令和3年6月定例会_建設公安委員会 06月23日-02号

P.1 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 おはようございます。それでは、私から一、二点、佐渡汽船株式会社と粟島汽船株式会社の経営状況について伺いたいと思います。まず、佐渡汽船でありますが、とりわけ上越市の支援で最大のネックになっている高速カーフェリーあかねの売却交渉についてでありますけれども、前回の2月定例会の答弁等々では、海外からのオファーがあると。新型コロナウイルス感染症の影響による交通制限によって、オファーを出している業者がなかなか来日できない状態だということで、売却先や金額が決まらない状況が続いているということでありました。ですが、今日の新潟日報紙によると、佐渡市から佐渡市議会への報告ということで、あかね売却へ最終調整と。海外企業に30億円でというふうな見出しの記事が載っているわけでありますが、あかねの売却の進捗(しんちょく)状況については、県はどのような情報を得ているのでしょうか。伺いたいと思います。

P.1 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 委員がお話しのとおり、これまでブローカー等を通じて複数社と交渉しておりましたが、佐渡汽船からは、日本の検査員に依頼して海上試運転を終え、最終段階に来ていると聞いており、引き続き状況を注視してまいりたいと考えております。

P.1 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 報道では今、船の検査と試験航海をしていると。今月25日に開かれる佐渡汽船の取締役会で交渉の進捗状況が報告され、関係者の間では、早ければこの取締役会で正式に売却が決まるということでありますが、そうすると、今の答弁よりも、随分と先を行っているということだと思います。それで、お伺いしますが、今は船の検査、試験航海をしているということなのでしょうか。それとも、これらは終わったのでしょうか。そうでないと、売却の正式決定というものはどういう経過をたどって、これから短期間でできるのか。それとも、一説によると、ずれ込んで7月以降になるかもしれないという話も新潟日報紙に載っているのですが、そこはいかがなのでしょうか。もう少し詰まっているという考え方でいいのでしょうか。その辺のこれからの経過等々についても伺いたいと思います。

P.2 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 今、お話のあった海上試運転につきましては、すでに5月までに終えております。その後、具体的に契約内容を相手方と詰めている段階でありまして、委員からお話のありましたとおり、最終的には取締役会の決議を経て契約が成立というような運びになっておりまして、早ければ次回の取締役会で、会社としての意思決定がなされるものと聞いております。

P.2 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 もう一説ではずれ込んで、7月以降になる可能性も指摘されているわけですが、どうしてそんなに期間の幅ができるのでしょうか。今は6月なので幾らもずれないかもしれませんが、その辺の時間のズレはどのようなもので生じるのですか。取締役会でもう九十九点何パーセント、ほとんどそこで決着がつくのだということなのでしょうか。伺いたいと思います。

P.2 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 7月以降になる可能性があるという報道がなされたところではございますが、私どもとしては、7月以降になるというような話は聞いておりません。佐渡汽船からは、次回の取締役会で諮って、承認がされれば契約が成立というふうに伺っております。

P.2 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それで、ブローカーを通じてなのでしょうか、海外企業に30億円でと出ているのですが、相手方の会社については、県はどのような情報を持っているのでしょうか。金額は30億円程度ということが載っているのですが、具体的な会社の名前までは発表できないかとは思っていますけれども、その辺のところの状況について、どのようになっているのか伺いたいと思います。

P.2 ◎答弁 佐瀬浩市交通政策局長

◎佐瀬浩市交通政策局長 今、交通政策課長からもお話ししたように、交渉については最終段階と我々も認識しております。先ほど委員からは価格の面のお話がございましたが、相手方の会社については種々の状況がございますので、この場での発言は、大変申し訳ないのですけれども、控えさせていただければと思っております。

P.2 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 それはけっこうですが、県として、いろいろな経費等々、改善策も含めて、この売却による希望金額といいますか、これだけは最低、交渉の中で確保していきたいというものはあるのでしょうか。確保したい金額はあると思うのですが、その辺は今、この場で言えるのでしょうか、言えないのでしょうか。

P.2 ◎答弁 佐瀬浩市交通政策局長

◎佐瀬浩市交通政策局長 金額については、あえて控えさせていただければと思うのですが、委員御指摘のとおり、県としてという観点もございますし、この問題に関しましては、佐渡市及び上越市の意向及び金融団の意向と、さまざまな関係者がおります。そういったところを総合的に勘案して、新聞紙上でも帳簿価額というようなところが一つのメルクマールとして示されましたが、少なくともそこはクリアしなければいけないと思っておりますし、最終的な落ち着きとしては、それ以上を、プラスアルファを見越したようなところで、関係者として納得できるような形になるのではないかと期待しているところです。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 私の考えだと、当たらずとも遠からずで大体30億円前後かということかと思います。これは私の推測ですから、それのみでとどめておきますが、そうすると、上越市へ1億 8,000万円の補助金を返還してくれと。佐渡市もそうなのでしょうか。それで、その返還がされないうちは、佐渡汽船への支援はしないということに今、相成っているわけであります。新聞では、売却が決まったら本格的な交渉に入るということなのですが、過去の皆さんがたの答弁では、県、上越市は売却した段階で検討というか詳細を詰めるようなものでは多分なくて、売却できれば1億 8,000万円はお返しするということだと思っていたのですけれども、そこはどういうことなのでしょうか。答弁願いたいと思います。

