが現状なのです。実は、国から見ると、全国で非常に増えたのは秋田県と新潟県だけでして、農林水産省から秋田県と新潟県は非常に目をつけられているのですが。実際のところ、私どもがねらっているところは、主食用米、非主食用米を併せて需要の開拓をし、所得を増やすことですので、これが本当に実需に基づくものであったら、決して批判されるものではないのかもしれません。
 いずれにしても、初年度の取組として地域協議会の目標設定のしかた、あるいはその途中の関与のしかた、あるいは情報提供のタイミングといったようなことを、今月下旬くらいから各地域協議会でしっかりと検証していただいて、来年度はどうするかということの、実はもうすでに真剣な議論が始まっております。とにかく今年、なぜこうなったのかということをそれぞれの地域協議会がしっかりと検証しつつ、それを全体としても把握して、来年のことに取り組んでと。実際に、とにかくこういう調子で、結果的に不用意にたくさん作ってしまったのだということがもし実態で明らかになったら、これをやれば結局、所得が減りますよということをリアルに訴えつつ、取り組んでいかなければいけないと思っています。

◆小野峯生委員 農林水産部長にいい答弁をしていただいたと思っているのですが、そのとおりだと思っています。それで、もう一つの方法としては、以前から言っているとおり、米の適地適産でいうと、新潟県は最たる適地なのだなと。適地適産なのだから、需要に合ったものは需要に合っているのだから、こういうふうに計算が合うのだから、それは作るのだと。だから、農家と一緒になって作っていくよ、全国に提供していくよと、いろいろな業務用米も含めて。主食用米は任せてくれというくらいの覚悟をと。また違う方向の考え方もあると思うのですが、私の個人的な考えとしては、その辺はやはり全国とある程度歩調を合わせながら、その中でやっていくというふうなことがいいかなと思っているのです。そういう方法というのはあるのですか、考えていますか。

◎山田治之農林水産部長 先ほど佐藤純委員からお話しいただきましたけれども、新潟県というのは日本の食糧供給の中で、非常に重要な拠点だと思っています。国民の皆さんに安全・安心な農作物をきちんと届けるというのは、新潟県としての責務だと思っています。その中で国全体として、その主食用米が減っているということは事実なのですけれども、それでお米の主産県である新潟県として執るべきことは何かというところは、おのずと明らかだと思います。決して国の方針がうんぬんかんぬんではなくて、間違いではないのですけれども、その中で的確に対応しつつ、新潟県としての今まで培った技術もプライドも保ちながら、国民に対して、お米の主産県である新潟県としての責任を果たしていかなければいけないと思っています。

◆小野峯生委員 それと、先ほど帆苅委員の質問に対してだと思ったのですけれども、少しうろ覚えなところがあるのですが、もう始まっているのだというお話で、地域協議会なり農家への早め早めの確実な情報提供。それについては、地域協議会のほうからも要望があるというふうに聞いております。では、具体的にもう始まっているというのだけれども、どの時点でどういうふうなものを提供して、どう地域協議会と呼吸を合わせて、来年の作付けにきちんと反映していくか。やはりその実効性というものを農家がきちんと理解しないと、本当に農林水産部長がおっしゃったように、実効性が上がらない組織はあってもしかたないですよね。そうであれば、適地適産で作っていいよと言ったほうが早いのかもしれないということもあるので、ぜひその辺のところは、何というか、やはり全国的なものと一緒にきっちりやっていったほうがいいかなと思っているので、お願いしたいと思います。
 初年度でしたので、少し細かい問題なのですが、JA全農にいがた、農協など多収穫米、もっというとこしいぶきが非常に増えています。非常に増えているのです。それが家庭用米とそれから業務用米。特に業務用米で増えているのかなというふうな状況で、私の地元のところの農協は、もうこしいぶきを作ってくれと、大いに作れと。その理由は、家庭用米にも業務用米にもどちらにも、値段等々からシフトできると。それは農協の販売戦略だと思うのですが、そういうふうなことがありますけれども、県は歩調が少しずれていたと思います。
 こしいぶきは、多収穫米でも何でもないので、県の支援はないわけですが、今はもうだいぶ販売能力というか、販売量が農協も減っているのだけれども、それでも、いちばんのキャパシティーがあるといった場合に、やはりそことタイアップしていかなければいけないと思っています。歩調を合わせなければいけない。そういった意味で来年度、そのJA全農にいがた、農協とどうタイアップして歩調を合わせていくか。一方では、他の業者さんはそうではなく、多収穫米が欲しいと言っているところも本当にあるのだそうです。あるのだそうですので、そこをどう分別をつけて、どうやって誘導していくかについて伺いたいと思います。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 こしいぶきの生産についてでございます。こしいぶきにつきましては、委員も御指摘になったように、多収性品種としての認識というよりは、多収にしますと生育具合が落ちたりして、等級を落とすという側面もありますので、10アール当たりで 570キログラムくらいを生産量の目安において、しっかり等級も品質も確保して作っていこうという品種として位置づけております。価格的には関東コシヒカリのやや下ということで、現況では値ごろ感のある家庭用でもあり、委員御指摘のように、業務用としても実需者から需要があるということでございます。JAのほうでこしいぶきを推奨したのだけれども、県では違うのかという御指摘なのだろうと思うのですが、多収が必ずしも向かないというのは、先ほど申し上げましたとおりで、そういった観点で多収・コスト低減で、非主食用米に振り向けていくのだということの中では、該当するとは思っておりません。けれども、業務用米の価格の状況ですとか、実需者のニーズもしっかり見極める中で、こしいぶきのあるべき姿というのは8月に議論しましたし、秋の検討会議の中でも、もう1回話題に上る部分になろうかと思いますので、そこで団体ともしっかりとすり合わせをしながら、今後の方向感を編み出していきたいと思っています。

