令和4年6月定例会_建設公安委員会 07月20日-01号

P.1 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 おはようございます。それでは、私のほうから若干質問を、ざっとさせていただきたいと思います。まず、ロシアのウクライナの侵略等に、あるいはその前に新型コロナウイルス感染症の影響もあったわけでありますが、国民生活、県民生活全般が非常に生活等にひっぱくしていると。影響が多大であると。それも、いつ収まるのか分からないというふうな状況にあるわけで、一般社団法人新潟県建設業協会、あるいは建設業にとっても、建設資材の高騰ということが全国的にいろいろと話題に上っていますし、大変ひっぱくした状況にあるというふうなことが伝えられているわけであります。建設資材の高騰について、本県の建設産業への影響を県はどうとらえて認識しているのか、あるいは土木部はどう対応しているのか、伺いたいと思います。

P.2 ◎答弁 斎藤龍夫技術管理課長

◎斎藤龍夫技術管理課長 建設資材の高騰に対する本県建設業への影響と土木部の対応についてでありますが、公共工事で使用する建設資材につきましては、鋼材や生コンクリートをはじめとする主要資材などにおいて、価格の上昇が続いている状況であると認識しております。具体的には、前年の同時期と比べて鋼材類は40パーセント程度の上昇、生コンクリートにつきましては、一部の地区ではありますが、20パーセント程度の上昇となっております。このように資材価格が急激に高騰した場合については、公共事業の発注において発注額の増加が見込まれるほか、変更契約時の設計単価と実際の購入価格に価格差が生じるという課題があると認識しております。変更時に発生する価格差については、毎月、市場の価格変動に基づいて改定し、最新の設計単価で予定価格を算定することで、資機材高騰時においても変更時の価格差が生じないという効果があると考えております。
 今後も公共工事の発注が適正価格でできるよう、毎月の設計単価改定を実施し、適切に対応してまいりたいと考えております。

P.2 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 適切に対応しているということで、少なくとも不利益は被らないように毎月の設計単価等で対応しているということでありますが、先ほども申し上げましたけれども、大変に収束が見えないということが非常に問題なのだろうと思っております。受注者側の実績等を踏まえて、柔軟な対応が望まれているわけでありますが、そういった中で影響がないように、最小限にとどめるべきであります。このような状況の中で、国は直轄工事の請負契約で規定する単品スライド条項のルールを改正し、対応していると聞いているのですが、どう変わったのか。国も柔軟に対応するというふうなことをあちこちで言っているようであります。国の出先機関、あちこちの、新潟県で言えば国土交通省北陸地方整備局でありますが、そこのトップがいて、あるいは本省も柔軟に対応するということでありますけれども、どう変わったのかと。国の対応に対して、国はどう、やはり、地方にも、いろいろな自治体にも広げていきたいという意向を持っているというふうなことでありますが、そのことについてと、本県の考え方、土木部の今後のさらなる対応方針について、伺いたいと思います。