P.3 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 まず、上越市への補助金の返還についてでありますが、売却して引き渡しを終えたあとに、補助金返還を行うというような形で進んでおります。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 そうすると、仮定かもしれませんが、取締役会において承認を得て決定をし、引き渡しを終えるのは、いつくらいになるのですか。

P.3 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 佐渡汽船からは、7月末までに引き渡しを終えたいというようなことを聞いております。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 では、そういう時点で、1億 8,000万円については上越市へ返還をするという理解でよろしいでしょうか。

P.3 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 引き渡しの時点で補助金の返還額が確定いたしますので、それと同時というわけではございませんが、事務処理期間、納入期間を考慮したうえで、上越市に対して佐渡汽船から返還を行うというような段取りでございます。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 そうすると、しつこいようですが、上越市は10月に市長選挙があるのではないかと思いますけれども、副市長も立候補されると聞いております。そういった中で、新しい首長が決定するまでに決めないと、新しい市長の判断に任せるというふうな話は、多分ないのではないかとは思っているのですが、そういうことがあったら佐渡汽船への支援がまた延びることになるので、お尋ねしたいと思います。

P.3 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 上越市長におきましては、この6月の市議会においてあかねの売却、佐渡汽船の今後の経営改善、経営見通しを確認したうえで、あかね建造に係る補助金の返還と併せて必要な手続きを進めてまいりたいと考えておりますという旨、答弁されたと承知しております。補助金の返還と併せて支援を検討する段階にあるというふうに認識しております。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 あかねを係留しておくお金もかかるという話がありましたので、ぜひ、この件はできるだけ速やかに決着をつけていただきたいと思っております。
 それからもう1点、小木・直江津航路のカーフェリーの運航についてであります。冬休み期間が終わって令和3年4月29日から、ジェットフォイルによる運航を再開しましたけれども、上越市はカーフェリーの運航の復活を求めているわけですが、今すぐにではないと。昨年の四者会談なるもので、将来の経営をかんがみながら協議をしていくと。おおむねそういうふうなことで続いているのだと思います。小木・直江津航路のカーフェリー運航について、上越市からは時期等々についてはそのままで、それで了承しているからいいというのか、それとも、できるだけ早くというふうなことなのか。経営上、カーフェリーを購入するということはなかなか難しい現状の中で、どういう方法かによってカーフェリーの運航も含めて、どのように動いているのか伺いたいと思います。

P.4 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 佐渡汽船からは、ブローカーを通じて、海外も含めまして船舶を探している状況と。ただ、岸壁に合わないなど、現時点では適切な船舶が見つかっていないと聞いております。県としましては、地元の要請を尊重する立場でありますことから、佐渡汽船に対しまして、引き続き適切なカーフェリーの導入を求めてまいりたいと考えております。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 次に、先ほど交通政策局長から説明がありましたけれども、その後の佐渡汽船の経営状況と、それから経営改善策について、すでにいろいろやり始めているわけですが、まだやっていないところ、人件費等々の労働組合との折衝だとかというものがあるわけです。そこを併せて、経営に対する現状認識と、経営改善策についてきちんと進んでいるのかどうか、人件費のことも含めて伺いたいと思います。

P.4 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 まず、佐渡汽船の経営状況についてでありますが、新型コロナウイルス感染症の長期化によりまして、輸送需要の回復が見込めず、今年の1月から5月までの輸送実績は、新型コロナウイルス感染症流行前の令和元年と比べてマイナス55パーセントと、経営環境は依然として厳しいというふうに認識しております。
 続きまして、経営改善策の状況についてでございますが、これまで、役員の報酬月額の減額、財務基盤強化に向けた資本性劣後ローン14.4億円を借り入れたほか、この4月から貨物運賃を10パーセント値上げしたことに加えまして、小木・直江津航路ではジェットフォイルに変更したところです。また、さらなる経営改善に向けまして、運賃割引等の見直しや第三者出資による資本増強などの検討を進めている状況にあります。今後とも地元市や関係者も交えた毎月のモニタリング会議におきまして、経営改善の進捗状況を確認することとしておりまして、引き続き厳しい姿勢でチェックしてまいりたいと考えております。

P.5 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 よろしくお願いします。それともう1点ですが、4月29日からジェットフォイルが小木・直江津航路で運航を始めています。冬休み期間が終わって運航開始ということなのですが、運航が始まってから2か月近くなるということです。カーフェリーからジェットフォイルに変更することで赤字幅を10億円程度から4億円程度圧縮したいというふうな目標といいますか、数値が示されていたと思います。維持費等々についてはこの2か月間でどのように変化をし、そして航路の経営にどのような影響を与えているのでしょうか。まだ2か月しかたっていないのであまり出ていないのかもしれませんけれども、それでも油賃だとかいろいろなことがあると思うのですが、そのところを伺いたいと思います。