◆小野峯生委員 もう一つ、非主食用米の作付けについて伺いたいのですけれども、非主食用米を増やすということは大事なことなのですが、そういった中で、非主食用米にカウントされる輸出用米です。わが県は、新潟米基本戦略で平成32年に1万トンと、平成30年に 3,500トンを増やすというふうな目標を掲げてやっています。国の数字の合計が出ていないものだから、一生懸命電卓をたたいて、何回やっても合わないのですけれども、新規のいわゆる輸出用米の新市場開拓米で 760ヘクタールです、今年は。国は9月15日現在で統計を取っていますが、全部で 760ヘクタール。そうすると、大体何トンくらい見込めますか、今年は。数字は出ますよね。作況指数は98か。どれくらい見込めますか。

◎牛腸眞吾農産園芸課長 9月15日現在の国の公表によります、輸出用米の作付面積は 865ヘクタールとなっておりますので、収量では 4,760トン程度というふうに見込むことができます。

◆小野峯生委員 そうすると、1万トンにはかなりまだある。平成32年まであと一、二年。これはどう対応を。今年から10アール当たり1万 2,000円の支援をしているのだけれども。この効果だとか、あるいは輸出用米を増やすことにも力を入れなくてはいけないと思っているのですが、やはりこれから目標を達成する、あるいはもっと増やすために、1万トンの上限をもっと上に持っていくために、どういうふうな新たな基本姿勢で臨まれますか。今年の 865ヘクタール、あるいはその量を見たときに、かなり力を入れていかなければいけないと思っておりますが、どういうふうなことを来年度は目指して支援していくか、どういう方向性に持っていくか、伺いたいと思います。

◎新井一郎食品・流通課長 輸出用米の確保に向けた取組でございます。今ほどの統計の結果から見ましても、今年度は昨年度に比べますと、一応面積で3割程度増えているわけです。けれども、集荷団体からお話をお聞きしますと、増えている中であっても、農家の皆様がたは今、輸出用米に積極的に目が向いているという状況では必ずしもないと。面積は増えていますが、面積拡大に向けての負担感ですとかといったものを実際、皆さんは多くお持ちであるということをお聞きしているところでございます。今後、さらに拡大していくに当たりまして、輸出先の現地におきましては、日本食ブームなどもあり、実際に日本米の需要が今も拡大していますし、その中でも新潟米に対しては、非常に高い評価が得られているという状況でございます。
 実際、現地に需要がございますし、また生産面におきましても、今年度からの産地交付金ですとか、多収性品種に対する県の独自の上乗せ措置といった形で、所得に対する施策も講じられているということでございます。ですので、こういったところを農家の皆様がたにきちんとお伝えして御理解いただきながら、機会をとらえてそういった情報をお伝えしながら、生産拡大に理解を得ていくというような形で取り組んでまいりたいというふうに考えております。