P.2 ◎答弁 斎藤龍夫技術管理課長

◎斎藤龍夫技術管理課長 単品スライド条項のルールの改定についてでございますけれども、国では、特定の工事材料の価格が高騰した場合に、工事請負契約書の単品スライド条項に基づき、請負代金の変更を行っております。これまでのルールでは、工事材料の価格増加分は工事材料の実際の購入価格と購入した月の物価資料の単価を比較し、安いほうの単価を用いて請負代金額を変更しておりましたけれども、新たな運用ルールでは、購入価格が適当と示す証拠書類が提出された場合には、実際の購入価格のほうが高くても、変更後の単価を用いて請負代金額を変更することが可能となります。
 県におきましても、最近の資材価格の高騰を踏まえまして、6月24日以降、このルールを適用することとし、価格差による影響を最小限にとどめるよう対応してまいります。今後とも、県民の安全・安心を担う地域の建設業者等が持続的に役割を果たしていけるよう、対応してまいりたいと考えているところでございます。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 柔軟性を持って、敏感に対応することが望まれると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思っております。
 企業の利益、建設産業の利益でありますが、第四次・新潟県建設産業活性化プランでは、令和元年度の県内建設企業の利益率は 4.5パーセント、全国平均が 4.8パーセントです。これを中間の令和5年度に全国の建設業平均並み、最終の令和7年度末に全国の建設業平均以上にすると。全国平均並みと全国平均以上というのは、あまり変わらないのではないか、もう少し頑張ってもらってもいいのではないかという気はしています。それはさておきまして、こういう計画を持って皆さんがた、臨んでいるわけでありますが、資材の高騰については、とりあえずはきちんと対応していただくことが、今の緊急的な対応だと思っております。
 もう一つ入札の関係でありますが、このことについて伺いたいと思います。この制度改正が行われたわけでありますが、競争性や公平性、公正性、透明性の確保、工事の品質確保を前提にして、国や都道府県の低入札対策の見直し状況、あるいは地域の安全・安心の確保に貢献する県内建設産業が果たす役割を踏まえるということで、最低制限価格を予定価格の91パーセントとしていたわけでありますが、令和3年4月から、わが県は国の低入札価格調査基準に準拠して見直しがされております。落札価格の変化、評価というのは、今ほど申し上げましたとおり、まあまあ品質の確保がなされているか、ダンピングがなされていないのかというところも踏まえて、建設産業の利益、適正な利潤ということについて、どうなっているのか等含めて伺いたいと思います。評価について伺いたいと思います。変化もそうでありますが。

P.3 ◎答弁 星名秋彦副部長(土木部)

◎星名秋彦副部長(土木部) 最低制限価格等の見直し後の入札の状況でございますけれども、土木部発注工事における令和3年度の年間平均落札率は95.2パーセントとなっておりまして、見直し前の令和2年度の年間平均落札率95.5パーセントと比較しても、同水準となっております。これは入札参加業者のかたが適正に積算を行い、適正な利潤を確保したうえで、冷静に入札を行ってきた結果と受け止めております。

P.3 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 そうしますと、同じ水準で推移していると。品質確保、ダンピング等は行われていないという趣旨でよろしいでしょうか。

P.4 ◎答弁 星名秋彦副部長(土木部)

◎星名秋彦副部長(土木部) 委員が御指摘されたダンピングというようなものはございません。適正に入札が執行されているものと考えております。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 本年4月からでありますが、国は建設業が企業として継続するために必要な経費を考慮するということは、必要な経費はしっかりとやはり認めるべきだと。個人的には多少ずれてきたのかとは思っているのですが、そういうふうなことで、国は低入札価格調査基準の計算式を改訂したというわけでありますけれども、その中身は、一般管理費の乗率を55パーセントから68パーセントに、13パーセント引き上げたということです。前に国が改訂したときは準拠したわけでありますけれども、本県はどうなるのか、どうしたのか、どうするのか、その辺を伺いたいと思います。

P.4 ◎答弁 星名秋彦副部長(土木部)

◎星名秋彦副部長(土木部) 国の低入札価格調査基準の見直しを受けました本県の対応方針でございます。国の見直しを踏まえまして、本県においても国の計算式に準拠いたしまして、一般管理費等の乗率を55パーセントから68パーセントへと見直しを行うこととし、先般、7月13日に公表したところでございます。なお、このたびの見直しでは、地域保全型工事におきましても、新たに国の計算式に準拠することといたしました。一方で、下限値としましては、これまでの91パーセントを維持することといたしました。これは、昨年度の見直しにおきまして、地域保全型工事は災害対応あるいは除雪といった面で県民の皆様の安全・安心を担う地域の建設業を維持していくという観点から、従前の計算式を継続するとした趣旨を踏まえたものでございます。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 公表したのは7月13日ということで、企業に対していろいろとまあまあ告知というかそういうふうなこともする必要があるのだろうと思いますけれども、今後、どのようなスケジュールになるのか伺いたいと思います。

P.4 ◎答弁 星名秋彦副部長(土木部)

