P.1 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 おはようございます。ご苦労さまです。それでは、私から、今ほど説明のあった佐渡汽船株式会社について、順次伺いたいと思います。
今ほどお話しのとおり、今回、離島航路、とりわけ佐渡汽船の運航等に対する今までの県の姿勢、あるいは方針というものが大きく変わるということでございます。ざっと申し上げますと、御承知のとおり、株式会社みちのりホールディングスからの15億円の出資によって、同社の子会社として再スタートを切るということであります。このことによって、とりあえずは危機から脱し、経営の継続が図られることになったわけです。知事はじめ皆さんがたもそうだと思いますが、佐渡汽船は今まで、何かと行政に頼ってくる姿が多々あったわけであります。そのことは県議会等を通じて、皆さんがたといろいろ議論をさせていただいた経緯もありましたが、今後は民間のノウハウを活用して経営の継続が図られると。佐渡あるいは県内に対して、同社のノウハウを生かしたものが出てくると。いろいろな公共交通事業者の再建を専門にしている会社だと聞いており、今のところうまくいっていることからいっても、大いに期待ができると思います。先ほど申し上げましたとおり、みちのりホールディングスが15億円の出資により、圧倒的な3分の2の株式を有するということに相成ったわけでありますから、離島航路運営の姿勢、あるいは県のかかわり方というものが、やはり大きな転換であること等々について、今までのおさらいも含めて、改めて伺いたいと思います。
それで、この出資によって議決権の約67パーセントを、みちのりホールディングスが有することになっているわけですが、県は筆頭株主の座を降りて、結果的に約32パーセントから10パーセント程度に下がるということであります。圧倒的権限はみちのりホールディングスにあると。そういう意味では県の権限はほとんどなくなると言ってもいいかもしれません。このことについてどう考えているか、まず伺いたいと思います。
P.1 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 みちのりホールディングスが培ってきましたさまざまな誘客促進や利便性向上などのノウハウが、佐渡航路をはじめ地域全体の活性化につながることを期待しております。また、委員から御指摘のありましたように、県の議決権割合は低下するものの、これまで同様、佐渡市民にとって生活経済の生命線である佐渡航路の維持・確保に向け、行政として責任を持って関与してまいりたいと考えております。
P.2 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 御承知のとおり、株主の保有割合によっては、法的な議決権行使についての相違が当然あるわけです。3分の2以上となると、圧倒的な権限を持ちうると。何でもできると。株の売買もできるし、経営についても、どのようにするかは思いのままと思っています。まずは法的なことが大事だと思いますが、経営に関する具体的行使について、法的にはどのように変わってくるのか、その辺についての皆さんがたの認識を伺いたいと思います。
P.2 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 決議方法について定めております会社法の規定によれば、議決権3分の2以上の保有によりまして、役員の選任、解任はもちろんのこと、定款の変更、資本金の額の減少などについて議決できるようになります。
P.2 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 ということは、何回も申し上げますが、ほとんど何でもできるという認識でよろしいのでしょうか。飽くまでも法的に、そういうことが許される圧倒的な権限を持つ会社なのだろうかということについて、どうお考えでしょうか。
P.2 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 委員御指摘のとおり、会社法の規定に基づき、経営に関する全般について権限を持つということになります。
P.2 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 大事な航路なので、県としては今までどおり関与していくということも、交通政策課長はじめ知事もそうですが、言っているわけです。私は素人ですけれども、どう考えても法的にそれだけの権限を与えられる会社について、県が今までどおりの関与をしていくといってもできっこないと。まず、県は前提条件としてそれを頭の中に置いて、佐渡市民にも、我々にも県民にも、これはこれで認めるのだということは当然あるわけですから、そのうえで協定を結ばなければいけないということを、はっきりしていただくと。その前提に立っての協定の結び方であったり、いざとなったときは何でもできるわけですから、協定を結ぶ意義というものはあるかもしれません。それで、綿密な、詳細な協定を求めること、結ぶことが大変重要になってくると思っていますが、その認識についてはいかがですか。
P.2 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 委員御指摘のとおり、筆頭株主であるみちのりホールディングスにおきましては、会社法におけます経営に関する全般的な権限を持つことになりますが、県といたしましては、行政としてこれまで同様にしっかりと責任を持って関与していくという姿勢に変わりはございません。