◆小野峯生委員 ぜひ目的に添うようにお願いします。
 次に、もう1点でありますが、越後杉ブランド認証制度について、問題になっていますけれども、伺いたいと思います。あちこちに飛ばないで、横道にそれたりしないで、次から次へと質問しますので、答弁をよろしくお願いします。
 この問題は、越後杉ブランド認証材の不適切な管理問題です。先ほど農林水産部長から、現在、工務店などへの出荷状況、いわゆるトレースを継続している段階だと説明がありました。一部答弁があったのですが、この越後杉ブランド認証材を使用して、住宅等を建築した消費者、利用者へも、やはり県としてより丁重な説明をしていくこと。実態を説明していくこと。やはりこれは県民に対して、あるいは消費者に対して、利用者に対しても、信用を回復するという意味で、あるいは県民へのイメージを回復するうえで、その点はいちばん重要だと考えています。今、調査中の部分もあるやに思いますが、判明した部分もだいぶあるので、今後の本当の対応について伺いたいと思います。

◎八子剛林政課長 越後杉ブランド認証材の利用者への対応についてであります。まずは、不適切な工場からの出荷材を利用されたかたがたに対しましては、いわゆるトレースといいますか、出荷状況の確認を踏まえながら丁寧に説明し、不安に対してしっかりと対応してまいりたいと考えております。また、そのほか大勢のユーザーのかたがたに対しましても、当面の間、相談窓口を設置しまして、個々の相談に誠実に対応してまいりたいと考えております。

◆小野峯生委員 ぜひその辺のところは、皆さんがたにきちんと意を用いて、より慎重に、あるいはきちんと正確に伝えていっていただきたい。林業関係者等にも、こればかりに気を取られてしまうといけないので。ほかにも課題がものすごくあるわけですよね、新潟県の森林、林業、木材産業の課題というものは。早く理解を得る中で調査も早く、トレースも早くやって、きちんと理解を得るように、終わりを迎えるようにしていただきたいと願うものです。
 先ほど説明がありましたけれども、トレースの実施状況をもう少し詳しく伺いたいのと、それから県が今までに越後杉ブランド認証材で補助をしたと。ふるさと越後の家づくり事業というものがあるのですが、平成15年度から平成29年度までで、その件数は 7,504件、金額で70億 2,985万円というふうな話が本会議場等々で出ているわけです。トレースの対象を平成28年度以降の出荷ということにしているということなのですが、これはそういう意味できちんと調査をして、県民にその状況を知らせて、そしてきちんと理解を得るという意味では、それ以前のものが多いわけですから、ここの調査を県がいわば回避をしているというか、そう取られるようなことをなぜやるのかと。そういう言葉になるのかもしれませんけれども、その理由について、なぜ以前のものができないのかということについて、率直に伺いたいと思います。

◎八子剛林政課長 まず、トレースの状況についてであります。現在、不適切な工場からの出荷先であります工務店が16件、それから建築主が44件でございまして、現在までにその内の工務店11件、それから建築主1件について、トレースを実施したという状況であります。また、トレースの対象についてでございますけれども、これにつきましては、新潟県木材組合連合会(県木連)のほうで品質管理規定の例といたしまして、管理記録の保存を出荷の日から3年以上というふうなことで、認証工場のほうにお示ししているところでありまして、それらを勘案いたしますと、平成28年度から今年度までの3年分を対象に、トレースをしているところであります。そういった点を踏まえますと、平成27年度以前について一律に調査していくということは、非常に難しいのかなと考えております。

◆小野峯生委員 さかのぼれたのが3年だと理解できまして、それ以前のものはなかなか出てこないという意味だと思うのですが、出てくる部分でというのはなかなか難しいのですか。記録の保存義務はなくても、実質的に残っている部分というのはあると思うのですが、そこまではなかなかやり切れないということでしょうか。その辺のところはどういうお考えなのか、ちょっとお伺いします。

◎八子剛林政課長 それぞれの工場によって、いろいろ違いはあるのでしょうけれども、私どもが一定の基準を設けて調べるというふうなことは、少し難しいのかなと思います。

◆小野峯生委員 先ほども乾燥だとか、強度の基準を決めて、それを満たしたものが材に使用されて、使用量等々によって県は支援したと。越後杉に対して支援をしていますよね。基準を満たさない材が使われて、補助金の問題になりますが、県はその補助金を出しているわけですよね。基準を満たさないものが現実に出てきた場合に、補助金は普通であれば、返還ということも考えられるのだと思います。一般的な事業の仕組みとか、そういうものを見てみますと。やはり基準を満たさないものは補助金の返還を求めるというふうなことも、皆さんがた県としては、あるいは林政課としては検討をなされているのですか。どういうお考えなのか、伺います。

