平成30年 12月定例会 産業経済委員会 12月11日-01号
P.5 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 おはようございます。私からも、少しばかり質問をさせていただきたいと思います。
今の続きで恐縮なのですが、観光局について、いろいろと決まっていないということは分かります。これから、また財政当局等々とのいろいろ協議があるわけですから。ただ、皆さんがたの配付資料No.1の2に、機能強化の概要ということが書いてあります。こういった中でプロモーション、セールス機能の強化、あるいは市町村、国内外の民間事業者等との連携機能強化だとか、国内外に向けた新潟の観光ブランド化推進。それと、新潟県総合計画「にいがた未来創造プラン」の見直し案にも、こういうふうにするのだという目標等々を定めています。
そういった中で、やはり外局にしただけでは、本当にそのままの仕事を今までどおり、やっていくという話にしかならないのです。皆さんがたが、産業労働観光部で、今現在、この辺がこうだから、こういうふうにするためには、どこどこの強化が必要だということは、配付資料に書いてあるのだけれども、皆さんがたが考える、そのために必要な陣容というものが、あるはずです。なければ、折衝できないのだから。そうでしょう。その辺のところは、産業労働観光部としては、どの辺の強化をして、どういうふうなことをということが、最低限欲しいのです。あるいは、ここはこうだから、そこから係をこちらへ移すとかという考え方を、今、ある程度示しておかなければ、折衝もできない。そういうふうな時期だと思いますが、いかがですか。そこだけ聞いて、次の質問に移ります。
P.6 ◎答弁 樺澤尚観光局長
◎樺澤尚観光局長 部局への格上げに伴う、それぞれの機能強化と、そのために必要な陣容というお尋ねかと思います。委員御指摘のとおり、部局へ格上げをすることによりまして、意思決定を迅速にして、スピード感のある対応、施策展開を行うということ。そして、さまざまな関係者のかたがたを巻き込みながら、プロモーション、あるいは県のブランド化というところにつなげていく。そのための対外的な調整機能というものの強化ということ。そして、併せて、局内、県庁内にあるさまざまな部局といったところとの連携、あるいは総合調整ということの横ぐし機能の強化といったところ。こういったことが、より部局となって基礎になってくる機能かなというふうに考えております。
そのためには、そういったことを適切に判断するための役割を、それぞれ分担しながら持っていく必要があるというふうに考えておりますので、その機能を中心となって担える役割をきちんとこなせるだけの体制を、人事当局へも含めてですが、しっかりと要求しながら整えていきたいというふうに考えております。
P.6 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 分かりました。では、機能強化に向けて、しっかりと折衝をしていただきたいと思っております。
洋上風力発電について、本会議場でも質問のやり取りが少しあったのですが、そのことについて何点か伺いたいと思います。私の地元のほうでもいろいろ関係があり、今までやってきた経緯もございます。とんざをした経緯もありますし、そういうものを含めて、少し伺います。基本的なところから伺いたいと思います。我が国では、諸外国に比べてなかなか進まない。小さいものは始まったようでありますけれども、その強化のために環境等々を整えるために、法整備をしたということであります。具体的に伺いますが、どのような障害を解消するために、どのような内容の法改正を行ったのか。ここは詳しくも長くなくてもいいですから、ポイントだけ、まずは示していただきたいと思います。
P.6 ◎答弁 和久津英志産業振興課長
◎和久津英志産業振興課長 洋上風力発電を進めるための新法である、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律のポイントについての御質問かと思います。一つは、洋上風力発電をやるうえで、海域を占用するときに、何十年という単位で長期的な占用が必要になるのですが、今、一般海域と呼ばれる海域では、これまではそういった仕組みがなくて、県の条例等で3年間の更新をするような形が多かったのですけれども、それをこの法律に基づいて、長期的な占用ができるようになるということがポイントになっております。
もう一つのポイントが、洋上風力発電をやるに当たっては、漁業関係者などの関係者との調整というものが、すごく大事になってきまして、そういったものを、国と地元自治体と関係者が入った協議会を作って、その中で議論していくという仕組みを作ったということが、二つめのポイントになっております。