それと、協定の以前に、まず、海上運送法や佐渡航路確保維持改善協議会などから、航路事業者に課せられている役割として、例えば、航路の維持・確保をはじめ、航路廃止や減便を行う場合の事前協議などがあることから、協定内容もこれらとの整合性に基づき、当事者間で協議してまいりたいと考えております。
P.3 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 法律的なことで定められている事項もありますから、協議ができると。けれども、筆頭株主は当然、民間企業になるわけでしょう。そのようなことを言っているけれども、いざとなったらあなたがたは、責任を負うことになりますよ、このようなことばかり言っていると。今までどおり行政的に関与していくなどといっても、これは将来、禍根を残すと私は思いますよ。そこははっきり認めたほうがいいのですよ。認めたうえで県は努力をしていくのだと。航路維持のために会社側とも佐渡市とも協議をしながら、最大限の努力を重ねていくという言い方のほうが分かりやすい。今までどおり関与するといっても、できないのだから、いざとなると。そこは皆さんがたの考えを変えたほうがいいと私は思います。それにもう一言言わせていただくと、知事は替わりましたけれども、過去にえらい苦い経験があるのだから分かるでしょう、そこのところもきちんと踏まえながらやっていただきたいと思います。
それと、佐渡航路の維持・確保に向けた協定について、行政として責任を持って今までどおり関与していくという答弁でありますが、その航路維持に関して、これから結ぼうとしている内容について教えてください。
P.3 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 協定の内容としましては、佐渡と本土を結ぶ唯一の佐渡航路の維持・確保を目的としまして、誘客促進や利便性向上における連携・協力や、協定の履行を担保する定期的な協議の場の設置などを盛り込みたいと考えております。
P.3 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 佐渡航路の維持・確保、誘客促進、今おっしゃったとおりの連携・協力、履行を担保するための定期的な協議の場の設置などを挙げておりますが、県としてさらに踏み込みたい事項はどういうものがあるのか、今のほかにあったら教えていただけますか。
P.3 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 行政側と佐渡汽船が過去に締結した合意書等について、今後も有効とする規定を盛り込みたいと考えております。
P.3 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 繰り返すことになりますが、特に重要な事項は、佐渡航路の維持、利便性に大きな懸念が生じれば協議すると県は言っているわけです。大きな懸念が生じればと。これは、あいまいで、漠然としすぎて具体的には分かりません。先ほど法律的にどうのこうのという話がありましたけれども、それは航路の廃止を指すのか、減便も含むのか、どの程度の減便なのか、具体的にどの状況を指すのか。今回の協定を結ぶ中でいちばん大事な事項、核になると思います。今は協議中だと思いますが、その事項の入れ込み方について、県はどういう考えなのでしょうか。私は具体的にきちんと踏み込むべきだと思いますが、法的にこうしなければ、ああしなければいけないというものはあるかもしれません。しかし、そのようなことを言っていれば、協定など結ばなくて済むと言われることもありえるものですから、協定に組み込むべきと思っているのですが、現在、皆さんがたの考え方はどうでしょうか。
P.4 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 航路の維持や利便性に大きな懸念が生じた際の協議につきましては、事業者が航路の廃止や減便などを行う場合、海上運送法の定めによる事前協議が必要となることから、これらに基づいて、これまでも協議をしてきたところでありまして、協定には盛り込まない方向で調整しておりますが、法に基づく手続きにより十分に協議をしてまいりたいと考えております。
P.4 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 十分に協議してまいりたいではだめなのです。きちんと法に基づいて協議するものとすると、入れてもらわなければ、最低限でもそこが限度だと思います。限度というか、最低限必要ですよ。法にあるから協定に入れなくていいとしたとして、だれとどのように協議するのですか。そういう法律なのですか。海上運送法はどのような法律なのでしょうか。減便とかそういうふうなものについては、協議することが海上運送法で決まっていると。だから入れなくていいというふうな趣旨にも取れるのですが、そこはあいまいにしてはいけない。法にあるからといっても、さらにそれを確実なものにするために、協定に入れることは当たり前でしょう。いかがですか。
P.4 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 委員の御指摘も踏まえ、今後、関係者と調整をしてまいりたいと考えております。