◎八子剛林政課長 補助金の返還についてでありますけれども、今ほど御説明しましたように、不適切な認証工場からの出荷状況について確認しているところでありますので、それらの状況も踏まえながら検討してまいりたいと考えているところです。また、ふるさとの越後杉の家づくり事業の補助金につきましては、申請者といいますか、交付先が工務店になりますので、これが認証工場でないことから、この点も踏まえながら慎重に検討してまいりたいと考えています。

◆小野峯生委員 大体、これからの検討ということですね。
 次に、委託を受けた県木連の関係なのですが、我々県議会議員の中に会長をやっている人がいるので申し訳ないのだけれども、委託を受けた県木連の責任が我々になかなか伝わってこない。
 この主な原因に、認証材の品質を県木連の認証工場の主体的な検査によって確保する仕組みになっていたということを、県は指摘しているわけです。皆さんがたが、指摘をしているわけです。その県木連は定期検査について、県の委託を受けていたということになるのですが、それはけっこうやっていなかったという期間があるのです。十分やっていなかったということになるのですが、県木連はどんな対応でと。今まで判明した中で、瑕疵(かし)が県木連にあると思いますが、まずはどのような方法で委託を受けた検査をしていたのか。体制等々について伺いたいと思います。

◎渡辺博英副部長(農林水産部) 県木連の定期検査の関係でございますけれども、まず冒頭にお断り申し上げますが、定期検査について県から県木連に対して委託はしておりません。その制度の建て付けでございますが、県が平成13年度に認証基準を設定しております。それと合わせまして、飽くまで業界、県木連、認証工場が自分たちでこの制度を運用し、自分たちで品質管理をしていくのだということで、県木連において越後杉ブランド認証に関する運営要領というものが定められています。その運営要領の中で、県が定めた基準をしっかり守っていきます。それから、認証工場の定期検査をしていきますという定めがなされております。したがいまして、県と県木連、あるいは認証工場との間で、直接的な制度上の関係というものはないという実態でございます。
 再三のこれまでの説明、また冒頭に農林水産部長のほうからも説明いたしましたけれども、今回の不適切事案の最大の過ちといいますのは、県も県木連も県民最優先という視点が決定的に欠けていたということが問題でございます。これは深く反省しなければならないのですけれども、今ほど申し上げました制度の建て付け上、県とすれば、飽くまで運営主体である県木連に対して、しっかりやりなさいということを指導し続ける。そこにずっと固執し続けてきたということが、結果してこのような時間の経過を立ち後らせてきたと。すみません。冒頭が長くなりましたが、御理解いただきたいと思います。
 そのうえででございますが、県木連は今、早期の改善ということで、今後に向けて、いろいろ検討、改善について取組を行っているところであります。県とすれば、8月8日になりますけれども、県木連に対してさまざまな改善に向けた指導を要請しているわけでありますが、その中に、認証工場に対しての検査並びに指導強化ということをしっかりやってくれということも要請しています。今の段階で聞いているところでございますけれども、県木連は通常の定期検査にとどまらずに、製品を計測する従来の検査方式だけではなくて、JAS規格、日本農林規格というものがありますが、もともとこの制度もJASというしっかりした第三者認証機関による検査で、非常にレベルの高いものであります。それに準じる形で制度を作り上げてもらうのですけれども、その目標とするJASの監査方式に倣いまして、認証材の供給に必要な知識ですとか技術といった能力を、そもそも有しているかどうかということを確認する方法も含めまして、その変更をしていきたいということで検討しているところです。 工場関係者以外の者からなる検査者も含めまして、公正に検査をしていくというやり方を、今、模索しているということでございますので、県といたしましては、この県木連のやり方がまさにブランドの信頼が確保できるような実効性のある検査の仕組みになるよう、県として監督責任を果たしてまいりたいと考えております。

◆小野峯生委員 今、いろいろ答弁いただきましたけれども、県木連に再三にわたって定期検査を行うようにというふうな指導を、平成25年度にしている。平成25年度に、県から指導しているということ。その後も指導を受け続けていたというふうなことですが、すぐ対応したとは言えないですよね。平成28年度になって、全認証工場で定期検査が行われたということなのですけれども、副部長の今の話を聞くと、運営は県木連と認証工場なのだというような話なのですが、そうすると、ますます県木連の責任というものがあるのではないですか。あるというか、重いのだと思うのです。いわゆる検査をしなかったという怠慢、瑕疵があるわけですが、していなかったという責任。県木連に対する責任を、県はどう考えているのか。
 例えば県木連に、今、副部長は指導してJASのようなこともいろいろときちんと考えながら、きちんとした公正な検査をするようにというふうな話があったのですが、県木連以外に検査をさせる方法というものを考えてしかるべきだと思うのです。いかがですか。その辺のところを聞きたいと思います。