P.7 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 先ほどもお話ししましたけれども、岩船沖洋上風力発電が今までなかなか進んでいなかった。胎内市のほうにもいろいろと、その筋から少し話があったということは承知しているのです。そういったことで、県の今までの姿勢として、皆さんがたは反論があるかもしれませんが、その協議会の事業者等々との進捗具合。今、言った漁業者との関係だとか、あるいは地域の感覚だとか、感情だとかが、どうまとまっていくか。そういうふうなところで、組織の中には少し入っていただいたという、岩船沖洋上風力発電ではあるのです。
そういった中で、私のほうから言わせると、言葉は皆さんがたにとっては不満があるかもしれませんが、積極的に進めようという、県庁全体で進めようという話には、なかなかなっていかなかったように、私の感情だけかもしれませんけれども、そう思っております。そういうことで、今度、そういう意味では、非常に積極的な姿勢に転ずると。知事が替わったせいもあるのかもしれませんが、そういうふうなことを私は思っているのです。話は一部で聞いていますが、その積極姿勢に転じた理由について、周りの環境等々と。今、国の法整備の話も聞きましたけれども、そういうものを含めて、積極姿勢に転じたという理由について、伺いたいと思います。
P.7 ◎答弁 和久津英志産業振興課長
◎和久津英志産業振興課長 県として、洋上風力発電の促進に、積極的に取り組む理由というお尋ねかと思います。
まず、県としては、今、お尋ねの岩船沖洋上風力発電の件ですけれども、その当時、進めていたときは、特に村上市が先行して進めていて、県として消極的だったわけではないのですが、村上市のスピードが速かったというのが、現実としてあったかと思います。一方で、県内の再生可能エネルギー全体の状況を見てみますと、やはり海域ということで、長い海岸線もありまして、洋上風力発電というものはポテンシャルが高いと。再生可能エネルギーを進めるうえで重要だということは、県も理解しております。また、国のほうでも近年、太陽光発電ばかりが広がっている中で、風力発電を広げていこうという動きが強くなっておりますので、そういった状況も踏まえまして、県として、洋上風力発電をさらに積極的にやっていこうという姿勢を持っております。特にその地域で言うと、地元との調整など、今、県でも研究会などを立ち上げようとしていますけれども、そういったことは市町村だけではなくて、県全体での取組というものが必要になってくると思っておりますので、引き続き、積極的にやっていきたいと思っております。
P.8 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 その研究会の組織については、このあと、伺いたいと思っております。
もう少し話をさせていただきますと、岩船沖です。いろいろな理由があって、今、とんざというか、休止状態になっているというのは、御承知のとおりです。振り返ってみますと、官民で、村上市を含めて、村上市議会も積極的に誘致をしようというふうなことで、国立大学法人名古屋大学の安田教授というかたが、この計画の中心人物でありまして、そこへ10社のコンソーシアムです。日立造船株式会社を中心としたコンソーシアムでありました。日本の大手企業がけっこうたくさん入って、地元のかたがたとも組んでという話でしたが、やはりいろいろ技術的な点にネックがあって、こういう状態になっています。
例えば、一つ言えば、粟島汽船株式会社との問題があって、航路が狭くなると、なかなか時間がかかってくるということ。それから、技術的にはつなぎの問題もあるのですが、岩盤だとかというふうなもので、当初、44基だったと思います、岩船沖洋上風力発電の計画にあったものが。概要では44基。それで、1基当たり 5,000キロワットでありましたから、相当の量のボリュームがあったと。そういうふうな事業で、いろいろやっていったら、その数でできなくなってしまったと、地形とかというふうなものがあって。そういうことで、採算が合わないということの結論でした。そういうふうなことで、まず岩船沖洋上風力発電のことについて、県は現状をどこまで把握をしているのでしょうか、伺いたいと思います。
P.8 ◎答弁 和久津英志産業振興課長
◎和久津英志産業振興課長 岩船沖洋上風力発電の現状の把握についてのお尋ねでございます。御指摘のとおり、岩船沖洋上風力発電ですけれども、10社のコンソーシアムで検討が進められておりまして、もともとの計画では1基当たり 5,000キロワット、計44基という大きな規模で計画されていたところ、粟島汽船の問題ですとか、岩盤の問題が大きかったと聞いています。そういったところで、規模を縮小する検討をしたと。 3.6メガワットが15基ということで、全体で54メガワットですか。そういう規模を縮小して検討を進めたところ、規模を縮小した結果として、送電線を新たに敷設するに当たってのコストが回収できないのではないかというところで、今、議論が中断してしまっているという状況だと理解しております。