P.4 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 ですから、交通政策課長、そうではなくて、現在の皆さんがたの考えを聞いているのです。どうしたいのか。私の指摘も踏まえてどうするのか、結論は出ていないのですか。どうしたいというくらいはあるでしょう。そうでなければもう間に合いませんよ。
P.4 ◎答弁 佐瀬浩市交通政策局長
◎佐瀬浩市交通政策局長 委員御指摘の廃止であるとか減便については、これまでもそうなのですが、先ほど説明いたしました佐渡航路確保維持改善協議会というものがありまして、ここにすべてかかっております。具体的に申し上げますと、例えば、現状の新潟・両津航路の便を一つでも減らすとなったときには、それは右から左に、はいそうですかということではなく、今申し上げた協議会の中で必ず議論をされ、それを経て航路の減便ということになりますので、間違いなく、そこは法的に網にかかってくることになります。
P.4 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 だから交通政策局長、先ほどから言っているとおり、網にかかろうが法的に定まっているから協定に入れなくていいという考え方は間違いなのです。さらに入れておかなければだめなのです。法律的に、こういう権限があるのだからとすれば、協定を結ぶ必要などないわけです。そうでしょう。逆に言えば、そういう考え方も成り立つと。ですから、それを担保するために、強くするために、この種のものは、屋上屋も重ねたっていいのです。そう思いますがね。あまりそういうふうにすると、皆さんがたは、逃げていると思われるのです。
今までの一般質問も代表質問も、皆さんがたは、やはり、まずは今までどおり関与していくのだということを、漠然としながら県民である佐渡市民に見せつつ、どう考えたって中身は、今さえ乗り切れればいいという感覚にしか思えないのです。だから、逃げないこと。はっきり今の現状をきちんと佐渡島民はじめ示すと。民間に任せるのだから、みちのりホールディングスというものはこういう会社で、実績もあるし、それで、県としても努力しますからということをはっきりさせると。法的にどうのこうの、ああだこうだなど言っても分かりません。ですから、そこはきちんと協定に入れ込むと。これがいちばんの中核ですよ。皆さんがた、これを入れないとすると、そのようなことであいまいな姿を見せていると、これは計画変更だと、態度の変更だと言われてしまいます。皆さんがたの今までの協定に対する航路の維持については、中核になるものでしょう。そこを法律にあるからといって入れないなどというのは怠慢です。これは態度の変更だということを認めますか。
P.5 ◎答弁 佐瀬浩市交通政策局長
◎佐瀬浩市交通政策局長 委員御指摘の点、そういった議論もおありになると思います。それで、もう一つの見方としては、ある意味、今委員がおっしゃった屋上屋を重ねるとなりますと、逆に、せっかく海上運送法があるにもかかわらず、そこが信用できないといいましょうか、そういった議論も一つあるのかと思っております。ただ、いずれにしても、後ろ向きとかそういうわけではなく、きちんと担保が取れているのであれば、今の現行法としての手続きでございますけれども、それに代えるということも一つの考え方なのではないのかと考えております。
P.5 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 まあこれ以上言っても無理なのでしょう。これは認めるも認めないも、今回は予算編成上、私どもの議決がいるわけでもないし、何もないのです。皆さんがたは、やろうと思えばできると。我々はいろいろなことを言うけれども、それはきちんと踏まえていただかなければ困りますが、飽くまでも、議会的に言えば要望の範囲内です。だから将来に禍根を残すようなことがあってはいけません。皆さんがたが、責任を負うことになるわけです。きちんと示して、そこはしっかり法的には定められているのだけれども、お互いにここは県としてこういうこと協議をするものとすると。そこは入れ込んでいただきたいと、要望しておきます。
それで、もう一つは、佐渡汽船と定期的な協議の場というものは、どのような立場の人がどのような期間ごとに行うのか、その辺について伺いたいと思います。
P.6 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 協議の参加者につきましては、これまでの佐渡汽船との協議等を踏まえ、行政は部局長クラス、民間は役員クラスを想定しておりまして、頻度につきましては、年に数回程度で調整しているところであります。
P.6 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 それで、小木・直江津航路もこれから話をしますけれども、全体的なことについて、おさらいみたいなものですが、法的に圧倒的に県が及ばない経営権を持つ企業と、権限がほとんどない県と、今回、こういうふうに変わったわけです。けれども、限界があると。県が協定を締結するということは、今まで何度となく皆さんがたの答弁を聞いていますが、改めてこの意味、意義というものが大事になってきます。絶対に大事なのです。今までずっと申し上げたとおり、きちんと協定に入れ込むものは入れ込むというふうにしていただきたい。これは協定がかぎを握ると言われていますので、よろしいですか、そこはきちんとやっていただきたいということを含めて、意味、意義というものをどういうふうにとらえているのですか。改めて伺いたいと思います。