◎渡辺博英副部長(農林水産部) 今ほどの、県木連の責任あるいは定期検査のやり方についてのお尋ねかと思います。今、委員が御指摘されましたとおり、県ももちろん監督責任、そしてまたこれだけの時間を費やす中で、実効性のある指導ができなかったことについて、県の責任は重大だというように考えておりますが、もちろん運営主体である県木連が結果的に、ここまでこのような形であり続けたということは、県木連においても重大な責任があると考えております。先ほど話がありましたように、その点は県も県木連もこれから、できるだけ早期のしっかりした検証も含めまして、この事態をしっかりと収束させて、何よりも県民の皆様が信頼できるような取組を行ってまいりたいと思います。
 その点と併せて、お尋ねがありました定期検査ということなのですが、木材をしっかり検査するということは、それなりの経験者でなければならないと思います。木材を、しっかり見ることができる人間でなければならない。今の制度上は、この認証制度の中におきまして、県木連の認証員というものを県木連が選定しています。やはりそれは経験者であって、中にはもちろん県のOBもいれば、あるいは今なお木材に関係する会社で働いているかたもいらっしゃいます。まさにそういう、目がしっかりしているかたを選んでいかなければならないということで、その人間あるいはそういう関係者に精通しているのがまさに県木連だということで、この制度の発足時に県木連を運営主体に位置づけたという形が発端でありました。
 きちんとそういう目を持っている人間を選べるかどうかというのは、まさに川中の部分の木材に対して、それは適切かどうかということを見定められる団体ということになりますと、やはり、新潟県森林組合連合会でもございませんし、あるいは川下の建築関係の団体でもございません。やはり川中の県木連という団体しかないのだろうなというふうに思います。やはりほかの団体に検査させるのは難しいなと思います。そしてまた、ほかの県におきましても、似たような制度がございます。多くの県においては、やはり業界団体が主体となって、この制度を運営しているわけであります。ほかの多くの団体は、制度の最初の基準設定から、民間団体が自主的に主体的にやっているという形で、自分たちが責任を持ってやっているという形がありますので、今、こうした事案を経た中で、県木連としてまさに今、そこに向けて努力していこうという形であるかと思います。ですので、私どもとしてはやはり県木連という建て付けの中で、この検査が行われるべきだというふうに考えています。もし、責務が果たせないのだとしたならば、この制度はそもそも成り立たなくなるというように考えております。

◆小野峯生委員 理解できないようなところもあるのですが、これはやはり県木連の総括。総括をきちんとしてもらう。それからでないと、県木連の責任というものが本当に伝わってこない、県民に。県木連の中の処分というものも必要かもしれない。総括はもちろん必要です。そういうことをきちっと示しながら、この解決を望みたい。県民の信頼を回復して、ふるさと越後の家づくり事業などは、これから素材生産を非常に増やしていこうという中で、ものすごく重要な事業なのです、実は。皆さんも御承知のとおりです。それがだめになってしまうと、これは我々も参ってしまう。業者も工務店も、それから川上も川中もなのです。ですから、その辺のところはまたきちっと総括しながら、きちっといい方向に持っていっていただきたいと思いますが、最後に答弁いただいて終わります。

◎山田治之農林水産部長 今、小野委員からお話しいただきましたように、かかわっている多くの皆さんは、本当にしっかりとまじめに取り組んでおられます。越後杉自身に何の罪もありません。しかし、こういうことが起こった以上は、私どもとしては、県民の皆さんの信頼回復のために、まずはとにかく越後杉を利用された皆さんの不安に真摯(しんし)に対応することが第一と考えて、取り組んでいるところです。また、今後、県木連において取り組まれるいろいろな改善の計画に、しっかり取り組んでいただくことが重要となっておりますし、そういったことを透明性を高くして県民の皆さんにお伝えしていかなければいけないと思います。消費者の視点から、定期検査の実施あるいは個々の工場の品質管理の状況についても、しっかりと開示していく必要があると思います。そういう点に留意しながら、県木連の取組が着実に実施されるように、県として監督責任をしっかり果たしてまいります。