P.8 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 安田教授のほうから、また胎内市のほうにも、いろいろサジェスチョンというか、投げかけているということは、御承知のとおりです。それによりますと、漁業協同組合のほうは、ある程度、理解を得ているというふうには、具体的に聞いているのですが、まだ組織を作ったりというふうな段階ではないので。それによると、今度は 100基なのです、概要の目標で。 100基を作るというふうなことで、安田教授のほうから話があって、胎内市長さんも前に進めたいというふうなことのようですが、その辺のところと併せて、胎内市のほうのことをどういうふうに把握しているか。それから、そのほかの適地がありますよね。その辺については、県でどういうふうに把握しているのか。その辺、併せて伺いたいと思います。
P.9 ◎答弁 和久津英志産業振興課長
◎和久津英志産業振興課長 胎内沖の洋上風力発電の可能性等についてのお尋ねかと思います。御指摘のとおり、胎内市のほうも、岩船のほうから続く海域の中で、洋上風力発電については、風も比較的強く、すごくポテンシャルのある地域だと思っております。その中で、安田教授もそうですけれども、関心を示している民間企業者もいるということで、承知しております。それで、安田教授からは、 100基というお話も出ていますけれども、ある程度、そういった大きな規模でやることで、送電線などのコストも回収することが可能になれば、事業も実現するのではないかということを期待しております。それで、御指摘のとおり、地元の胎内市長ですとか、漁協の皆様にも比較的、理解していただいておりまして、胎内市長にも積極的に推していただいていて、期待できる海域かなと思っております。
それと、ほかの地域で言うと、やはり県内の比較的浅い地域で、着床式といわれる洋上風力発電で言うと、今、お話のあった村上市から胎内市にかけてが、興味を示している事業者さんもいちばん多いですし、ポテンシャルがあるのかなと思います。加えて、もう少し深いところの浮体式洋上風力発電になってくれば、県でも一昨年度、新潟県沖洋上風力発電ポテンシャル調査をやっておりますけれども、佐渡沖とか、佐渡と粟島の間の辺りなども、ポテンシャルがあるかなということで認識しております。
P.9 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 それで今、話に出た送電線です。送電線、あるいは系統連系のほうの接続、その送電技術の問題等々がある。これがネック。今のところ非常にネックだと。費用も大変かかるというふうなことで、電力会社との関係がなかなかスムーズに行かないというふうなところがあるのですが、今、出たその辺が解決して、有力になるのではないかという話ですけれども、県としては、どのような見通しを持っているのか、伺いたいと思います。
P.9 ◎答弁 和久津英志産業振興課長
◎和久津英志産業振興課長 送電線コスト、送電線のつなぎ方の見通しについてのお尋ねかと思います。今、申し上げたとおり、送電線コストを回収することが一つのネックというか、課題になっていると。洋上風力発電を広げるうえで、課題になっているということで認識しております。まず、一般論で言うと、送電線を新しく敷設するだけではなくて、今ある送電線を積極的に活用できるように、より有効活用できるようにということを、県でも国にずっと要望しておりまして、国でもそういった議論が進んでおります。東北電力株式会社でも、国の議論を踏まえて、接続できる量というものを計算し直して、新しく提示を始めているところでございます。それで、県内にそういったことが少しずつ広がればよいなと、期待しているところでございます。
併せて、先ほど申し上げたとおり、洋上風力発電を 100基とかといった大きな規模でやるとなると、既存の送電線ではどうしても難しい場面も出てくるかと思います。そういった中で、やはり大きな規模でやるに当たっては、送電線を新しく敷設しなければいけなくなってくると思うのですけれども、そういったところは、ある程度の規模を集めることで、全体で採算を合わせるということをやっていかなければいけないのかなと認識しております。他県の例で言うと、幾つかの事業者が計画している風力発電で、幾つかの事業者が集まって、皆さんで送電線の費用を出し合ってといったことも、進められている経緯もありますので、そういったことも勉強しながら、どういった形ができるかということを考えていきたいと思っております。
P.10 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 産業振興課長、これは唐突な話に思えるかもしれないのですが、そうすると非常に広範囲で、非常に多くのものが計画できると。実現するということになれば、東北電力だと多分、新潟東港という感じになるのでしょうか。それで、間に合わなければ、比較対象の問題で、柏崎へ送るという方法も、前に聞いたことがあるのですが、柏崎は空いているのではないですか。柏崎刈羽原子力発電所ですよね。そういうふうな提案も聞いたことがあるのですが、その辺の可能性についてというのは、これからなのでしょうけれども、感覚としてあるものなのですか、ないものなのですか。
P.10 ◎答弁 和久津英志産業振興課長