P.6 ◎答弁 佐瀬浩市交通政策局長
◎佐瀬浩市交通政策局長 繰り返しになってしまいますが、佐渡航路の維持・確保に向けて、本協定は、ほかの当事者であります佐渡市や上越市とともに、行政として責任を持って関与していくことを内外に示すということは、意義があるのではないかと考えております。
それで、これも繰り返しになりますが、本県に初めて拠点を置くことになりますみちのりホールディングス側においても、協定を重視しております。さらに、2月7日の出資表明の際も、同社から締結への意欲が示されているところでございます。
P.6 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 私は冒頭申し上げたとおり、反対しているのでは到底ありません。ただ、皆さんがたの立ち位置というものをきちんと示しながら、やっていただきたいということを申し上げさせていただきたいと思います。
それと、小木・直江津航路でありますが、みちのりホールディングスの松本最高経営責任者から、補助金を出していただける限りにおいて航路を維持できるという発言が佐渡市議会であったわけであります。それで県は、国、県、市からの既存の補助金の継続を念頭に置いたものと伺っていると、これは本人から伺っているのだと思います。それで、本会議場あるいは今までの答弁を伺ったわけですけれども、佐渡汽船が受けている既存の国、県、あるいは地元市町村はけっこうですが、その内容、金額について伺いたいと思います。
P.6 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 主な補助金の内容につきましては、国土交通省の小木・直江津航路への離島航路運営費等補助金をはじめ、内閣府、県、佐渡市の3者によります特定有人国境離島地域社会維持推進交付金の運賃低廉化や、県の佐渡航路利用促進事業補助金などとなっております。直近3年間におきましては、令和元年度、約8億円、令和2年度は県の事業継続支援等も入っておりますが、約19億円。令和3年度は1月末時点で約 6,000万円となっておりますが、令和3年度の最終額はさらに増加するものと見込んでおります。
P.7 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 県は一時期、高速カーフェリーあかねを買い替えた後に、建造費は出さなかったけれども、何年間かかけて赤字額の補てんを行いました。12億円でしたでしょうか、それはすぐに上限にいってしまったということでした。そのことについて、今は直接、県は運営費として出していないですよね。その辺のところを、松本最高経営責任者は念頭にないのか。その辺がやはり少し懸念があり、それを前提にしてもらったら困るのではないかと思っています。ですので、ここの赤字解消がされれば、佐渡汽船は経営的にうまくいくと、佐渡汽船もそう思っているということなのですが、松本最高経営責任者の感覚と皆さんがたの感覚はどうなのでしょうか。多分、皆さんがたは運営費を出す気はないでしょう。それは当たり前だと思いますけれども、その辺のところを伺いたいと思います。
P.7 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 松本CEOの御発言の趣旨を確認したところ、現時点で交付をされている補助金の継続というような趣旨での御回答でしたので、今申し上げたような国の離島航路運営費等補助金、あるいはこれも国、県、市の協調になりますが、特定有人国境離島地域社会維持推進交付金、あるいは県の佐渡航路の利用促進事業補助金は市も出しているところですけれども、それらのものの継続という趣旨で伺っております。
P.7 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 ということであれば、私が今ほど申し上げました懸念というものではないということですね。県は運営費的なものは考えていないと。
もう一つ最後ですが、和幸船舶株式会社が佐渡でトライアルした、羽茂・直江津間で貨物の試験輸送について、実績が去年ありましたけれども、手続きか何かが間に合わなかったということで、来年は本格的に参入を目指すということだったと思います。現状どのようなようすか、伺いたいと思います。
P.7 ◎答弁 藤井操交通政策課長
◎藤井操交通政策課長 和幸船舶につきましては、来年度に関して、現時点で公表できることはないとしておりますが、継続への意欲は示しておりますので、動向を注視しているところでございます。
P.7 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 今のところいろいろ絡む問題があるから、意向は意向として聞いているけれども、なかなか公にはできないということだと理解をさせていただきます。この件についても、やはり皆さんがうまくリードしていただいて、重要な航路だと思いますので、どういうふうにするのがいちばんよいか、今置かれている現状を加味しつつ、皆さまの考え方をはっきりさせていただいて、両者がうまく成り立つように行っていただきたいと要望して、終わります。