P.5 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 小木・直江津航路につきましては、令和2年度におきましては10億円程度の収支赤字ということでございましたけれども、令和3年度は船舶をジェットフォイルに替えることによりまして、5億円程度の収支改善につながるというような計画で進めているところでございます。4月、5月の搭乗者数は、この新型コロナウイルス感染症の影響でかなり厳しい状況にありますので、5億円程度の収支改善が達成できるか、また、厳しくチェックをしてまいりたいというふうに考えております。

P.5 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 そうすると、まだ乗客が減っているのでうまくいっていないけれども、改善の見込みくらいはあるという理解なのでしょうか。まだ2か月そこそこですから、多分、数字的には皆さんがたも把握していない可能性もあるのですが、そこら辺はいかがでしょうか。

P.5 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 委員がおっしゃるように、本格的には4月29日からですので、まだ2か月弱というところにございます。ただ、輸送人員につきましては、当初は1便当たり70人程度ということでございましたけれども、足元の利用状況についてはその半分にも満たないというところでございますので、この2か月間につきましては、かなり厳しいスタートになったというふうに認識しております。今後、また、先ほども交通政策局長から説明のありましたとおり、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の普及に合わせて利用状況が伸びるということを期待しつつも、適切に見守っていきたいというふうに考えております。

P.5 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 いろいろな面で佐渡汽船の経営改善が長期的に図れるような対応をひとつよろしくお願いします。これは甘いという意味ではなくて、厳しく精査していただく中で、きちんと将来に向けて展望が持てるように、できるだけそういうふうなことを考えていただきたいと思います。
 次にもう一つ、私の地元で恐縮なのですが、粟島汽船も新型コロナウイルス感染症等々の影響も含めて、経営状況が非常に悪いと。それで、経営支援を国、県にお願いしなければいけない事態になっていると。実際に支援要請が行われているということですが、粟島汽船からの国や県に対する支援要請は、どのような内容で来ているのか、お尋ねしたいと思います。

P.6 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 粟島汽船からは、すでに支援要請がありました。県といたしましては、粟島汽船及び粟島浦村に対しましては、まずは最大限の自助努力を求めてきておりまして、現在、これらを組み込んだ経営改善計画を粟島汽船で策定中という状況であります。

P.6 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 経営改善計画の策定は、基礎になる大事なもので、まずは第1段階だというふうに思っております。ですが、粟島汽船は規模が小さくて、佐渡汽船に比べて改善策の余地というものはそれだけいろいろな面で小さくなる、少なくなる、限度があると思っております。そういった中で、離島ですから国の赤字支援策だとか、毎年のものはありますが、やはり船舶だとかの投入状況、それから運営経費の削減等々が入っているのだと思います。やはり私は、佐渡汽船と同じで一時的なものにとどまらず、今だけをしのげばいいということではなくて、それこそ持続可能なという言葉がはやっておりますが、将来にわたってできるだけ持続可能な経営改善が求められます。国、県からの、毎年の支援は入れていただくことは前提になるわけでありますが、そのうえで、経営改善を図って、長期的な計画をきちんと示していただいて、それを実行してもらわなければいけないと思っております。私の地元になりますが、その辺のところは、やはり県、国の立場できちんと対応を執っていただきたいと思っています。粟島浦村、粟島汽船から皆さんがたに示されている経営改善策について、県の評価はどのようなものなのでしょうか。

P.6 ◎答弁 藤井操交通政策課長

◎藤井操交通政策課長 現時点で経営改善計画については策定中でありますが、その内容といたしましては、支出面として人件費、代理店手数料、船舶修繕費の削減が挙げられております。また、収益面といたしましては、本土発の旅客運賃の値上げなどが挙げられております。これらの改善策につきましては、国土交通省北陸信越運輸局も交えて検討してきたものでありまして、県といたしましても、一定の効果は見込まれるものと考えております。

P.6 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 ですから、一定の効果というものは、将来的にわたってこの範囲内で取り組めば一定の経営改善が見込めるという意味なのか、急場しのぎで今、経営改善は見込めるけれども、これではとても持続可能な経営改善ということにはならないという評価なのか、そこを交渉しながら詰めていっていただかなければ、やはり皆さんがたも国もなかなか支援策に踏み切れないのではないかと思っているのです。それで、ほかの大胆な方法もやはり示してもらわなければいけないのではないかとは思っているのですが、それはもう小さい会社ですからなかなかままならないと。多分、折衝があるのでしょうが、その辺のところはどのようにお考えでしょうか。併せて、粟島汽船に対する国、県の支援の現状における見込みについても伺って、質問を終わりたいと思います。

P.7 ◎答弁 佐瀬浩市交通政策局長

◎佐瀬浩市交通政策局長 小野委員御指摘のとおり、足元だけではなくて、ある程度の将来にわたって経営が成り立つような形で、我々県としてもしっかり関与してまいりたいと思っています。
 それで、支援についての見込みということでありますが、現状、そういう形で支援策をまとめているというところであります。もう全く議論の俎上(そじょう)にも乗らないというような形ではないと認識しておりますので、そういったところを踏まえて、その策がまとまり次第、実際に県はどう支援していくのかという次のフェーズに移っていきたいと思っております。