◎和久津英志産業振興課長 送電線の問題と、柏崎刈羽原子力発電所の送電線が使えるかといったお尋ねかと思います。御指摘のとおり、柏崎刈羽原子力発電所のほうに、東京までつなぐような送電線があるということで、その送電線が使えないかという話は、事業者からも期待の声を聞いているところでございます。それで、その送電線ですけれども、柏崎刈羽原子力発電所の送電線については、東京電力ホールディングス株式会社のほうで今、所有しているということで認識しておりまして、そことの交渉というか、相談をしていかなければいけない話になるのかなと思っております。それでまた、そういった新しい風力発電をするといった状況が具体化してきた中で、場合によっては、そういったことを東京電力ホールディングスと相談していくというのは、ありえないことではないのかなということで認識しております。
P.10 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 企業に対する働きかけをしていらっしゃるというふうなことなのですが、具体的にもう少し詳しく、今の状況等々、あるいは興味がある企業もあるようですが、その辺のところを教えていただけますか。
P.10 ◎答弁 和久津英志産業振興課長
◎和久津英志産業振興課長 洋上風力発電をやろうとしている企業への働きかけについてのお尋ねかと思います。現状では、具体的に新潟県内で風力発電を考えたいと言っていらっしゃる企業も何社か、我々のほうにお話を頂いている状況もあります。そういった企業には、県内の情報を提供するなどをしております。また、それに加えて、東京でのセミナー等で、我々も広い場で、新潟県は洋上風力発電に積極的に取り組んでおりますということをPRして、そういった形で企業への働きかけをしているところでございます。
P.11 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 今、具体的に進めているということで、形のうえでは正式な発足はしていないようでありますが、県がする研究会というのですか。研究会でいいのかな、名前は。その進めるための研究会というものの、具体的な検討内容について。まずどういうふうな検討を具体的に進めていくのか。そこについて、伺いたいと思います。
P.11 ◎答弁 和久津英志産業振興課長
◎和久津英志産業振興課長 県で進めようとしている洋上風力発電の地元との調整等をするための研究会についての進め方、内容についてでございます。我々が考えているのは、今回、冒頭にもあったとおり、国でも新法ができまして、その中でも国や地元自治体、関係者で協議会を作って、議論していくということの仕組みが作られています。国も入って、そういった協議会を作っていくうえで、これから法律の施行までまだ時間がありますけれども、その協議会の土台になるような研究会にしたいと、我々としては考えております。まずは、事業者をたくさん集めるというよりは、市町村とか、漁協とか、地元の関係者にたくさん入ってもらって、全国の洋上風力発電の状況とかを皆さんで共有して、課題などを話し合いながら、県内でどういった取組ができるかという話をしていくということが、第一歩かなと考えております。
P.11 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 今、一部、産業振興課長から話をしていただいたのですが、地元の関係者の漁協だとかというふうな構成メンバーについてです。もう少しはっきりと。構成メンバーと、どれくらいの人数になるのか。そして、その時期について、伺いたいと思います。
P.11 ◎答弁 和久津英志産業振興課長
◎和久津英志産業振興課長 研究会の構成メンバー、人数と、時期についてのお尋ねでございます。まず、メンバーと人数なのですけれども、今、いろいろな関係者を、我々は担当課として回っておりまして、お話をしている状況でございまして、まだ人数が確定していない状況でございます。関係者も多いので、それなりに多い人数になるかとは思っております。
あとは、開催時期でございます。年度内には何とか開催したいと考えておりまして、今、調整をしているところでございます。
P.11 ◆質問 小野峯生委員
◆小野峯生委員 分かりました。ぜひ、可能性を探る意味でも、実現に向けて、県も積極的にいろいろ取り組むという姿勢を示していただきましたので、産業労働観光部長、何かありましたら、どうぞ。決意だとかいろいろ、感想がありましたら伺って、終わりたいと思います。
P.12 ◎答弁 橋本一浩産業労働観光部長
◎橋本一浩産業労働観光部長 当県は、再生可能エネルギー、新エネルギーに積極的に取り組んでいくという方向性で、にいがた未来創造プランもそうですし、あるいは予算の議論につきましても、そのような方向で今、議論を進めております。最も有力といいますか、現実性が高いものの一つが、洋上風力発電というふうに考えておりますので、力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。