◎星名秋彦副部長(土木部) 今後の予定でございますけれども、関係団体のかた、あるいは入札参加資格者のかたがたに対して、しっかりと周知期間を設け、また、私どもの積算関係システムといったものを早急に改修したうえで、本年10月1日から適用する予定としております。

P.4 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 これによって、かなり利潤というか適正な利潤は確保されるのだろうと思いますが、この効果、具体的にどのような効果を期待しているのか、どの程度変わるのか、その辺も含めて、分かる範囲でけっこうですので、伺いたいと思います。

P.4 ◎答弁 星名秋彦副部長(土木部)

◎星名秋彦副部長(土木部) 最低制限価格等の見直しにより期待される効果ですけれども、具体的な数字はなかなか難しい部分がございますが、委員御指摘のとおり、このたびの国の見直しは、企業として継続していくために必要な経費を考慮して、一般管理費等の乗率を13ポイント引き上げたものでございます。
 県といたしましても、第四次・新潟県建設産業活性化プランにおきまして、経営基盤の強化を施策の柱の一つとして掲げまして、低入札対策の取組を進めることとしております。これにつきましては、国の見直しの趣旨と合致するものでございます。この見直しにより、工事の品質の確保とともに適正な利潤が確保され、県民の安全・安心を担う地域の建設業の維持につながっていくといったものが、見直しの効果として期待しているものでございます。

P.5 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 次に、最後でありますが、働き方改革についてです。2024年4月から労働時間の上限規制が適用されるということなのでありますが、それこそ建設業が、御多分に漏れず、担い手の育成、あるいは人材が非常に集まらないという産業になっていると。若者も入ってこないと。そのような状況の中で、やはりこれはきちんと進めなければいけない時代ですし、そういうふうにしないと、やはり建設業がもたないということもあるのだと思いますが、週休2日制の状況についてと、それに対する評価と、どこがどういうふうなことで、これから進めて、また、足りない部分はきちんとやるのかについて伺いたいと思います。

P.5 ◎答弁 斎藤龍夫技術管理課長

◎斎藤龍夫技術管理課長 週休2日制の現状についてということでございますけれども、担い手確保・育成の観点から、建設産業の労働環境改善は必要不可欠と考えているところでございます。このことから、土木部におきましては、平成29年1月から週休2日取得モデル工事の試行を実施しておりまして、令和3年度には原則、入札を実施するすべての土木工事に対象を拡大したところでございます。
 取組件数につきましては、試行開始から年々増加しておりまして、令和3年度の取得状況は工事実施中のものがあるため、実績はまだ未集計でございますけれども、令和2年度の実績におきましては、取り組んだ工事 680件の内、86パーセントの工事で4週8休以上を達成し、取り組んだ工事のほとんどで週休2日を達成しているところでございます。引き続き、週休2日取得モデル工事を実施していくことで、建設産業の担い手確保・育成に努めてまいりたいと考えております。

P.5 ◆質問 小野峯生委員

◆小野峯生委員 もう一方、関連してということなのですが、イメージアップ、あるいは人材確保・育成に必要なSDGsの推進についてです。昨年度から土木部において新潟県SDGs推進建設企業登録制度を創設したということでありますが、本年度はまだ見込みということなのですけれども、その辺の数値はどうなっているかということと、これからどうしていくかについて伺って、質問を終わりたいと思います。

P.5 ◎答弁 星名秋彦副部長(土木部)

◎星名秋彦副部長(土木部) 新潟県SDGs推進建設企業登録制度の本年度の登録状況についてでございますけれども、委員御指摘のとおり、本制度は昨年度創設いたしまして、令和4年2月に第1回の登録として 144社の登録が終わっております。本年度につきましては、現在、第2回の募集を5月2日から7月29日まで行っているところでございます。7月19日時点での申請者数は116社となっております。締め切り後、審査を行いまして、9月を目途に第2回の登録を行う予定としております。委員御指摘のとおり、建設企業におけるSDGsの推進につきましては、産業イメージの変革にもつながるものでございますので、新潟県といたしましても、引き続き登録企業の拡大に努めてまいりたいと考えております。